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一番下手かった僕がキャプテンだった話

僕は中学校の頃の部活でバスケ部のキャプテンだったんだけど
下手くそだったので、補欠でした笑

3年生が引退して顧問やチームメイトが話し合って

キャプテンを誰にするか選ぶときに

自分の名前があがって

いや、なんで一番下手い自分がキャプテンなんだよ!!

と思ったけど

みんなが選んだくれたのなら、と

引き受ける事にした。

それから毎日部活が終わっても残って

練習する日々が続いた。


部活が終わるたびに

一人でひたすらシュートを練習する。

一人で使う体育館ではボールが跳ねる音が
よく響いた。

チームメイトからは

下手くそはいっぱい練習しないとね!!笑

とか

俺天才やけん、帰るは!!

と言われてたけど

別によかった。


そんなある日、レギュラーのよしひこが

今日から俺も一緒に居残り練習していい??

と言ってきた。

僕はもちろん、

うん!!

と応えた。


なんかね、

嬉しかったちゃん。

とにかく、

なんでか嬉しかったっちゃんね。

他のチームメイトが嫌いってわけでも

よしひこと特別仲がいいってわけでもなかったっちゃけど笑


この日をきっかけに

よしひこと俺はめちゃくちゃ仲良くなった。


それからだいぶ経って

とうとう僕らもあの日の三年生の時みたいに

引退する日がきた。


最後の試合

僕は補欠だった。

だけど、

これはもう、ただのお情けなんだけど


試合が終わる最後の10分前に

僕は初めてコートに立った。

そしたら、みんながね

みんなが僕にボールを回して

シュートを決めさせようとしてくれた。


みんな、本当は応援してくれてたんだね。


結局その試合、

シュートは一本も入らなかった。

だけど僕は

笑った。

ま、人生こんなもんでしょ。

だけど、

シュートは入らんやった。

シュートは入らんやったけど

大事なもんは手に入ったごたぁよ笑


今でも部活のチームメイトとは年に一回会ってる。


もちろん、よしひこともね。

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