統合的、包括的に診るということ② 人体の構造・機能・精神
前回の記事では人の心身を3つの要素に分けると言いました。今回はそれをさらに詳しくお伝えしたいと思います。
生物の発達と構造・機能・精神
三要素に優劣はありませんが低次、高次の要素はあります。
それは生物の発達に基づいたものになります。
構造的要素は微生物などの原生生物でも持ち合わせてます。(細胞といった構造)ですがこれらの生物には神経系が存在しておらず機能的な側面がありません。
微生物などから進化し、両生類などになってくると神経系が発達、機能が出現します。しかしまだ精神レベルが発達していない状態です。(両生類には心が無いって話では無いですよ。)
哺乳類、そして人となってくると記憶、予測、などの高度な精神性をもつことになります。
この三要素、低次なもの、すなわち構造は可塑性が低い、すなわち変化しにくいもので高次なものは可塑性が高い、すなわち変化がしやすいという事になります。
どういうとかと言いますと構造レベルの問題、
例えば骨折などでは時間がかかりますがまだ修復可能です、ですが四肢の切断となってしまえばそれはその先修復は出来ません。
切断というと極端かもしれませんが、関節の退行精神変性なども基本的には不可逆なものです。
機能のレベルはどうでしょう?
例えば脳梗塞で運動機能の障害が出現するとします。
組織的には壊死してしまった神経細胞はそのままになりますが神経細胞は限度はありますが損傷した場所を迂回するように再編成されます。(ここでは詳しい神経可塑性の話は割愛します。)
このように低次な物は可塑性が低く高次なものは可塑性が高いという特徴があります。
その反面高次なものは複雑であるとも言えます。
この三要素にプラス環境面(家屋状況、どんな仕事をしてるか、人間関係、など)を合わせて考えていきます。図に表すとこのような形です。
それぞれの要素は完全に独立しているわけではなくお互いに影響を及ぼしながら心身の恒常性をたもっています。
三要素について
ここからは3つの要素がどのようなものか説明していきます。
構造
構造とは骨や筋、皮膚や脂肪など身体を構成する物体的な要素です。地球上では全ての物質に重力がかかる為、重力下でのメカニカルストレスをかからないようにしていく必要があります。
また体組織内の滑走性の低下によってのメカニカルストレスも存在するのでそちらも除いていく必要があります。
機能
機能は物体的な構造を動かす為の生物的な要素です。基本として人は
感覚→統合、プログラム作成→運動
といった形式をとって身体を動かしているので
このシステムが適切に働くようにしていく必要があります。
精神
「物体」としての構造、「生物」としての機能、ときて、「人」としての精神があります。
精神はそのままメンタルヘルス以外にも不定愁訴などの自律神経症状や痛みにも大きく関わります。
精神というと
気持ちの問題なのか、精神力が弱いのか、痛みや不調を気にしなければ良いのか、と言われそうですが話はそんなに単純ではありません。
本当は精神という呼び方かあまりよろしく無い気もしますが、他に適した言葉がありませんので精神とします。
精神はベースとなる自身の身体や周りの環境をモニターする感覚面と、自律神経や感情面、高次の知性、考え方や信念などが関わってきます。
本日はここまでです。
次回はこの構造・機能・精神がそれぞれどのように関わり合うかを説明していきます。
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