マガジンのカバー画像

ハンターと危険のはなし

20
狩猟者が知っておくべき「危険な世界」とは? 狩猟専門誌『けもの道』に掲載された、狩猟にまつわる危険やリスクに関する記事(マダニの感染症・ジビエや猟場にひそむ寄生虫やウイルス・猟銃…
有料記事7〜10本以上お読みになる場合は本マガジンの購入がお得です。また、ご購入は今後『けもの道の…
¥1,000
運営しているクリエイター

2024年6月の記事一覧

レプトスピラ症を知る。 〜 犬も人も感染する伝染病

執筆|遠藤貴壽 グリーンピース動物病院(兵庫県)院長、獣医師・猪猟師 猟犬を使っている人はその名前を聞いたことがある人も多いかと思いますが、今回はレプトスピラについてお話しします。 どんな病気か?レプトスピラ病は、レプトスピラ属の螺旋型の細菌が原因で肝臓と腎臓を同時に侵される急性の伝染病で、犬だけでなく人間も感染する恐れのある危険な伝染病です。 どれくらい怖い病気かというと、伝染病予防法という法律で届出伝染病に指定されていまして、レプトスピラ病に罹った人を診察した医師

¥150

狩猟の事故例と変遷と、変わらない本質

はじめに「変わらぬ大自然」という言葉を目や耳にすることがあります。しかし、諸行は無常であり、変わらぬ自然などなくて、むしろ変わるからこそ自然なのではないかとも思います。 近頃は、年齢を重ねていくことと時代の変化には逆らえないと思うことがよくあります。渉猟中、跨いだと思った倒木や木の根に躓いたり、30分で着くはずの放犬場所に35分かかったりしたときに特に痛感します。いったんは落ち込みますが、これも自然の成り行きと受け入れることにして、別のことでカバーするしかないと開き直りま

¥150

狩猟犬の咬傷事故を防ぐために 〜 実例から見る要因の分析

はじめに例年、全国で報道される狩猟事故の中でも、猟銃による事故は報告される件数のとおりだろうが、猟犬による咬傷事故は、よほどインパクトの強い内容でなければ報道されないため、軽微なものや、当事者同士の話し合いだけで済んだケースも含めれば、実際の数はかなり多いと思う。 私は猪犬訓練所を始めてから40年、より良き猪犬を作出することだけにこだわり続けてきた。それ以外の要素、たとえば特定の犬種、系統、外見などへのこだわりは一切ない。こだわりが無いだけに欲目もなく、和犬、洋犬問わず猪

¥150

新たな脅威となったアライグマ 〜 外来生物の現状と対策

脅威となった外来生物アライグマ2018年10月、猟期直前に世間を最も賑わせた野生動物は猪でも鹿でもなく、東京都港区赤坂の繁華街に突如現れた1匹のアライグマだった。 赤坂警察署の警察官や東京消防庁の職員ら多数が出動する大捕り物となり、夜の繁華街は一時騒然となった。 この個体は発見から数時間後に “逮捕” されたものの、近年、アライグマ被害が都市部近郊で顕著になっている。日本における野生化したアライグマの現状とその対策について、専門家に聞いた。 取材|佐茂規彦 アライグ

¥150