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けもの道 06[2019春]

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狩猟専門誌『けもの道』の2019春号の有料記事をまとめてお得に読めるマガジンです。特集テーマは「単独猟師(ソロハンター)の流儀」。半世紀に渡り四国犬と猪単独猟を続けてきた老猟師ら…
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#狩猟犬

【ソロハンターの流儀】本川系四国犬の系譜を担う単独猪猟師・山崎利夫

半世紀にわたる単独猟師の流儀本川系四国犬を使う猪猟師と聞いて、山崎利夫さんの名前を思い浮かべる猟師は少なくない。 過去には有名な愛犬雑誌にも登場し、黒四つ目の本川犬たちを引き連れて山を歩く姿は、四国の山岳部で活躍したであろう古き猪犬猟師の面影を漂わせた。 今回の単独猟師の特集企画は、この山崎さんありきの企画だったと言っても過言ではない。半世紀に渡り、実猟四国犬で続けて来た猪単独猟。筆者を含め現代狩猟者たちが刮目するべき猪狩りがそこにあったのだ。 文・写真|佐茂規彦

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【ソロハンターの流儀】猪犬とともに駆け出した単独猪猟師・中村神威

文・写真佐茂規彦 猪犬の価値「咬まない犬は価値がない。」 中村さんは犬を譲り受けたとき、そう聞かされた。 2017年度の猟期から銃猟デビューを果たした中村さんだが、初年度はまだ箱わな猟が主体だった。すると|猪犬を使う、とあるベテラン猟師から「犬を使えば30分で獲れる」と言われた。 「また、そんな吹かしやがって……」 半信半疑でその猟師の実猟について行ったところ、実際に中村さんの目の前で猪を獲って見せたという。 「『犬って凄いんだ……』って、正直、びっくりしました

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【密着取材】ポインターで獲るキジ猟

文・写真|佐茂規彦 全猟チャンピオン戦の取材から約1ヶ月後、レザーブ賞のマイク(登録犬名シーフィールド・マイク)を輩出したシーフィールド犬舎(大阪府)主催のキジ猟に同行した。 そもそも英ポインターなど鳥猟犬の猟芸はトライアルのためのものではなく、実猟下においてハンドラーとともに狩りをするためのもの。チャンピオン戦で見た素晴らしい猟芸の数々は、現代日本の猟場でもしっかりと輝きを放っている。 とはいえ、筆者を含め今では鹿や猪狙いの大物猟から始め、鳥猟犬を使った実猟を見る機

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【当世猪犬見聞録】強い絆で結ばれた猪犬と人犬一体で猪を獲る

文・写真八木進 取材日|2019年2月9日・24日 譲り受けた「小倉系」猪犬と育んだ強い絆止め犬を使用しての猪猟は「咬み止め」と「鳴き止め」に大別できるが、「咬み止め」は猪犬の強さによって「咬み」と「鳴き」が混在する「絡み止め」の場合もある。「鳴き止め」は猪に歯をかけず「鳴き声」のみで猪を止めることが原則であるが、猪の大小や強弱によって少し歯をかける場合もあるようである。 私の凡犬は「絡み止め」に毛の生えたような猪犬であるが、ベテラン犬が単犬で猪を鳴き止める場面があり、

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【猪犬閑話】ある猟人の思いで

文|八木進 ある猟人の思いで昭和40年代後半の春頃、バイト先の愛知県下の某大規模養鶏場の寮へ珍しく来客があった。とりついだ寮母さんが「方言が強くて言葉がよく判らないが、中年のおじさんが『アニぃ』(私をこう呼んでいた)に会いに来たらしい」とのことで表に出てみると、小柄な中年男性が少し緊張した様子で立っていた。話をしてみると、この人は方言ではなく吃音が強い様子で聞き取りづらいところが有った。 「俺は長野県木曽の猟師でHと言い、紀州犬を使って猪猟をしているが、長野県○○警察署

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【大会レポート】鳥猟犬界のビッグイベント 〜 第61回全日本チャンピオン戦

鳥猟犬トライアルのビッグイベント猟期が始まってまだ間もない平成30(西暦2018)年12月1・2日、富士山の裾野に位置する西富士猟区・本巣猟区には、大勢の鳥猟犬とその愛好家たちが集結した。一般社団法人全日本狩猟倶楽部(以下、全猟)主催、第61回全日本チャンピオン戦だ(第5回全日本若犬チャンピオン戦、第38回全日本幼犬猟野競技大会も同時開催)。 本戦は、主にポインターやセターなど、全国の予選を勝ち抜いて来た選りすぐりの鳥猟犬とハンドラーたちによって争われる。 チャンピオン

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【猪犬訓練競技大会レポート】平成30年度徳島県猟友会

文・写真佐茂規彦 安全狩猟のための訓練猟期開始1ヶ月前の平成30(西暦2018)年10月7日、吉野川猪犬訓練所(徳島県)では恒例の|猪犬訓練競技大会が開催された。 猪犬に関する競技会が少なくなる中、この大会は全国でも珍しく県猟友会主催で毎年、猟期前に行われている。猟師の減少に伴い、競技会の規模も縮小傾向にあるものの、今回も実猟犬たちが大猪を前に立ち回り、猟期に向けて弾みをつけた。 開会前には徳島県猟友会の濱口靖徳会長が参加者たちに、猪犬による咬傷事故防止を強く呼びかけ

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レプトスピラ症を知る。 〜 犬も人も感染する伝染病

執筆|遠藤貴壽 グリーンピース動物病院(兵庫県)院長、獣医師・猪猟師 猟犬を使っている人はその名前を聞いたことがある人も多いかと思いますが、今回はレプトスピラについてお話しします。 どんな病気か?レプトスピラ病は、レプトスピラ属の螺旋型の細菌が原因で肝臓と腎臓を同時に侵される急性の伝染病で、犬だけでなく人間も感染する恐れのある危険な伝染病です。 どれくらい怖い病気かというと、伝染病予防法という法律で届出伝染病に指定されていまして、レプトスピラ病に罹った人を診察した医師

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