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「ありがとう」を生み出すのが仕事と思えるようになった話

社会人をかなり長いことやってますが、私は今でも毎日「自分の仕事とは何か?」について考える日々を過ごしています。
要するに、何を目指して仕事をしているのか?と。

主にはプロダクトデザイナー、もしくはデザイン部門のマネジメント職としてキャリアを積んてきましたけど、まさか50を過ぎた今でもその結論が出てなく、それ(=何を目指して仕事をしているのか?)を考え続けるキャリアを積むとは思ってもみませんでした。

そんな私、最近、「これが生き甲斐につながる仕事なのかな?」と思ったことがあったので、今日はそんなことを書き留めておきます。


「ありがとう」を生み出すシンプルな方法


結論を先に言うと、生き甲斐につながる仕事ってのは、相手から「ありがとう」と言われるアウトプットをすることなんだと自覚を持てるようになりました。
なので、仕事のために自分が準備すべきことは、きっと「ありがとうをどうやって生み出すか?」を考えることなんじゃないかと。

当たり前のことしか言えず、それをnoteに書くのも申し訳ないのですが…。

私の専門領域の話で恐縮ですが、クレイトン・クリステンセン(1952〜2020)というイノベーションの神様みたいな先生が「ジョブ理論」(2017)という本を書いていて、近年の私の仕事はそれに大きく影響を受けています。

そのジョブ理論の基本的な考え方は、(かなりざっくり言うと)「特定の状況」で「顧客」が「成し遂げたい進歩」の3点を明確にすることで、顧客の行動変容を促す動機(=つまり「顧客が商品やサービスを購入する理由」)をつくることができるというものです。

このジョブ理論は、「ありがとうをどうやって生み出すか?」を考えるにあたってそのまま活用できます。
「顧客の特定の状況」をしっかりと理解した上で「顧客が成し遂げたい進歩」をサポートすることによって、顧客から「ありがとう」を生み出すことにつながります。
誰しも、その先には何かしらの進歩を望んでいるからです。


苦しい状況を理解し、乗り越える方法を考える


私自身が若いときに仕事で苦しんでいたときの状況を思い出すと、総じてそれは「自分が望んでいる進歩を得ることができない」ことでした。

たとえば、スキルが足りなくてカッコいいデザインができないとか、知識が足りなくて混沌としている状況を打破できないとか、仲間たちに貢献できてないとか、まぁだいたいそんなところです。
つまり、その人が置かれた状況はさまざまですが、「成し遂げたい進歩」があることはわかるかと思います。

コレって、別に私だから苦しんだことってわけでもなくて、一部の優秀な人を除けば、きっと誰しもそのようなことで苦しんだ経験はしていると思います。
成し遂げたい進歩が得られない状況をどうやって抜け出すか?みたいな。

そこで考えるべきことは、顧客はそもそも何を成し遂げたいと考えているか?、なぜその進歩が得られない状況に置かれているのか?を正確に理解した上で、その状況を抜け出す方法を考えることです。

経営コンサルタントの私は、一社員の単位から経営の単位まで俯瞰することで「何を成し遂げたいか?」を理解した上で、その苦しんでいる状況を抜け出すための知識・スキル、そしてそれらを活かす考え方を授けて、「顧客が成し遂げたい進歩」をサポートすることなんですよね。


「ありがとう」に囲まれて暮らせるように


冒頭の話に戻りますが、「自分の仕事とは何か?」についてですが、生活のためにはお金が必要で、家族が望む暮らしを実現するためにはそれなりのお金も必要です。
けど、そこで「お金のために仕事がある」と考えるのは、私にはどうにも生き甲斐みたいなのを感じることができなくて自分を暗くしてしまいます。
自分の存在意義と言いますか…。

かと言って、仕事を通じて何か明確に目指すものがあるかというと、そんなのは30年も社会人をやっていても明確にできたとは言えません。
だから今でも考え続けているのですが、答えが出なくても日々の喜びは得たいとやっぱりそれは望んでいて、その結果が「ありがとうをどうやって生み出すか?」に集中するという考え方に至りました。

「ありがとう」を言ってくれる人たちのために仕事をしていると、生き甲斐を感じます。
だから「ありがとう」に囲まれて暮らせるように、私が自分らしく何ができるのか?を考えて、そこに集中して日々を過ごせることが私には幸せなのかな?と。
逆に言えば、ありがとうの言葉が聞こえてこないところでは別に無理して頑張ることはないということでしょうね。


むすび


40代半ばで会社を辞めて経営コンサルタントとして独立しましたけど、デザイナー、もしくはデザイン部門の管理職時代とは違った喜びを得ています。

デザインの仕事では、美しくて機能的な解決策でモノやサービスと人との関係を進歩させていました(消費行動を刺激するだけのデザイン変更の仕事も多々ありました)が、今の経営コンサルティングの仕事では、問題提起と解決策を通して従業員の行動変容を促すので、進歩させるのはモノやサービスではなく直接的に「人」という面でやり甲斐を感じます。
それが「ありがとう」を実感できることにつながっているのでしょう。

これからの自分の人生では、仕事を通じて「ありがとう」を増やしていって、その「ありがとう」の価値を最愛の我が子に伝えていきたいと思ってます。


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