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【書評  超訳ニーチェの言葉  フリードリヒ・ニーチェ 編訳・白鳥春彦】

ニーチェは虚無主義者でもなければ無神論者でもない。形骸化したキリスト教倫理からの人間性の解放とそこからの新しい人間観の構築を提案している。折にかなうニーチェの言葉、それは鋭く、外科医のメスのように腫れて澱んだ心を切り裂いて膿を出す。すべての箴言の裏に深い人間洞察があり、中には、〈危険に見えることには挑みやすい〉など社会心理学の実験で取り扱われたテーマに関するものもあり、まさに哲学が心理学の母であることを認識した。

(2024年3月31日読了)

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