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「お客さまのニーズは何か」に「お客さまの状況、動向」で返していませんか?

これはしばしば直面することなのですが、「お客さまのニーズは何か」という問いに対して、「お客さまのニーズ」ではなく、「お客さまの状況、動向」が返ってくることがあります。
具体的にいうと、例えば、「お客さまの二極化が進んでいる」とか、「(法人の)お客さまの専門特化が進んでいる」などといった答えが返ることです。そんな場面に出くわしませんか?
 
「お客さまのニーズ」は、「お客さまが(明示か暗示かは別にして)求めているもの」です。それに対して、「お客さまの状況、動向」は、文字通り、「お客さまがどのような状況にあり、どのように動いているのか」です。
そのように考えると、先ほどの答えはどちらになるのでしょうか?
私は、「お客さまの二極化が進んでいる」や「お客さまの専門特化が進んでいる」は、「お客さまの状況、動向」を言っているだけで、「お客さまのニーズ」ではないと思います。
 
これは、「お客さまの状況、動向」を把握することに意味がないということではありません。「お客さまの状況、動向」を把握しないと、「お客さまのニーズ」を考えることはできません。
しかし、「お客さまの状況、動向」でとどまっては、お客さまに具体的な商品・サービスの提案ができないのです。「お客さまの二極化が進んでいる」、「お客さまの専門特化が進んでいる」にとどまっては、具体的な商品・サービスは考えられないのです。
 
「お客さまの二極化が進んでいる」であれば、「(上層は)価格よりも高度な機能や品質を求めている」や「(下層は)より低価格が求められている」が、また「お客さまの専門特化が進んでいる」であれば、「専門特化を支援するためのサポートや情報提供が求められている」が「お客さまのニーズ」となるでしょう。
ここでは抽象度高く書きましたが、この内容が具体的であればあるほど、それに対応する商品・サービスも具体的になるはずなのです。
 
「お客さまの状況、動向」は、目に見えることなので、すぐに浮かぶのです。しかし、「お客さまのニーズ」は、その状況、動向を踏まえて考えないと出てこないものです。お客さまが求めているものを明示している時はニーズは分かりやすいですが、そうでないこともあります。特に競争力がある商品・サービスは、お客さまが明示できないニーズに対応する時ほど生まれます。そのためには、お客さまの状況、動向を踏まえてニーズを考えるしかないのです。
 
「お客さまのニーズは何か」を考えるとき、その答えが「お客さまの状況、動向」にとどまっていないか、本当にお客さまのニーズまで考えているのか、自問自答してみてください。

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