神経痛について考えてみる 〜末梢神経の構造と神経の神経からの考察〜

今回は末梢神経について色々と書きたいと思います。
神経痛も様々な種類がありますがヘルペスウイルスによる神経痛、絞扼障害による神経痛、など色々ありますよね。

今回はヘルペスウイルスのような神経そのものの病変というよりは絞扼障害などの物理的な神経痛に関連する事を末梢神経の構造と神経痛の関係性から考えていきたいと思います。


まず末梢神経は脊髄からニューロンが始まり
脊髄神経後根から感覚神経が
前根からは運動神経が出ます。


それぞれの神経は脊髄から出てくる場所は違えど合流してひとつの神経の束として身体各所まで伸びていきます。
つまり尺骨神経、坐骨神経などの神経は感覚神経、運動神経が混在している事になります。

当たり前のような事かもしれないですが意外と末梢神経の構造がイメージ出来てない方もいるのではないかなと思います。


感覚神経、運動神経、それぞれ別の神経なのですが一つの束となって走行しているわけです。これらの神経は神経周膜、神経上膜と呼ばれる膜で覆われて一本の神経となっております。

そして重要な事としてこの神経周膜、神経上膜の中にも神経が分岐しており、さらには感覚受容器があるとされております。


この神経の膜の中にある神経は「Nervi Nervorum=神経の神経」と呼ばれます。


末梢神経内に感覚受容器があると言うことは
神経そのものが感覚を感じる可能性がある
という事です。

一般的に末梢神経障害というと胸郭出口症候群、梨状筋症候群、ギヨン管症候群など神経が狭い所を通る時に圧迫されて起こるイメージが強いと思いますが(もちろんそのような場所で神経障害が起こりやすい事は間違いないと思います。)


それらの絞扼後発部位でなくても神経とその周辺組織との滑走障害などが起これば神経上膜にストレスがかかり、いわゆる神経因性疼痛の原因になりうるのではないかと考えられます。

この神経の神経はまだ分からない事も多いようですが論理的には充分に可能性があるかと思います。


神経の神経が疼痛を引き起こす可能性があると仮定した上で考えていきたい事としては筋力低下と感覚鈍麻です

神経上膜の障害なら筋力低下や感覚鈍麻などは起こりにくいと考えられます。

神経の神経が反応しているだけなのでその奥にある運動神経、感覚神経は問題ないと思われます。

反対に絞扼障害では
程度によっては感覚、運動神経そのものが障害を受けたり虚血による神経のダメージが起こりうるので筋力低下や感覚鈍麻など起こる可能性が出てくると考えられます。

過信はできないですが末梢神経障害が疑われる際には

痛みの有無
痺れの有無
筋力低下の有無
感覚鈍麻の有無

これらをしっかり確認しておくとしょう病態の解像度が上がるのではないでしょうか?


今回は末梢神経の構造から見た神経痛について書きました。何かしらの参考になれば幸いです。

次回以降に各論的な神経痛を取り上げたいと考えておりますので、ぜひ読んでいただければと思います。

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