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読書からの学び

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ビジネス書、歴史書、哲学書を中心に年間120冊程度の本を読んでいます。その中から、これからのビジネス、人生の中で学びになると思ったことをご紹介していきます。
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#ドラッカー

ピータードラッカー氏の考え方の源流、背景を知るのに最適な一冊

今週はピータードラッカー氏の著書「傍観者の時代」を読んでみました。 よく、ドラッカー氏の著書は読みにくい、難しいという声を聞きますが、私が読んできた中では、本書は一番読みやすい本だと思います。また、ドラッカー氏も前書きで周囲からも言われたと認めていますが、一番楽しんで読める本です。   本書は、15章にわたり、ドラッカー氏が巡り合った人達を紹介することを通じて、ドラッカー氏の考え方が形成されていった背景が伺えるものです。   この本を読んでいく中で、なぜドラッカー氏がマネジメ

ドラッカー氏が考える、マネジメントの真摯さの必要性

先日までドラッカー氏の名著「マネジメント 課題・責任・実践」の中巻を再読してみました。この中巻では人事や組織が中心に論じられています。   ドラッカー氏は、マネジメントに求められる資質として、「真摯さ」であることを強調しています。「真摯さ」とは、「誠実、高潔」といった意味合いで言われますが、こうした資質がないと、経営にとって大事な資源である人を壊し、組織を壊すと言っています。   この場では、マネジメント中巻であげられている、ドラッカー氏が考えるマネジメントの真摯さについて、

「想定外」と思うことにこそ、イノベーションの種がある

先週は、ピータードラッカーの「イノベーションと企業家精神」を読んでみました。 ドラッカー全集15巻のうち、現在12巻まで読んだのですが、本書が一番読みやすかったように思います。ドラッカーを学ばれたい方は、「マネジメント」とともに本書から読まれることをお薦めします。   色々なことが書かれていましたが、印象的であったことの一つに、「想定外であることからイノベーションが生まれる」ということでした。   商品やサービスの提供側というのは、「お客様にはこういうニーズがあるに違いない」

ピーター・ドラッカーのデビュー作から考えたこと

先週はピーター・ドラッカーのデビュー作である「「経済人」の終わり」を読んでみました。 ドラッカーの作品はどれも知的刺激にあふれたものですが、デビュー作から非常に知的刺激にあふれるものでした。   本書は経営書というよりは歴史書に近いものがあります。特に1939年という第二次世界大戦の直前に書かれたものである為、特にファシズム・全体主義の分析を中心に書かれたものです。 経営書ではないものの、その後のドラッカーの思想の基盤が伺える本ではあります。   歴史書に近いものの、単に史実