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大学一年生の僕が、なぜナイジェリアのスタートアップでインターンをすることになったのか。

僕は今、ナイジェリアにいる。ミネルバ大学での1年目を終えて、ついに夏休みに入った。今年の夏は、ナイジェリアのスタートアップでインターンを行う。ナイジェリアだけではなく、ケニアやエチオピア、南アフリカなども訪問する予定だ。

今年の1月から、夏休みのインターンについて考え始めた。インターンを通して何を得たいか/学びたいかなどを整理し、リーチアウトの方法もWebサイトなどを使わずに試行錯誤を繰り返した。折角なので、このnoteでは、インターンの目的や見つけ方をまとめて書いていこうと思う。


インターンの目的を整理

インターン先を決めるにあたって、闇雲にインターンを調べ、応募する方法は取らなかった。数を打たないと、インターンに応募しないと、受からないのは事実。だが、自分の興味のないインターン、良い学びを得られないインターンをしても仕方がない。まずは、自分がインターンで何を得たいのか、何を目的にするのかを整理した。それを基に、どの国でどの産業でどの職種でインターンを行えば良いのか考えた。

大学1年目の夏休みなので、会社名や競争率、給料などではなく、そこで得られる経験を重視した。3、4年になると、アメリカのビックテックや大手金融会社などに就職するためには、有名な企業でのインターン、就職につながるようなインターンの経験を積んでおく必要が出てくる。しかし、僕はまだ大学一年生であるということ、大手企業への就職に重きを置いていないということ、将来やりたいことがはっきりしていないということもあり、自分の興味関心を刺激しそうな、何より面白い経験ができそうなインターンに応募することにした。

また、貴重性も重要視した。ミネルバ大学は他の大学と比べても比較的長い4ヶ月の夏休みがあるので、その長さを活かして、普通の学期中にはできないような貴重な経験を求めた。例えば、オンラインでできるような仕事は学期中でもできるので、フィジカルな制約があり、頭だけでなく心(感情)も体も動かせるようなインターンをしたかった。折角のまとまった夏休みの4ヶ月間を生かせる仕事をしたかった。

普通の日常生活では得られない、貴重でエキサイティングな経験(刺激)を求めた。

また、僕は近い将来(なるべく今年中に)、起業したいと思っているので、初期のスタートアップの構造を学ぶためにも、創業して数年以内のアーリーステージのスタートアップで働きたいと思った。また、先進国の高所得層のペインを解決するような事業に取り組んでいる会社より、途上国の低所得層の「本当に解決しなければならない」問題の解決に取り組んでいるスタートアップで働きたかった。なぜなら、将来、低所得層の人たち向けのビジネス(=BOPビジネス)を手がけることに興味があるからだ。このビジネスは、採算性を取ることやスケールすることが難しいが、貧困層の人たちの生活向上に実際に貢献することができるので、非常にやりがいの多い仕事だと思う。


ただ、正直言って、それが本当に自分のやりたいことなのかは自信がない。BOPビジネスは他のビジネスと比較しても、根気とエネルギーが必要な仕事だ。だからこそ、やりがいを見つけられなかったら、途中で挫折する可能性も高いと思う。「僕はこういうビジネスをやります!こういう人たちのために人生を捧げたいんです!」とか言っておきながら、途中で挫折してしまったりしたら、最悪だ。現時点で、僕はBOPビジネスに関わったことはないし、それが人生を通してやりたいことなのかも分からない。だから、この夏インターンを通して、自分の気持ちや意思を確認するためにも、低所得者層にフォーカスする社会起業家のもとで働きたいと思った。

途上国で働きたい、低所得者層の人たちのために働きたい。そう思った時に、真っ先に思い浮かんだのはアフリカだった。アフリカにあるスタートアップでインターンをすれば、そういう経験を積めるのではないか。正直、短絡的な考え方だと思った。発展途上国=アフリカ。しかも、アフリカ内にも様々な国があるのにも関わらず、それらを一括りにしてアフリカって。思考が短絡的すぎて嫌になった。そして、自分がアフリカについて何も知らないことにも気が付いた。まあ、知らないなら行ってみるしかないか。無知な自分が嫌なら、「知る」ために現地に行ってみればええやんって思った。しかも、僕は未知なことに挑戦すること、冒険することが好きなので、逆にやる気になってきた。


てなわけで、アフリカのどこかの国のスタートアップでインターンをすることに決めた。もしくは、スタートアップとの接点も多いVC(ベンチャーキャピタル)もいいなと思った。経済発展が進みつつある、ケニアやナイジェリア、南アフリカを中心に探すことにした。


第三者の意見

ただし、すぐに会社を調べ始めたわけではない。僕は、昔から直感的に意思決定する癖があるので、その判断の際に何かを見落とすことが多い。思考にバイアスがかかって、冷静に判断できないこともある。ということで、一度家族や友達以外の人に、第三者の立場で意見をもらうことにした。自分の考えや意思決定プロセスに対する意見をもらった。その方は、一年前のアメリカ横断の時に出会った方なのだが、NYのスタートアップで働いていて、様々な視点で論理的に思考をする方だ。結論としては、僕の意見に概ね賛成してくださった。一つなぜアフリカにこだわるのか、東南アジアなどではだめなのかを質問された。アフリカの、東南アジアと比べて、未知度/未開拓度の高さと中長期的な成長ポテンシャルの大きさに惹かれていることに気が付いた。この質問をきっかけに、自分の思考がより整理されたし、自分のアフリカへの意志も確かめることができた。


探し方!!

さあいよいよ、自分が興味ありそうなインターンを探し始めるわけだが、中々見つけることができない。Webサイトを調べたが、うまくいかない。そもそもアフリカで行われるインターンの数があまり多くない。あっても、マーケティングなど、あまり興味のない内容だった。自分は、社長の鞄持ちのような立ち位置で、スタートアップがの内部がどう動いてるのか、社会とどう接続されているの観察したかった。そこで、第二の手段である、LinkedinやFacebookなどのメッセンジャー機能を使って、コールドメールを送りまくった。簡潔に、自分がその会社の事業に魅了されていること、どのような仕事をしたいのか、そしてその背景理由などをまとめて送った。ただ、結果は、返信なしだった。


そこで作戦を変えた。日本人の起業家/VCにフォーカスして連絡してみよう。考えてみれば、よう分からんアメリカの大学に通っている一年生のアジア人がメッセージを送ったところで、忙しい起業家の方は見向きもしないだろう。それなら、同じnationalityでより共感する可能性も高く、親近感も湧きやすい、アフリカで活躍されている日本人の方をターゲットにした。

しかも、日本人なら自分の知り合いを辿っていったら、アフリカで起業している方も見つかるかもしれない。そう思い、まずは先ほど記述したNYのスタートアップで働かれている方に、ラオスで働かれている方を紹介していただいた。その方は途上国のインフラ整備などに興味があるらしく、もしかしたら途上国繋がりでアフリカで働いている人を知っているかもしれないと思った。


その方に熱意を伝えMTGさせてもらうが、残念ながら誰も見つからない。だが、その方に「教授に連絡するのはアリかも」というアドバイスをもらい、それを実践することにした。確かに、アフリカのスタートアップエコシステムや、経済状況などの研究をしている教授なら、現地の方とのコネクションを持っているかもしれない。Webサイトでそれを専門として研究している教授を調べ、何人かの方にメールを送ってみた。しかし、これもどうもうまくいかない。アフリカで活躍する日本人に出会うことはできない。

厳しいなあと思いながら、Youtubeで「アフリカ」「教授」などをキーワードに検索していたら、ケニアのナイロビ大学でロケット開発をしている方を見つけた。これは、遂にキタかもしれない。この人なら、現地の起業家など知っているに違いない。そして、何よりこの人がやっている活動も面白そうだったので、連絡してみることにした。すると、すぐに返信をいただき、MTGを行うことができた。ロケット開発や現地の大学生の話など、非常に興味深い話を聞くことができ、さらに知り合いのケニア在住起業家を紹介してくださった。糸口を見つけた。


遂に見つかる!?

そこからは、紹介してくださった起業家に連絡を入れMTGをお願いして、インターンとしての採用が難しそうであれば、知り合いの方を紹介していただくということを繰り返した。行き止まりにならないように、別の起業家やVCの方を紹介していただけるようにお願いした。そして、最終的にはアフリカのVCで働かれている方に紹介していただき、ナイジェリアにあるNinja Game Guildで今夏インターンすることが決まった。

このスタートアップは、僕が最近興味を持っているWeb3の中のGame Fiに焦点を当てて事業を行なっていて、ゲームギルドの運営を通して、ナイジェリアの若者とNFTゲームをつなげることで、ナイジェリアの貧困問題の解決に取り組もうという会社である。実際に、ナイジェリアにある社会問題、低所得者層の人の生活向上に向けて事業を行なっているので、これはやるしかないと思った。CEOの小宮さんにMTGで自分の熱意を伝え、インターンをさせていただけることになった。

しかもできて2年目の新しい小さな会社ということもあり、小宮さんのアシスタントとして新規事業展開などに関わらせていただけることになった。ナイジェリア以外にもケニア、エチオピア、タンザニアや南アフリカなどでも事業展開を視野に入れているので、それらの国々にも男二人ビジネス旅で行くことになった。旅が大好きな自分にとっては最高なインターンだ。しかも、アフリカ内の「様々な」国の文化、政治、経済などを知る良い機会だ。

インターンを考え始めてから3ヶ月が経ち、最終的には理想的な、いやむしろそれ以上のインターン先を見つけることができた。これは、全てアドバイスやリファラルをしてたすきをつなげてくださった周りの方々のおかげである。この場を借りて、今一度感謝申し上げたい。「ありがとうございました!!」


最後に

そんなわけで、僕は今ナイジェリアに来ている。まだ、こっちに来て5日くらいしか経っていないが、最大の都市ラゴスは活気があってカオスで最高な街だ。賄賂などを要求してくるめんどくさい人もいるが、優しい人が多い。みんな陽気かと思いきや、意外にシャイな人も多く、自分の知らないナイジェリア人の一面を見ることができて、非常に充実した日々になっている。

すでに、ナイジェリアに来る前と後で、ナイジェリアに対する、現地の人に対する印象は相当変わったと思う。本当に来てよかったと思う。折角素晴らしい機会をもらっていて自分一人のものにするのはもったいないので、僕がこっちで見たこと/感じたことなどをTwitterYouTubeを中心に、シェアしていきたいと思う。ナイジェリアだけではなく、ケニアやタンザニア、エチオピアなどアフリカ諸国にも行く予定なので、興味がある人はぜひフォローしてほしいです。

ここまで、読んでくださり、ありがとうございました!それでは、また次回!!


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