30代前半とドラゴンボール

なぜか高校生までドラゴンボールは身近にあった。
筋斗雲に乗った小さな悟空から、ベジータとフュージョンしてゴジータになるまで見ていた。

ドラゴンボールの入り口はアニメ。小学生の時に夏休みのキッズステーションでたまたま知った後、チャンネルガイドで放送日時を探していた気がする。自分の中では「リアルタイムなアニメ」として見ていたが、天下一舞踏会までの部分は1986年から1989年の期間にフジテレビ系列で放送されたらしい。私の生まれる前年に一度区切りがあったことを今日知った。アニメを堂々と見られる家庭ではなかったので、リアルタイムに放送されていたドラゴンボールGTもキッズステーションで一気に見たような気がする。

中学生でドラゴンボール映画も何作か見た。同じ塾に通う友人がDVDを順番に貸してくれた。淡々とドラゴンボール布教活動をしている友人で、見た感想を何人かで共有して盛り上がっていた。内容をはっきり覚えている作品は少ないが、掃除をまだ終えていない緑色のプールを見ると、「ブロリーが出てきそうだ」と今でも思う。大学生の時にES細胞の研究をしていたにもかかわらず、私が「培養液」と聞いて真っ先に思い浮べるのはブロリーの姿である。

実は漫画を読んだのが一番遅かった。アニメ、映画、漫画の順にドラゴンボールに触れたことになる。その漫画を読んだのは高校生の時で、担任の机のそばにある金属棚にドラゴンボール全巻が入っていた。誰が持ってきたか全く覚えていないが、「39巻はどこだ!魔人ブウとダーブラはどうなった?」など、クラスの男連中は熱中して読んでいた。私以外も漫画のドラゴンボールとの出会いは遅かったのかもしれない。ちなみに、金属棚は扉が閉まっているので、担任はみんなのドラゴンボールがそこにあることを知らない。もしかすると、あえて見逃してくれたのかもしれない。

「あぁ、オレはドラゴンボールが好きな男の子だったんだ。」と今日になって初めて気付いた。


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