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中国 ライブコマース市場拡大の要因 【Part1】

最近は日本でもよくニュースに取り上げられているが、「中国はライブコマースが盛んである」
という情報は皆さんご存知なのではないだろうか。

皆さんは「ライブコマース」と聞いてどのようなものををイメージするだろうか。
筆者は職業柄、中国におけるライブコマースの話にはよく関わっている。
しかし、それは職業上の話であり日常的に中国のライブコマースで購買しているのか、と言われるとあまり多くない。

というのも、もちろん日常でも何度も見ているのだが、そもそも何がそこまで人を引きつけ、購買に至らせるのか、ということについては個人的にはあまり共感できていないというのが正直なところである。
それは中国で生活しているものの、人生のほとんどは日本文化で培われた購買意識が理由となっているのであろう。

今回、「ライブコマースとは何か」という説明は割愛するが、そもそもなぜ中国ではこんなにライブコマース市場が拡大したのか、なぜ日本ではあまり普及していかないのか、ということについて筆者が個人的に考察してみた。
一口にライブコマースと言っても様々なプラットフォームやライブ形式がある。本考察は当然全てを網羅していないのであくまでも個人的見解であることはご了承いただきたい。また少し長くなるので今回の記事はPart①、Part②に分けてお伝えする。

まず、中国でライブコマース市場がなぜここまで拡大しているのか、という要因としては以下のキーワードが挙げられるのではないだろうか。

■圧倒的なEコマース環境基盤
■商品に対する信頼問題
■動画閲覧に対する習慣化
■圧倒的ライブ感と競争心

それでは以下にて少し説明していく。


■圧倒的なEコマース利用環境基盤
まず、以前に記事も書いたが日本と比べた場合、中国ではオフラインでの商品購入機会が圧倒的に少ない。筆者の生活でもあえてオフラインで購入するものと言えば当日使用する野菜とか、牛乳?とか本当にこんなものである。オフラインの店舗に行き、購入する機会というのはほぼないのだ。

※以下NOTE参照
【中国 オンラインショッピング利用の背景や実情】
https://note.com/kembo_china/n/n6b7e743ac118

つまり圧倒的なEコマース了解習慣のある環境下で生まれた新たな販売手法がライブコマースであり、そこには元々大量の消費者が存在しているため、取り込みというか移行も容易であり、日本のような「Eコマースへのハードル」、というものが一切存在していない。ライブコマースが拡大する土壌がしっかりとできていた事が拡大要因の1つである。

日本のようにEコマースの普及がそこそこでオフライン店舗の圧倒的利便性がある国ではそもそもオランイン上の消費者母数が多くはない。その為、いくら中国でライブコマースが急拡大しているとは言え、この波が海を越え日本にきて同じように拡大する、ということは容易ではないだろう。


■商品に対する信頼問題
中国のEコマースがそもそもなんでこんなに普及したのかと言えばプラットフォームが「信頼」を保証したということが大きいだろう。
販売されている商品は本当にきちんと生産されたものか(本物か)、また生産者は信頼できるのか、お金を騙されないか、Eコマースが普及する前の中国ではこの点を見極めることは難しかった。
しかしアリババを代表する各プラットフォームが仲介し「信頼」が保証されるシステムを構築した為に中国国内の消費意欲は爆発し今に至る。

そしてライブコマースをおこなっているインフルエンサーがこの「商品に対する信頼」を増進させる役割を担ったこともライブコマース拡大の一因と言える。
消費者はライブコマースならなんでも見ているわけではなく、自分の好きなインフルエンサーが存在しており、特定のライブコマースに注目している人が多い。つまり「この人が言っているのであればこの商品はしっかりしているんだろう、自分は騙されずに安く買えるのだろう」という信頼感が消費者を引き寄せているのである。
現在、中国市場では選びきれない程の多くの商品が乱立している。そんな中でこのライブコマースというものは消費者の商品選択や仕分けにとって無くてはならないものとしてハマった事も拡大の要因となる。

日本ではどうか。そもそもだが日本人は販売されてる商品を疑う意識があまり高くない。それは販売されている商品がほぼ一定ラインの品質を保証されており、騙されるような経験も多くないからであろう。これはもちろん良いことである、しかしこれが要因となり「第三者からの推薦や後押し」を頼りにする、という習慣が根付かないし、あまり必要とされていない。これも日本でライブコマースが拡大しない要因の一つと言えるのではないか。

【Part1】ではここまでとさせて頂き【Part2】では
■動画閲覧の習慣化
■圧倒的ライブ感と競争心
について説明していきたいと思う。

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ライター:Taro Nozawa
お問い合わせ:nozawa@kembo-net.com

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