介護職とリハビリ療法士の給与

SNSを見ていると高齢者介護施設でのリハビリ関連職種の給与について色々と書いてありました。

ざっくりと言うと療法士の給与は介護職よりも安くなっていくと言った内容でした。

私はあん摩マッサージ師でリハビリ関連職種ではないのですが通所介護事業所にて機能訓練指導員として働いていたので少し思った事を書きたいと思います。


介護職より療法士の給与が安くなっていく事、これはある意味必然じゃないかなと思っています。

それは機能訓練指導員時代の経験からそのように考えてます。
介護保険下でのサービスを提供する際にはケアマネージャーを中心に担当者会議というものを行います。

これはご利用者様に対して各サービスがどのような方針でサービス提供していくかを話し合う場になっており、ケアマネジャーはもちろんの事、通常介護施設、福祉用具、訪問介護、などなど介護保険下のサービス提供者が集まって話を行います。

私も担当者会議に何度も出席した事があるのですがよく無力感を感じる事がありました。

例えば病院から退院してきたが歩けなくて自宅の中でトイレに行けない。部屋の掃除が出来ない。
そんなケースの方に対して

福祉用具の方はポータブルトイレや手すりを提供出来ます。

訪問介護の人はお家に伺い掃除をする事ができます。

ではリハビリの人は何が出来るのでしょうか?


自分で移動してトイレに行けるようにリハビリします。

といった所でしょうか


でもそれはいつ達成出来るのでしょうか?
1週間後?1カ月後?もしかすると半年後?

でもこの方は家に帰ってきた瞬間から困っているのです。今、この瞬間の課題に対してはリハビリは大変無力だと感じます。

もちろんリハビリが必要ないということでは無いしケースによっては福祉用具の人と協力して手すりの位置や種類、使い方などのアドバイスは出来るでしょう。

しかしそれは一部の側面であり大半は福祉用具、訪問介護などのサービス提供者が主体となります。

私は施設リハビリ以外に訪問介護も経験したのですがそこにいる方々は今、この瞬間困っている人たちでした。

今困っている事をとにかく解決してあげない事には生活が出来ない人が多くいます。

そんな人達にリハビリ従事者ができる事は意外に少ないと感じました。


話を戻すとリハビリ関連職種の人が介護士よりも給料が安くなるといった話はある意味必然かもしれないと思います。
何故なら介護関連職種の人の方が直接的に「困り事」を解決できるからです。

極論ですが崇高な目標だけ掲げてご利用者様を頑張らせて生活レベルで変化もなく続けていくのはある意味やりがい搾取みたいなものだと思っています。


もちろんリハビリがいらないという事ではないし、リハビリによって人の手を借りずに何かを出来るようになる事は大変に価値があり、それはリハビリでしかなし得ないと思います。

ただ、だからといって介護士がリハビリ関連職種より劣るといった事は全く無く、むしろ介護士の方が役に立つケースはいくらでもあると思うます。


リハビリ職種の人はまず介護士の価値をしっかりと知る事、そしてリハビリによって何が出来るか、何が出来ないかを見極める事。

そして何よりリハビリによって出来ること(提供できる価値)を高める為に技術や知識、人間性などを高めていく事が何より必要だと思います。

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