純粋って言う、一見焼酎の銘柄みたいな物。

子供の頃、結構テレビっ子で学校から帰ると即座にテレビを点けてた。
曜日によってどの時間帯から何を見るかまで決まってて、当時はまだテレビがアナログ全盛でチャンネルのボタンも多かったからまるでゲームパッドのコマンド入力する時みたく押すチャンネルのボタンの流れがあった。

それぐらい、テレビが面白かったしテレビが好きだった。

基本はまぁ、アニメが主流だけどたまにドラマや特撮を見たり音楽番組を見たりだったけど基本はアニメだった。
当時は番組の内容にクギづけだったから、どう言う声優さんがこのキャラをやっているかとか全然気にしてなかった。もうこのキャラはこのキャラなんだ!って言う子供ながらに勝手に思ってた。
突き詰めれば自分はテレビのブラウン管の向こうには別の世界があって、このガラスを割ればアニメの中の世界に行けるんじゃないかとまで当時思ってた。(そこまで行きたい世界だったかは当時でも謎だけど…)

けれど昨今、それでこそテレビはたまに見るが昔のように「純粋な気持ち」で見ることは出来なくなった。
アニメを見れば「あっ、あの声優さんだ!」とか、ドキュメンタリーを見ても番組の中の世界に同調しすぎて疲れるし、政治経済の番組だと自然と政治家たちを罵っている自分がいる。
何より、表現者が出てる番組(声優・俳優・芸術家)を見ると嫉妬してしまって見たくなくなってしまう。本当は自分もこんな活動がしたかった。自分もあんな人たちみたいに大きな舞台に立ちたかったとか。
とにかく自分の嫌な部分が浮き出てきて疲れてしまって、余計な感情に振り回されておちおちテレビに集中できない。

こいつは一体何を言ってるんだろうとお思いになることだろう。
けれど、こうやって外に出さないと僕は生きていけない性分なのだ。
直接人に相談するのも愚痴るのも苦手な自分にとって、こうするしかないのだ。

話がそれてしまったが、どうして自分がこう言う事を思うようになったのかと改めて自問すると、やっぱり色々歳を重ねるにつれて様々な情報や知識に触れてきてしまったのが原因だろう。
それとやはり自分が選んだことだったとはいえ、過去に諦めてしまった自分がいるもの理由だと思う。
声優の道を選ばなかった自分。俳優の道を突き詰めなかった自分。興味関心を持たなかった自分。人と積極的に関われなかった自分…。
見たくない自分が沢山そこにはいる。けれど、本当にその時に戻れたとして自分はその道を取っていたかと定かではない。

結局、良くも悪くも自分は自分でしかないのだ。

日々が過ぎていく中
自分の中の純粋さみたいな物が溶けて行って
それが自分の中の水分と完全に混ざりあって
固形物として形を保てなくなったそれは
私の中のざわめきでより大きな波を立てるだけ

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