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今こそ、司馬遼太郎先生の問いかけが必要な時

今年、2023年は司馬遼太郎先生(1923年~1996年)の生誕100年にあたります。先生が亡くなられた時、私は大学2年生で、中学1年の頃から先生の本に親しんでいた人間としては、大変なショックを覚えた記憶があります。あれからもう27年が経過してしまいました。
 
司馬先生は、終戦時に日本が大変愚かな敗け方をしてしまったとして、「日本はこんなに愚かな民族だったのだろうか」と悩まれたそうです。その中で、日本には愚かどころか、輝かしい時代があったことを書き、伝えていきたいということから歴史小説に取り組まれたと言われています。
 
そうした中で書かれた「竜馬がゆく」や「坂の上の雲」等は、高度成長期の幅広い読み手に支持されていきました。これは私の見方なのですが、こうした司馬先生の歴史小説が、高度成長期において国内、海外で活躍する日本人の心の羅針盤となり、精神のエネルギー源となったのではないかと思うのです。
 
そして現代。1945年の終戦が明治維新から77年後のことでしたが、昨年の2022年は終戦から77年目にあたる年でした。決して戦争に敗けたとかいう状況ではありませんが、財政的にも、経済的にも厳しい状況にあり、もはや経済大国とは言えなくなっています。総じて、自信を喪失していることは否定できないと思います。
 
こういう時代だからこそ、改めて私達の歴史を振り返る必要性があるのではないかと思うのです。その中で、私達の先人がどのように苦難を乗り越え、その結果として輝かしい時代を築いたかを知る必要があるのではないでしょうか。
 
日本は決してこのまま駄目になる国ではないはずですし、決して愚かな民族ではないはずです。それだけの歴史を持っていることを、改めて認識する活動が必要だと思います。

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