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日用雑貨の会社にいた時の話①

前回からのつづきです。

仕事が決まるまで4ヶ月掛かりました。

ちょうど、失業保険も最後の振込が
あった後だったので、タイミング的にも
運がよかったといえます。

世の中はデフレ不況でしたが、
仕事はとにかく忙しかったです。

まず、入社して驚いたのが、
ほほすべての取引が現金のみということ。

掛取引は一切しないというこだわりが
ありました。

そのため、よく言えば堅実経営。
悪く言えばケチ。

とにかく、お金に関してはシビアでした。

例えば、業務上必要なものを購入する際
どんなに少額な物でも相見積もりを取らせ
1円でも安いところから買うということを
徹底させていました。

だから、無借金経営なのだと理解した
次第です。

売上の構成は、営業が薬局や日用雑貨を自営で
やっている得意先に回って注文を貰う
スタイルと、お店に来たお客様に商品を売る
スタイルです。

最初は商品を覚えるということで、
お店に配属。

お店といっても、問屋の卸価格で
販売しているので、一般のお客様ではなく、
業者相手がメインとなります。

学校や病院といった施設に商品を納める
人もいれば、風俗関連に納める人と様々。

そのため、扱う品目も多岐に渡ります。

その中で特に売れたのが、
トイレットペーパーやティッシュ
ゴミ袋といった生活必需品です。

毎日ケース単位で飛ぶように売れていく
光景を目にして、驚きとともに日常生活で
使うものだから需要があるのだと知ります。

コロナ禍でもわかるように、生活必需品は
景気に左右されない強みがあります。

なので、仕入れにも一番力をいれていました。

例えばゴミ袋といっても、色々あります。

サイズだけでも家庭用の20L、30L、45L。
業務用の70L、90Lとあります。

種類も透明半透明といったように
豊富にあります。

普通の感覚だと
「ただゴミを入れるだけなんだから
どれも同じだろ」と思うはず。

しかし、メーカーによってゴミ袋の厚みが
違ってくるので、同じ70Lのゴミ袋でも
すぐ破けてしまうといったトラブルになると
納めている業者を変えられてしまう
なんてことがあります。

特に学校や病院は融通がきかないことから
品切れになると仕入先を変えてしまうので
業者も生活が懸かっていますので、
口論になるなんてことも度々ありました。

後にゴミ袋関係は私が発注担当になり、
本来ならば在庫は商品の出方によって
調整をするものですが、多少大目に仕入れる
ように心がけていました。

その他の商品も品切れにならないよう
バランスよく仕入れ、なるべく在庫を
抱えないようにした努力が評価されます。

毎年のように昇給され、夏・冬とボーナスが
貰えここでようやく安定を手に入れた実感を
味わいます。

この平穏な状態が3年続きます。

               (つづく)

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