トップリーグ18シーズンでの体格変化:2003-2020シーズン登録選手調べ
(1/15)今シーズンのトップリーグ、トップチャレンジリーグは延期となってしまいました。また、トップイーストリーグについては中止ということで大変残念です。まずは陽性判定受けた方の症状が悪化しないように願うばかりです。
トップリーグは今年度で終了し、来年度からは新たなリーグも始まります。2003年に始まったトップリーグは今期で18シーズン目にあたります。この期間での体格変化をまとめてみました。一度、2018年にも作成していますが、これが最新版で最終版になりますね。データはトップリーグ公式サイトから入手しています。今年度のデータも合わせてご覧ください。
1.全選手平均体格推移
2003年度からの18シーズンで身長は1.5cm、体重では7kg増加しています。ポジションによってはもっと差が出てきますが、7kgというのは大きな差ですね。このレベルまできて中身(筋肉量など)の変化はあっても、体重が劇的に変わるということは決して多くないと思うんですね。様々な積み重ねなどによって大型化が進んでいる、大きい選手が入ってきているということも言えるのではないでしょうかね。
FWD,BKSで分けてみてみるとそれぞれで体重は約6kg増加しています。こちらは下に記載している各ポジションの平均値から算出しています。上の表は全選手データから。BMIで示すとその差はわかりにくいですが、【身長-体重】で出してみると変化もわかりやすくなりますね。
2.ポジション別推移
やはり全選手やFWD/BKSの平均値だけではわかりませんので、各ポジションで算出しました。複数ポジションで登録されている選手はそれぞれのポジションでカウントしています。また、ポジション区分では反映できていない選手データもあります。
2.1-PR,HO,LO
タイト5という言い方は古いかもしれませんが、スクラムでも核になるポジション。7-8kgの増加、、正直もっと変わっているかなと思いましたが平均レベルでした。
2.2-FL,No.8
No8はあまり変わっていないんですね。意外でした。初年度が大きかったということも言えるかな。その時々の人材、戦略もあるんでしょうかね。
スクラムは50kgほど重くなっている
実際の試合でデータではないので、平均データからの算出です。今年度では850kg前後、2003年度では800kgほど。実際の試合ではもっと重いチームもあります。
2.3-SH,SO
元々の体格という点でもSHは小さい選手が多いですが、5kg増加。身長-体重の視点で見ていくと他のポジションと必ずしも差が大きいということでもありません。
平均体重の増加が最も大きいのはSO。
2.4-CTB,WTB,FB
外国人選手の参入ということも大きな影響はありますが、みんな大きい。
体格の目安
1番体重が変化しているのはスタンドオフ。身長の変化も大きいですね。身長と体重の差で言えばフォワードは【身長−80】、バックスは【身長−90】は必要レベルの目安として挙げられるかなと思いますね。
フロントローは【身長-70】あたり。
BMIでいうとFWD30、BKS27が平均的なところでしょうか。
もちろん、トップリーグまで到達できる選手なので、体格ではわからない秀でた要因を持ち合わせていることは容易に想像できます。それでも年を追うごとに選手の大型化は進んでいます。これはアンダーカテゴリーにあたる高校や大学での体格変化の影響も含めて、ラグビー界全体としてS&C(ストレングス&コンディショニング)に対する取り組みが変化していることも大きな要因であると考えられます。そこには日本代表のラグビーW杯での躍進やそこに向けた取り組みも多大なる影響を与えているのではないかなと。
トップリーグの果たした貢献から、更なる発展に向けてリーグの意義が高まっていくことを期待しています。まずは今シーズンの開催がどうなるか、見守るしかできませんが開催に至ることを願っています。
読んでいただきありがとうございます。日々の雑感やスポーツ、運動にまつわる数字を眺めてまとめています。普段はトレーニングサポートや講義を行なっています。