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素敵なクリエーターさん達の作品をお勧めしたいマガジン

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私の心が素直に動いた、他の方の素敵なお勧めしたい作品の掲載。 最近は、作者の方にきちんと許可を得て掲載してます。
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#眠れない夜に

【詩】ほんの一歩

ほんの一歩が大きくて 飲み込んでしまう言葉の行方 交われない気持ちには 寂しさが纏わりつく 思ったままに笑えなくて いつしか静かな笑顔に慣れて 気付けば隣人がとても遠い 人の中に沈むほどに 一人になって 守る心も孤独では 何を守ると言うのだろう ほんの一歩が遠すぎて 一人歩きばかりが上手くなる

【詩】どうしようもなく螺旋の渦

これは静止した世界で起こる 何時でも側にいてくれる人なんていない あなたがどうなんて言葉は出てこない 孤独で 孤独で 孤独で でも孤独で死んでしまう事もない 只生きてるだけの屍になる 空中に浮かぶ霧のようになり 誰かの息になるなんてことはない それが世界中でいちばんの孤独だなんて いったい誰がわかるだろう すぐに見渡してみて 周りにある堤防が決壊しそうで 怖くなる 唇から出る黒いものは何? それは澱のようなもの 孤独という名の澱のようなもの

(詩)雨音

雨に濡れた街を歩く時 会いたいと思う人が 本当に会いたい人 ひとりとぼとぼ 誰もいない雨の街を歩く時 会いたいと思う人の足音は いつも 雨の音に似ている 傘にあたる 雨の音に似ている、気がする

【詩】くらげ

世間を泳ぐ 何度か波に沈みながらも 本当は ぷかぷか浮かぶ くらげみたいに ただ身を任せて 漂いたい #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #スキしてみて #眠れない夜に

【詩】星空

夕暮れに 浮かび始める街並みは 化粧をしたように華やかで 眩しさを少しずつ 受け取りながら すり抜けるような 帰り道 陽が落ちたら 夜空の時間 集めた光を心に灯し ここに居るよと上を向く 目が合う星を探してみる 私らしく瞬けば 誰かがきっと気付いてくれる 私が私を信じれば 誰かがきっと見つけてくれる 空は広く 星は数多に

【詩】煙立つ

炭焼の煙立つ空  夕暮れの 冷える体に湯吞かな #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #スキしてみて #眠れない夜に

【詩】偽り

いつも自分に嘘をついて 周りに流されながら 仲間外れにされないように 空気を乱さないように いつも自分を裏切って 周りに合わせながら 風に飛ばされないように 投げ出されないように 「にせもの」の自分と 「ほんとう」の自分 慎重に選んで 倒れないように 自分を支える #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #スキしてみて #眠れない夜に

【詩】感情制御

浮き沈みの激しい感情を制御して 何に抗うのでもなく 「普通」のふりして生きている #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #日常 #スキしてみて #眠れない夜に

【詩】秋の狭間

小春空  季節の谷間の 風薫る 雲のすき間の まだ暖かな陽 狭間に想う人の影 #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #スキしてみて #眠れない夜に

詩「遊離」

暗闇にひとり置き去りにされ 都合よく掻き乱されることにも いつからか慣れ切っているのに 夜から守ってあげたいだけ、なんて まったく縁のない糖度の高いことばに 凍った心は勢いよく穿たれ、弾け 等価交換の概念など寄せつけない 愚かな清らかさで 差し出せるものは何もかも捧げたいと 思ってしまった 常識をも覆う夜は 敵でもあり、味方でもある うっすら立ち上る煙のように 知らぬ間に換気扇を伝って 自由に這い出してしまったら 張り詰めた空気にさえ少しずつ馴染み いつしか同化でき

【詩】前髪

少し伸びた前髪を切る 前が見えにくいから ついでに遠くの明日も 見えるようにならないかなぁ #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #スキしてみて #眠れない夜に