元HSBC証券会社代表取締役社長からみる英HSBC資産圧縮、人員削減について
HSBCは1885年に東インド会社の貿易金融の決済銀行として香港上海銀行の名で創設された。その後、何十年もの間に50回以上の金融機関同士の合併を繰り返し雪だるま式に組織が拡大しその結果、欧州最大の金融機関にまで成長した。
本社英国、フランス、米国での商業銀行の合併は行ったものの、収益構造を見ると、合併効果は限定的でやはり、中国およびアジア地区の収益が全体収益の大半を占めていた。
収益の中身は、グローバルマーケット&バンキングと個人部門がほぼ半分ずつだったが、投資銀行部門を有するマーケット部門は市場の変動による収益のブレは避けられないのが実情だ。
ドイツを中心としたEUの景気減速、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る混乱の長期化、主要国中央銀行の利下げによる営業利益の低下などを鑑みると、大幅なリストラを敢行することが今後の銀行経営にとって最善の方策という結論になったのだろう。
過去の経験則では、HSBCに追随して他の大手国際金融機関もリストラを行っている。今後、欧米金融機関のリストラは続くと見る。
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NEWS PICKS 立沢賢一 / 立沢賢一 official website
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