米国株マーケット考察 2021.3.3

マーケットサマリー

米国株式相場は反落。ダウ工業株30種平均は前日終値比143.99ドル安の3万1391.52ドルで終了し、ナスダック総合指数は230.04ポイント安の1万3358.79で引けました。

新型コロナウイルスワクチンの接種ペースの加速や、1兆9000億ドル規模の追加経済対策法案の早期成立への期待を背景に、前日の相場はダウ平均の上げ幅600ドルを超えで、約4カ月ぶりの大きさとなりました。この反動で、昨日はIT株を中心に利益確定の売りが出ていました。

主要な米経済指標の発表もなく、引き続き米長期金利の動向や、米議会上院で始まる追加経済対策法案の審議の行方に注目が集まる中、方向感がないものの、底値では買い意欲もあり、大きく下落するような雰囲気感はありませんでした。

とは言え、IT・ハイテク株をはじめとしたグロース株価の高さや、インフレに対する懸念が株価の上値を重くしているのは否めません。次の展開を見極めたい雰囲気も次第に強まって来ており、今は押し目買いを入れる時ではないとの意見も珍しく出始めています。

市場はFRBのリップサービスではなく実質的にどのようなステップを今後踏んでいくのかを期待してます。その観点からも、今週金曜日に発表の米国雇用統計で労働市場に改善の兆しがあれば、FRBは政策変更の許容範囲が広がるのではないかと思われます。

用語解説


-#グロース株 ーグロース株とは企業の売り上げや利益の成長率が高く、その優れた成長性ゆえに株価の上昇が期待できる株式のことで、「成長株」とも呼ばれます。

革新的な商品やサービスを通じて市場シェアを拡大し、増収増益を続けているような企業が多く、一般に投資家の人気が高いという特徴があります。ひところのIT株のように、ほんの数年で株価が数倍~数十倍に上昇するものも珍しくありません。


立沢賢一とは

元HSBC証券社長。
会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。
・立沢賢一 世界の教養チャンネル
http://www.youtube.com/c/TatsuzawaKenichi


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