推薦状の戦略と、回避できる致命的な失敗~海外大学院出願~

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今回の記事では、奨学金1000万円を獲得した際の、「推薦状」について詳しく解説しようと思います。

推薦状が2通必要な大学も少なくありません。安パイをとって、早めの段階から推薦状を2通用意するという前提で計画をたてるのが良いと思います。


推薦状執筆の大前提~推薦状は自作自演なり~


はじめて推薦状を準備する方には衝撃かもしれませんが、推薦状は先生が執筆するものではなく、自分で書きます。「自作自演です」(もちろん教授と事前相談や推敲の繰り返しは必要です)

なぜ自分で執筆する必要があるかというと、

・教授は忙しすぎてそんなもの執筆する時間はない。
・推薦状の内容も戦略的に書かなければまず合格しない。(業界で有名な超激強教授が自分の指導教員というラッキーな人は除く。)

からです。推薦状は出願においてどのような作用があるかというと、モチベーションレターの内容の補強も含めた、学生の信頼度向上です。

自分のモチベーションレターの内容とにらめっこしながら、どうすれば自分のモチベーションレターの補強となるような内容を執筆できるのか熟考する必要があります。

とはいえ、この戦略は意外と単純で、Aをアピールしていれば、推薦状でも別の視点からAをアピールすればいいだけです。

つまるところ、教授は時間もないし何をアピールしたらいいかも知らないので、有効な推薦状を執筆できません。(超スーパー優しい教授は、推薦状の執筆を投げても学生と相談しながら全部書いてくれることもあったりなかったり…)

なので自分で推薦状を執筆する必要があるわけです。私が自作自演した推薦状は、有料部分に2通引用しました!!!

誰から推薦状をもらうのか。~2通の際に重要なこと~


推薦状は2通さえ用意すればいいという訳ではありません。誰から貰うのか考えずに用意してしまうと、2通準備したものの、結局1通分の効果しかないという事態に陥ってしまうことがあります。

どういうことか簡単に言ってしまえば、「身内から2通もらうな」ということです。例えば、出願する人は誰でも自身が所属している研究室の教授から1通推薦状をもらうと思います。

ここで2通目の推薦状として、研究室の准教授から貰うとか、同じ学科の学科長から貰うなど、「身内」から2通貰ってしまうと推薦状の効果が半減してしまいます。

これは単純な理由ですが、客観性に欠けるからです。

学生を審査する側としては、学生が所属している機関の先生は間違いなく学生を良く書くであろうから、別の機関の人からの評価を知りたいと思うでしょう。

次は、2通目の推薦状についてどのような戦略をとるべきか(私がとったのか)説明していきます。

推薦状2通目の戦略

推薦状2通目を準備する際に重要なことは次の2点です。

①出願する分野と関係のある他大学の教授or長期インターン先の上司から貰う
②1通目の推薦状と軸は同じで、アピールする学生の内容はほぼ同じにする

まず①から。
出願する分野と関係がある必要がありますが、即戦力Ph.Dでなければ、学科が同じくらいでokです。また長期インターンシップ経験された方は、そこの上司から推薦状をもらうという手もあります。(私はこの手を使いました。)
さらに、推薦状執筆者が、出願する国の人であればさらに効力がアップします。私は、ヨーロッパ人の上司から推薦状を貰い、ヨーロッパの大学に2校合格しました。

これを見据えて、海外の教授から推薦状をゲットするために交換留学に行こうと考えている方がいらっしゃれば、先見の明がありまくりで大変すばらしいです。

ただし注意点が一つあります。それは、「授業を受けるだけの交換留学では、推薦状は期待できない」ということです。

なぜなら、授業を受講するだけでは教授とつながりはできないし、できたとしても教授はあなたについて何もアピールできないからです。(アピール上手だとしても、推薦状を審査する人は「こいつ授業受けただけやんけ!」と簡単に見破る。)

実際に、アメリカの大学へ1年間交換留学した同期の友達も同じ主張をしています。

一方、「研究室に所属できる交換留学」をすれば推薦状を貰える期待値がアップします。

研究室に所属していれば、教授が持っているプロジェクトの一端を担って研究することになるはずなので、研究を着実に進めていればそれだけで推薦状を書いてくれる確率がアップします。

次に②について。
1通目の推薦状と大きく異なる点をアピールしてしまうと、審査側は学生の人物像がつかみ切れず、せっかく用意した推薦状が非効果的なものになってしまいます。

おすすめとしては、アピールしたいことがA, Bの2つあるとして、

1通目の推薦状でAをアピールするが、Bの能力もあると簡潔に書く。

2通目の推薦状でBをアピールするが、Aの能力もあると簡潔に書く。

です。

例えば、Aが着実に物事を進める、Bがチームプレイできる。とかです。

アピールポイントがAの一つだけだと心もとないので、AとB(とC)くらいあればよいかなと思います。ただし、A,B,C,D,E…とこれでもかと詰め込んでしまうのはNGです。就活に似てるかもしれませんが、A,B,C,D,E…の事象から共通点を抜き出し(抽象度を高め)てA',B'としてアピールしてください。

推薦状提出における致命的な失敗

推薦状を準備して、先生方の直筆サインもいただいて、準備万端いざ出願!
と思いきや、意外な落とし穴があります。(私は致命傷になりかけました…)

ここでの落とし穴とは、「教授が直接提出しなければならない」場合のことです。

実際に自分が体験したことです。

すべての準備が整い、いざ出願を進めるぞと思い、出願用ウェブサイトでどんどん進んでいきました。順調に書類のアップロードとセーブも出来たのに、いざ推薦状提出の画面に進むと、「メールアドレス記入欄」しかありませんでした。

そうです、教授のメールアドレスを入力すると教授にメールが飛び、教授が直接推薦状を提出しないといけないという嘘防止の厄介なシステムでした。

自分の場合は締め切り3日前に提出予定だったので、なんとか教授に今一度連絡をとり間に合わせました。もし締め切り直前であれば絶対に間に合っていません…

言い訳をしておくと、募集要項には教授が提出するなど一言も書いていませんでした。書類をアップロードしてページを進めていくと、最後の推薦状のページでいきなりそのことが明らかになるという罠…

このような致命傷となりうる罠もあるので十分注意してください。


ここから先は、実際に私が準備した推薦状を引用して詳しく説明しますので、有料とさせていただきます。

01 ~ 10 部 500円 残り10部
11 ~ 20 部 700円 
21 ~ 30 部 980円
31 ~ 40 部 1480円
41 ~ 50 部 1980円 

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