診察案内表示システムを考える

画像1

F社の電子カルテには診察案内表示システムがセットでついてくるのだが、これにも問題がある。カルテと連動して番号を診察順に表示する仕組みであるが、一定の視力がないと見えないため、とても高齢者向けのシステムであるとは言えない。

また、呼び出しのチャイムが鳴るたびに、自分の番号かどうか確認する必要があるため、これまでのように名前が呼ばれるまで空想にふけることもできず、かといって隣のモニターで流れているテレビ番組を集中して見ることもできない。

そして、このシステムの最大の欠点は、呼び込んだ患者さんが呼び込みの合図に気がついているかどうかが診察室の中からわからないことである。もし患者さんが気がついていないと、無駄に待つことになり、外来待ち時間も長くなってしまう。

F社は、「診察番号を表示するため、業務効率の向上が図れます。患者様は、診察の待ち状況を把握でき、安心して順番を待つことができます。」と紹介しているが、実際には非効率的であり、患者さんもたえず画面を意識しなければならない。

どうしてもこのシステムを運用するのであれば、待合室の様子を中から確認できるように監視カメラも必要ではないだろうか。役にたたない掲示板であるが、使わないのももったいないので、当科では「看護師がお呼びします」と表示させている。