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好きで得意なことをビジネスに育てる話

前回のnoteでは、アップルとテスラに共通する成功法則について、山口周さんが出演されていたYouTube動画を参照しながら私見を書きました(→こちら)。

今日はそのつづきみたいな話なのですが、内発的動機をいかにしてビジネスにつなげるか?その具体的な方法について書きます。

で、参考にしたい動画をまたまたYouTubeで見つけてきました。
もう3年も前にアップされていた、オリラジの中田敦彦さんの書評動画です。
以下にリンクを貼ります。
今日は中田さんの書評に出てくる考え方と照らし合わせながら私見を書きます。



自分のこととは言え、「価値観」を定義するのはちょっと難しそうですが…


中田さんがYouTubeの中で書評していたのは、ズバリ!「やりたいことの見つけ方」なのですが、「好きで得意なこと→やりたいこと」でビジネスにしようと考える際には、その前提として自分の価値観に気づくことが大事であることを強調しています。

前回のつづきの話になりますが、たとえば価値観に独自性が高いアップルやテスラは、商品やサービスを通じた「価値観」に対してファンがついてますよね。
こういった事実は、価値観を持つことの重要さを語っています。

価値観なんてものは誰しも当然ありますが、その一方で、それを定義するのは(自分のこととは言え)ちょっと難しそうな気もします。


「なんのために?」を考え抜くことで事業としての価値観を明確化する


企業活動における「大前提としての」価値観の重要性について書きます。

以下は、私が講義などでよく使う資料の一部です。
架空の体重計メーカーを例に挙げてますが、どうすれば事業を発展していけるか?!、そのアイデアを創出するためのステップを以下のスライドで表現しています。

筆者作成

事業アイデアを創出するにあたっては、まず、顧客はなぜ体重計を買うのか?に着目します。
つまりそれは「なんのために、その事業をやるのか?」、事業の目的を設定することから始めます。

その理由は、事業アイデアは何かのための「手段」であって、そもそもの「目的」がなければ手段としてのアイデアのよしあしの区別がつかなくなるからです。
事業であれば、顧客の問題を解決することが目的になることから、私の場合は顧客への着目から出発します。

たとえば、事業の目的を「顧客の健康的な暮らしを支える」と設定すると、そのひとつの手段として体重計を顧客に提供することになりますが、それは「顧客の体重を他社よりも正確に測定する」という事業目的を掲げる他の体重計メーカーとは異なるアプローチで顧客の悩みや欲求に応えるものになるかと思います。
その違いが、企業が備える「価値観」です。

さらに、価値観は事業アイデアを創出する際の基準になります。
「顧客は健康的な暮らしを実現したいから、◯◯を買う」の「◯◯」には、体重計以外のものも想起できるでしょうし、また、体重計を買ってもらったあとに健康的な暮らしを実現するまでのアクションまで想起できます。

そして、さまざまな事業アイデアを創出して実行している中で、自社の価値観がどんどん明確化されていきます。


ではどうやって、自分自身の価値観に気づくのか?


「なんのために?」を考え抜くことで事業としての価値観が明確化されますが、では、いち個人としての価値観はどのようなステップで明確化していけばよいのでしょう?
いわば個人としての価値観は、ビジネスの種になるわけですが。

・・・それを考えるにあたって、YouTubeで語っていた中田さんのエピソードについて書きます。

中田さんの場合は、ご自身が大学生のときにはじめてお笑いライブをやって観客が沸いたときの感動的な成功体験が、自分の「好きで得意なこと」を自覚できた瞬間だったそうです。

これは一般論ですが、自分が好きで得意なことで誰かのために何かをしたら、たとえば「ありがとう」って言われたとします。そのときの「ありがとう」が嬉しいのであれば、その人はきっと好きで得意なことを誰かのためにし続けることになるでしょう。
中田さんの場合は、観客から「面白い!」と言われたことが嬉しかったそうです。
ちなみに私は「ありがとう」を実感して仕事しています(→過去記事はこちら

では、中田さんにとって「価値観」とは何でしょうか?
・・・中田さんご自身が「なぜ嬉しいのか?」と感じた、その理由が価値観です。

(その理由はYouTubeで語っていましたがここでは割愛します)
その理由をカタチにして、顧客に向けて発信したらビジネスになりますよね。
アップルやテスラはそういったことをしていますし。

中田さんは「これが自分の好きで得意なことだ!」とご自身の体験(はじめてのお笑いライブ)から得た上で、事業目的、つまり「なぜ嬉しいのか?」を自分視点から顧客視点に設定し直すことで、他者に喜ばれるコンテンツを発信できるようになったのではないでしょうか。


むすび


今日は価値観の定義を明確化してそこからビジネスに育てる方法を、私が講義で用いる体重計の事例と中田さんのエピソードから考察しました。

価値観を決め、それをもとにビジネスに展開するステップを私なりに書きましたけど、あらためて思うことは、中田さんが解説されていた本「やりたいことの見つけ方/八木仁平・著」には、中田さんがYouTubeの中でご自身のビジネスを検証していたとおり取り組みやすい質問が多くあるみたいで、自分発信のビジネスを考えている人にはとてもよさそうなフレームワークに思えました。

とりわけ、「好きで得意なこと」から自分発信のビジネスは出来上がりますが、その前に「価値観」の設定が重要であるという主張には同感します。
また、「価値観」と「好きで得意なこと」を「目的と手段」と考えることでビジネスに展開できると私は考えるのですが、おそらくそれは中田さんの説明と一致するのではないかと思いました。

あとは、ビジネスとして成功するためには構想力が重要かと。
最終的には、明確に結びついた目的と手段に対して顧客がファンになるというのが、ひとつの理想でしょう。アップルやテスラがそうであるように。


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