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方向が明確だと経営はなぜうまくいくのか

経営の中で、「とにかくまずはやってみよう」と見切り発車していることはありませんか。そんな時には、中国の昔の兵法書「孫子」のこんな一節を思い出して欲しいのです。
 
「勝兵はまず勝ちてしかる後に戦いを求め、敗兵はまず戦いてしかる後に勝ちを求む。」
(勝利の軍隊というのは、まず開戦前の検討段階で勝ち、その上で実際の戦争に勝つ。逆に、敗北の軍隊というのは、入念な事前計画もなく、とりあえず戦ってみて勝ちを求めようとする。)
 
この一節、大河ドラマ「どうする家康」の三方ヶ原の戦いでも阿部信玄が口ずさんでいました。信玄は事前検討で勝った上で勝ち、家康はとりあえず戦ってみて負けたということでしょう。
 
私は「よい会社」であるかどうかの見極めで、次のようなお話しをよくさせて頂きます。
「よい会社」の経営者さんは、どのような方向で経営をしたいかを事前に明確にされています。お客様は誰で、どのように差別化して商品・サービスを提供することを目指し、その為に何をすべきか、ということを熱心に語られます。
 
その為、対応すべきお客様ニーズも明確で、そこに経営も集中するので、自ずとお客様も喜び、結果として売上・利益もあがってきます。これは、経営者さんが目指すべき方向を事前に明確にしていたからこそです。

 
一方で、方向が明確でないと、対応すべきお客様のニーズが不明確となり、経営も集中されず、売上・利益もあがりません。これは経営者さんが事前の方向付けを明確にしていなかった為であり、まさに「戦いてしかる後に勝ちを求む。」なのです。
 
もちろん、環境変化により、目指していた方向通りに進まないこともあります。しかし、方向を明確にしていれば、環境変化の時もそのままでよいのか検討でき、必要であれば方向変更もできます。方向が明確でなければ、そうした検討もできません。
 
「勝ちに不思議の勝ちあれど、負けに不思議の負けなし」とありますが、事前の方向が明確でない時の「負け」は「不思議の負けなし」なのです。

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