電子カルテのUI/UXを考える その20

患者さんが入院することが決まった際には、診療に関するオーダーに加えて、様々な書類を作成しなければならない。そのため、電子カルテでも下記の項目について入力しなければならず、入力作業だけでもかなりの時間がとられてしまう。

①入院申込オーダー
 病名、入院目的、推定入院期間、入院希望日、病棟、食事開始日、食事内容を入力
②入院診療計画書
 病名、症状、治療計画、検査内容と日程、手術内容と日程、推定入院期間を入力
③指示簿
 入院後の各種指示を入力
④DPC登録
 主病名、医療資源を最も投入した傷病名、入院時意識障害、入院経路などを入力
⑤処置カレンダー
 入院後に処置が必要な場合に処置内容を入力
⑥入院処方
 入院後に投薬が必要な場合に処方を入力
⑦入院注射
 入院後に点滴などが必要な場合に注射内容を入力
⑧栄養管理計画書
 病名、栄養状態の評価、栄養管理計画などを入力

面倒なことに、登録先がすべて異なるため、いちいち画面を開く必要があり、しかも入力し忘れた項目があっても気がつくことができない。おまけに、病名や入院期間などは、異なる登録先でその都度入力しなければならず、全く効率的ではない。

従来の書類と同様に個別の画面で重複した内容を何回も入力させるようなら、電子化したメリットはないのではないだろうか。1つの画面で必要な情報を一括して入力できるようにすれば、入力時間を短縮できる上に入力漏れも防げるはずである。