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ライトなビールのアテにも、ヤンニョムレタス豚

時にむしょうに欲しくなるのが、韓国料理の味。ガッツリと唐辛子とにんにくが効いて、肉にも野菜にもシーフードにも、豆腐にも合う、うまみたっぷりのタレ。

イタリア同様、わたしは韓国も出張でしか行ったことがないので、何度行っても空港に着いたらすぐにタクシーで連行され、郊外の工業地帯と江南のホテルとの間をドナドナと輸送されるばかりで、いっこうに観光地に詳しくならない。(ヘドウィグやってた。。)

滞在中の楽しみといえば食事となって、おいしい食べ物が記憶に残る。冷麺、じゃじゃ麺、焼肉、宮廷料理、ウネウネと動くタコの刺身、それから、世の中にはこんなうまいもんがあるのかと衝撃だった、カンジャンケジャン(醤油漬けの生のワタリガニ)。

食べ物の記憶とともに、韓国の同僚たちのよく食べよく飲むことにも驚かされた。日本勢が誰も完食できなかった石焼釜いっぱいのごはんに、熱湯を注いでもらって、おこげをこそげ取っておかゆにしてさらっていたりとか。あの大量の米を、まさかさらに増やしてまで。増やしてまで!!

この姿が脳裏に焼きついて、韓国の同僚たちが今度は日本にやってきた時は、食事の幹事に任命されたわたしとしては、「満足させる量」が出るかどうかをとにかく気にして気にしたのでした。(それでも足りなくて、ホテルに送り届けたあと、みんなで繰り出してラーメン食べたそうです。敗北感。。。)

あいさつとして「ご飯食べた?」と聞くらしいというように、「食べる」ことは韓国でとても大切で、みんなで食べて、コミュニケーションを取る、という文化みたいですね。こういうところはちょっとイタリアみたいだなと思う。

大韓航空は、機内食と一緒に、コチュジャンのミニチューブをくれるので、これを持って帰ると帰国後に重宝する。こういう方向性の定まった調味料は毎日使うわけではないし、オロナインぐらいの大きさの機内食チューブは、むしょうに「韓国味」が欲しくなった時に使い切れる感じでちょうどいい。これ普通に売ってくれませんかね。(探したらあるかもしれないけど)

ヤンニョムチキンはうちの近所の総菜コーナーでも売ってるぐらい、普通に買えるようになったけど、口に刺さるぐらいバリバリに揚がった、存在感たっぷりの衣よりも軽いものが食べたい日が、大人の胃袋にはある。このレシピは、近所の八百屋でレタスがひとたま30円だったので喜んで買いこんでしまい(ほんとバカ)生で食べるのにもツナ炒めにも味噌汁にも飽きて、そうだコチュジャンチューブがあったと思って、やってみたら軽くておいしかったというやつ。

<レタス豚の材料(2人分)>
薄切り豚…200g(*)
レタス...ひと玉(**)
小麦粉...スプーン3杯くらい 片栗粉でもOK
いりごま...最後に振りかける用

(*)豚バラでもしゃぶしゃぶ用でも、豚コマでも。欧米在住の方は、ベーコンで代用するか、がんばって半解凍の塊肉を薄切りにしてください。ニュージーランドの肉屋で頼んだら、2cmくらいのところで「これ以上薄く切れるか!」と匙を投げられたそうです。
(**)ただし、豚肉で野菜を巻けばたいていおいしいので、なんでもいいと思う。(!)

<ヤンニョムたれの材料>
コチュジャン…大さじ2
醤油…大さじ1
酒…大さじ1
みりん...小さじ1
砂糖...小さじ1
酢…大さじ1
おろしにんにく...1/2片
おろし生姜...にんにくと同じサイズぶん。*ヤンニョムチキンには出てこないけど、豚だから生姜が合うと思ってわたしは使った。それにわたしは生姜が好きなんだ

①タレを作る
1) 材料をすべて混ぜる。カンタン

②レタス豚ロールを作る
1) レタス一玉を半分に割り、それぞれを幅1cmくらいにすべてシュレッドする。豚肉の枚数分に、量を等分する。豚肉200gだと、6~7枚ぶんくらいになると思います。
2) 豚肉で巻く。
3) 小麦粉の上で転がして、肉にまんべんなく粉がつくようにする。

③焼く&味付け
1) フライパンを熱し、サラダ油を微量たらす。ばら肉の場合は肉自体に油が多いので、ほとんどいらないくらい。油の量は、今焼かんとする豚肉の脂に相談してください。
2) 小麦粉を振り落としてみてシュワシュワするくらい油が熱くなったら、レタス豚ロールの、肉の端の部分がまずは下に来るように、ひとつずつ置いていく。これで肉がくっついて転がしやすくなります。レタスがはみ出しまくってても気にすんな!


3) ロールを転がしながら、全体がきつね色になるように焼く。しんなり柔く、甘いレタスが食べたい時は、弱火にしてじっくり火を通すとよいし、シャキシャキ感を残したい場合は、強火にしてサッサと肉にだけ火を通してしまうとよいと思う。
4) 肉に火が通ったら取り出し、【重要】残った油を拭かずに【ABURA NO UMAMI】、①のヤンニョムたれをフライパンにin
5) 水分がやや飛んで、とろみが出てボブボブしてきたら、さっき取り出したレタス豚ロールを戻し入れ、親の仇のように絡める。


6) 皿に盛りつけ、いりごまと、あればネギなんかも散らす(写真では大葉。大葉があったので。でもネギがいいと思う。) 辛いのが好きな人は、粉唐辛子や七味で追いヒートを足しても◎ →完成!

小麦粉のおかげでパリっと感はありつつ、衣と呼ぶほど分厚くもなく揚げてはいないし、中は野菜なので、おなかに軽めなおかずとしても、ビールのアテにもできると思う。レタスひとたま食べれます。お試しを!

韓国の同僚は、初めて出張したとき、まだ新卒入社後2年目で物心がついていなかったわたしをとてもかわいがってくれた。当時、若さが溢れて顔がパンパンだったのと、飲酒するとすぐに顔が赤くなるので、「エプル(りんご)」「エプリャー」なんて呼ばれてましたよ。あと、カンナムスタイルを教えてくれたりしました。接待で部長がやけくそになってカンナムスタイルを踊る光景は、忘れてくれと言われても忘れることができません。

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