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豊臣秀吉から学ぶ、メンバーへの興味・関心

私は、リーダーを務める人はメンバーの人達をよく知り、興味をもつことが大事だと思っているのですが、その時によく次の話をします。
 
司馬遼太郎さんの「豊臣家の人々」という本にある一節です。
豊臣秀吉が、晩年に五大老(徳川家康、前田利家、宇喜多秀家、上杉景勝、毛利輝元)に謁見する為に部屋に向かっていました。部屋に入る手前に、五大老が刀を預けている部屋の前に来たときに、それぞれの刀が誰のものか的確に当てたそうです。
 
その時の秀吉のコメントが、例えば徳川家康であれば、
「いかにもそっけないしつらえである。江戸殿は大勇にして、一剣をたのむような葉武者の心がない。さればあれである。」
また前田利家であれば、
「むかしから大の武辺者で、先陣後殿の武功はかぞえきれないほどである。あの柄に革を巻いた無骨な刀こそかれのものであろう」
等々、それぞれの武将の性格、功績などをもとに誰の剣なのか当てていったのです。
 
司馬さんはこの逸話に続いて、次のように書かれています。
「秀吉にとってはなんでもない。人間と人間の心理を見ぬくことについては史上類のない天才であり、それゆえにこそ織田家の草履とりから身をおこして天下のぬしになった。天下を得たあと、晩年はやや老耄したが、しかしこの程度のあそびなら、相撲取りが腕ずもうするよりもたやすい」
 
リーダーとして、ビジョンを立てること、また人を動かすことは非常に重要なミッションですが、人を動かすためにはその人とその心理を見抜くことが大事だと思います。
ほとんどの人が秀吉のような天才ではない以上、よりメンバー、またメンバーが考えていることに興味をもつことが重要です。

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