タイトル-運動内容別負傷_疾病発生数概要_準備運動_組体操_縄跳び_筋トレ_

準備運動、筋力トレーニング、組体操、、、「もったいない」負傷・疾病

先日、ラグビーでの負傷・疾病発生数についての記事をアップしました。実際の競技になると予測できないことも起きてきます。
帳票の中では、そういった種目以外にも準備運動や筋力トレーニング、また一時期メディアでも取り上げられた組体操についても集計されています(ほかに縄跳びなど)。以前にも取り上げましたが、昨年度分のデータを加えたものにアップデートしました。とにかく勿体ないです。

1.まとめ

図表が多くなるので、先にまとめです。
とにかくもったいないです。運動には危険が内在する。これは事実であろうと思います。だけれど、適切な準備や予防策によって重傷となることはもっと防げるのではないだろうか。特に部活動。集団としても保健体育の時間よりももっとコントロールできる要素があるのではないかなと思います。

ただ、現実的にどのような内容をさし、どう運営されているかまではわかりません。経験したことのない先生も沢山いることと思います。用具の問題や色々な部分があると思います。

全体の中では小さい数字、それでも改善できる数値。
自分の関わる中でも発生させないこと、結果論にならないようにこういったタイミングで改めて考えるべきこともあります。

ということで、以下詳細を示した表です。

2.【準備運動/整理運動、体操(組体操)、縄跳び、筋力トレーニング】での発生数

運動内容別負傷、疾病発生数概要【準備運動、組体操、縄跳び、筋トレ】

3.運動内容×負傷種類×年代

①運動内容②負傷種類③年代 でまとめてみました。
表中の「負傷に起因する疾病」「外部衝撃に起因する疾病」とはこちらから

3-1.準備運動、整理運動中

準備運動での負傷、疾病

3-2.体操(組体操中)

組体操での負傷、疾病

3-3.縄跳び中

縄跳びでの負傷、疾病

3-4.筋力トレーニング中

筋力トレーニングでの負傷、疾病

4.保健体育と体育的部活動での数値

4-1.筋力トレーニング

【負傷、疾病発生数】

筋力トレーニングによる負傷、疾病発生数:H23-H30

【負傷、疾病発生割合】

保健体育ならびに体育的部活動で発生した負傷・疾病数の中で筋力トレーニングによる発生が占める割合を算出しました。

筋力トレーニングによる負傷、疾病発生数:H23-H30-2

割合としては高くないかもしれないですが、それでも中学校・高等学校の部活動中に5,000件近く発生しているのはやはり気になります。そして、保健体育の中ではどのような運動がこのカテゴリに属するのか。どうやって実施されているのか。高校では発生したうちの95%以上が骨折、 捻挫、 脱臼、 "挫傷・打撲" "靱帯損傷・断裂"などであること(帳票11)。給付申請をするレベルなので、当然ある程度の重度にはなりますが、なにより勿体ないです。

4-2.準備運動

【負傷発生数】

準備運動による負傷、疾病発生数:H23-H30

【負傷、疾病発生割合】

保健体育ならびに体育的部活動で発生した負傷・疾病数の中で準備運動による発生が占める割合を算出しました。

準備運動による負傷、疾病発生数:H23-H30-2

準備運動も同様。これから運動やスポーツを始めようって時に勿体ない、勿体なさすぎる。色々な工夫をしていく中でマンネリ化するのを避けたり、楽しくということも考えて取り入れるけれどそう言ったところで起きてしまっているのか。。。。

4-3.組体操

【負傷、疾病発生数】

組体操による負傷、疾病発生数:H23-H30

【負傷、疾病発生割合】

保健体育ならびに体育的部活動で発生した負傷・疾病数の中で組体操による発生が占める割合を算出しました。

組体操による負傷、疾病発生数:H23-H30-2

小学校での組体操による発生数が多いことが確認できます。
メディアでも取り上げられたこともあり、この8年間で割合としても半減していることがわかります。それでもまだ生じているのが現状です。

5.もう一度まとめ

先生がどうこう、という話だけで解決できる問題ではないんですよね。用具やキャパシティの問題もあれば、児童・生徒のキャパシティも問題になる。負傷者数を減らすにはやらないのが一番、というのは正論ですが、危険なものを適切に扱うという刺激はやはり大切であると感じます。

その刺激が、その年代や環境において適切なのか?

という問いを経たのちに、ですが。




読んでいただきありがとうございます。日々の雑感やスポーツ、運動にまつわる数字を眺めてまとめています。普段はトレーニングサポートや講義を行なっています。