不安定な夏休み相場[マーケット考察]2020.7.9

米国株式相場は反発。

買いネタはあまり無い中、ダウ平均は177.10ドル高の26067.28ドル、ナスダックは148.61ポイント高の10492.50ポイントで取引を終了しました。新型コロナウイルスの感染拡大が続き「経済活動再開銘柄」に売り圧力が高まりましたが、コロナ渦のなかでも業績好調が期待できるアップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックスが買われるという典型的なパターンでした。

売材料はいくつかあり、
(1) 米国の1日あたりの感染者数は遂に60,000人を超えた
(2) ウイルス感染の再拡大が経済委回復を遅らせるとの懸念
(3) 米国政府がTikTokを含む中国製アプリの禁止を検討している
(4) ポンぺオ国務長官の「世界は領土問題での中国のどう喝を容認できない」との発言を受けて米中対立深刻化への懸念が強まる
など、本来なら、市場はもう少し反応してもおかしく無いのですが、市場のリアクションは国家経済会議(NEC)委員長のクドローとセントルイス連銀総裁のブラードの発言に反応したようでした。

クロドー委員長は、「 シナリオは色々と考えられる。新型コロナウイルスにより数々の問題が生じ、計量経済学的には過去にこの手の経験値がない。米国はこの2ヶ月で800万もの新規の雇用を創造したことやその他好調な経済指標から鑑みれば、まさに、V字型経済回復に進んでいるである。 」

ブラード総裁は、「 米国失業率は年末までに8%以下、恐らく7%にまで低下するであろう。」
という両者ともかなり強気の発言を発していました。

いずれにしても、夏休み相場でもあり、市場のセンチメントはかなり不安定であるのは否めません。着実な株価上昇もあり、感染第二波懸念の下落もあり、投資家は引き続き気が抜けないという状況でしょう。


立沢 賢一(たつざわ けんいち)
元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授。会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。

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