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『太宰治』
自意識と羞恥心が強く
皮肉で卑屈でとっつきにくく
生意気で腐っていて
意地を張って見栄を張って
他人を蔑み嫉み
人生なんてくだらねぇ
と思って生きていた10代の頃の自分に
最も影響を与えてくれた人
『人間失格』という怪物書物が
自分の細胞を粉々に破壊した
その破壊が不思議と心地良くもあり
自分を肯定してくれてる感じがして
なんだか救われた気持ちにもなった
大袈裟かもしれないが
人生のスタートをきれた気分になれた小説だった
そこから読書をするようになり
狂うように太宰治の小説を読み漁った
渇いたスポンジのように
一冊一冊、全身に染み込ませるように
思想や価値観を吸収していった
その時の吸収が今の自分の性格を大きく形成している
なので太宰治という人物は
自分にとって特別な存在です
それが良かったのか悪かったのかは
いまだにわからないが
自分の人生の転機になった事には間違いない
そしてここ数年で
聖地巡礼もしてきた
青森県にある太宰治の生家
『斜陽館』
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感傷的にもなり
感慨深い気持ちになってしまった
『ご自由どうぞ』という表記があり
周りの人の目を気にしながら
柄にもなくマントも羽織ってもみた
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マントを羽織ったとき
おそらく俺は気持ち悪いほど満面の笑みだったと思う
三鷹にある太宰治のお墓にも行った
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いまだに多くのファンが集まっているんだと知り
嬉しくなってしまった
ポケットに入っていたミンティアを供えた
おそらく俺は気持ち悪いほど満面の笑みだったと思う
こちらも三鷹にある
『古本カフェフォスフォレッセンス』
太宰治への愛に溢れた古書店
初版本などもあり実際に読むこともできる
ここはファンなら是非行ってほしい場所です
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太宰ラテ。飲むのもったいないと思いながら
おそらく俺は気持ち悪いほど満面の笑みだったと思う
熱海にある『起雲閣』
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『人間失格』を執筆していた場所。
ここであの怪物書物を書いていたと思うと
なんだか気分が高揚し多幸感に包まれ
おそらく俺は気持ち悪いほど満面の笑みだったと思う
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もちろん畳に寝転んでゴロンゴロンとしてやりました
銀座にある『BARルパン』
太宰治が足繁く通ったBAR。
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ドキドキしたな〜。
入るのにかなりビビりました。
地下へ降る階段を降ってるときは
心臓の音が店内に響いてるんではないかと
思うほど激しく鼓動が鳴った
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太宰ファンなら誰もが知っている
有名な写真のあの場所のあの席に
運良く座ることもできた
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感無量…感無量…感無量でした。
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テーブルも椅子も変わっていない事を確認して
しみじみと全身で太宰治を感じた
自分がこの場合に座っている事を
昔の自分に自慢してやりたくもなった
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小説『富嶽百景』の舞台にもなった
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山梨県にある『天下茶屋』
2階には太宰治記念館も
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実際に太宰治がここに泊まり
使用していたモノなどを堪能
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聖地巡礼の旅は普段の生活で味わうことのない
なんとも言えない気分にさせてくれ
一生の思い出になった
皆さんは太宰治にどんな印象を持っていますか?
暗い。情けない。女好き。薬物中毒。
女々しい。自殺願望者などなど
おそらく太宰作品を読んだことのない人は
こんな印象があるのではないかと思います
もちろんそれらの要素は多分にあり
間違いではないですが
自分は《太宰治は粋でユーモアの人》だと思っている
人生という辛くて苦しいものを
《笑い飛ばしてやろう》
という強い想いを感じる
また自意識が狂うほど強く
そんな自分自身の羞恥心も自虐的にネタにして
笑い飛ばして作品に残している印象がある
そういうところが共感できるし
格好良くて自分もそうありたいと思う
これだけ有名で売れていて
好き嫌いの分かれる作家さんは他にいないと思う
そこがまた最高です
もしも太宰治が現在、生きていたら
令和のこの今の現状を見て何を感じて
そしてどんな物語を書くのでしょうかね。
✳︎ken's 憶測のコーナー✳︎
太宰治以降の小説家の7割はぐらいは
太宰治の影響を受けていると思う
色々な作家さんの本を読んでいて
それを強く感じる瞬間がある
音楽でいうとビートルズみたいなものでしょうね♪
それではまたCiao!