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シンガポールへの移住をおすすめしない7つの理由

シンガポールでキラキラしない生活を送っているけりーです。

先日100円ショップのグッズ紹介で有名なインスタグラマー、せっちゃんが沖縄県民が沖縄移住を絶対に勧めない7つの理由を書いていて、教育水準が低いこと以外はまんまシンガポールやん!と衝撃を受けました。

本当にシンガポールと完全に一緒なので、シンガポールが気になっている人は必見です。

シンガポールは本当によい?!

シンガポールに出張や旅行で来ている人に会うと「シンガポールいいなあ」とよく言われるのですが、正直シンガポールは3泊4日程度で遊びに来るのにはよい国だとは思うのですが、住むとなったらまた別です。

なのでそんな時は必ず「シンガポールは本当にいい国ですよ、お金があれば」と答えています。

この1、2年で生活にかかるお金は急激に上がり、家賃は30〜40%(Twitterでの投稿及びエージェントの話より)、水道料は18%(注1)、タクシーも30%くらい(体感)上がっています。授業料も毎年上がるのが当たり前、有名保育園チェーンのMulberryは月2600ドル(約28.6万円)になりました。インターナショナルスクールはもっと上がり幅が大きいため、Expatコミュニティーでは怒りの声が多く聞かれます。

シンガポールはとにかくお金がかかります。

でも、お金があれば日本のものもなんでも手に入り、何よりも安全。日本人のコミュニティーもあり、おそらく日本人にとっては非常に暮らしやすい国ではないかと思います。

私は2017年にシンガポールに来て、一時期日本に戻ったものの2022年に改めてシンガポールに戻ってきており、シンガポール歴ば通算7年近くになりました。

シンガポールは大好きなのですが、お金以外で私がシンガポール移住をおすすめしない理由を敢えてあげてみます。

①野菜がまずすぎる

シンガポールは食料の90%(注2)を輸入しています。

日本の食料自給率(66%)の低さが取り沙汰されますが、そんなのと比べものにならないくらいの数値です。

シンガポール国内で生産されるものは、ほぼないと言っても過言ではありません。野菜はマレーシアか中国からの輸入がほとんど。

輸入されているということも一因だと思うのですが、どれも味がないのです。びっくりするくらい。

特に、ナスとニンジンの美味しくなさはヤバいです。

味も香りもないのに、ほのかなえぐみ?まずさ?があるシンガポールのニンジンのせいでしばらくニンジンが嫌いになったくらいです。

そして、野菜自体に味がないため、日本と同じレシピで作ってもどうにも微妙な仕上がりになるんです。

毎日の事なので野菜が美味しくないことは、料理のやる気に関わります。

シンガポールに来て料理が嫌いになった、と思っているみなさん、安心して下さい。それは、美味しくなく変わり映えのしない野菜しか手に入らず、素材が美味しくないため何をやっても仕上がりがイマイチになってしまうせいだと思います。

これは、もはや誰もが通る道では?

料理が息抜きの私ですら、日本のインスタの彩り豊かな写真を見ても、シンガポールの野菜を思いやる気が出るどころか気持ちが死ぬようになったため、そういったアカウントを見るのをやめました(爆)

野菜の美味しくなさは、子供の食育及び味覚形成にかなり悪影響があると思われます。

では、当のシンガポーリアンはどう思っているのでしょうか。

どうやら、彼らも美味しくないとは認識している模様。

日本に旅行したら野菜やフルーツが美味しくて感動した、と言っていますが、日本の物はもちろん美味しいけれど、元々食べている物がね、と正直思っています。

そして美味しくないせいか、シンガポールは野菜をしっかり摂るという意識も日本と比べて圧倒的に低い印象。

自分の周りには子供がいるが一切料理しない、という人が何人もいるのですが、野菜不足が気にならないのかと聞いても「うちは野菜食べないから」と開き直っています。

日本だと一日30品目などといいますが、多分シンガポールだと一日10品目も怪しい気がします。特に野菜を摂るのは至難の業。

ホーカーなど外で食べる時に出てくる野菜はゆでたチンゲンサイとキュウリくらいでそれも飾り程度。

外食の野菜は多くが油でがっつり揚げられた味の濃いもので、野菜を摂れたとしても別の意味で心配になります。

②紫外線が強すぎる

赤道直下の国、シンガポール。

雨季以外は基本晴れているsunny islandなのですが、年中晴れていて夏ということは、年中紫外線が降り注いでいるということです。

とにかく焼けます。

私は元々、日焼けに関してはあまり気にしていなかったのですがマスクを着けなくなってから、シミがひどくなり、ついに美容皮膚科でシミ取りを始めました。

既に2回行ったのですが、やはりデフォルト紫外線が強いせいか一回消えてもまたすぐに出てきてしまい、終わりなきシミとの戦い。

そして連戦連敗中。これからも課金し続けなくてはいけません。

③湿気がやばい

湿度が常に80%くらいあるシンガポール。
髪の毛を巻いてもすぐにカールは取れるし、少し外を歩けば前髪はべったり張りつきます。

Tシャツを外に一日干しても乾かないくらいで、タオルなんてのほか。乾燥機がないと生きていけません。

湿気問題は深刻で、最初に住んだ家で1週間日本に戻って帰ったら、ソファーと靴が全部文字通りかびまみれになっていた事があります。

旅行する際はクーラーつけっぱなしか、誰かに換気をお願いしないと厳しいと思います。

このように湿度が高いので、革バッグもシンガポールだとかびてダメになるとよく言います。使わないバッグをコレクションしている人は要注意。

以前ブランド物のリセールショップで見せてもらったバーキンの中もかびていました。

お店の人も、毎日使うか、しっかり風通しするかしないとダメだと言っていたのでハイブランドのバッグを持っている人は、シンガポールではガンガン使いましょう!

④外国人はしっかり「区別」される

シンガポールにいる人は大きく4つに分けられます。国民(Citizen)、永住権保持者(PR)、外国人(Foreigner)、観光客(Toursits)。国民、PR、就労ビザを持っている外国人はResidentという扱いで、入国の際も扱いは違います。

ただそれ以外だと、基本的にCitizensとPR、Foreignerというくくりで分けられ、保育園の料金や予防接種の値段なども異なります。

一番我が家にインパクトがあるのが、公立小学校の値段。

イギリスのように外国人であっても公立学校が無料なのと違い、シンガポールではガッツリ区別されて値段が違います。

小学校の場合、国民は無料、PRは月額280ドル(約3万円)、ASEAN以外の外国人は935ドル(約10.2万円)。公立なのに、高いです。

毎年上がる事が既に決まっている

また費用以外でも、小学校に関するものだと、外国人の場合は入学の希望は出せますが、どの学校に行きたいかという希望は出せません。なので、島の反対の学校に飛ばされることも。また、一度入学するといかなる場合でも転校はできません。6年間ずっと同じです。

それ以外でも様々な場面で区別はありますが、やはりインパクトが大きいのは費用関係だと思います。

⑤四季がない

年中暑く、常夏のシンガポール。
クリスマスも真夏です。

常夏のクリスマスは慣れればそれなりに楽しめるけれど、季節がないのが辛いという人は多いです。

でも、四季がないからこそ国外の旅行先で季節を楽しんでいる人が多い印象です。私も理想は常夏の国に住みながら旅行で世界各国で四季を楽しむような生活です。

実際、こちらの日本人を見ているとインターナショナルスクールの長期休暇に日本に1ヶ月近く戻って、春、夏、冬、と日本の季節を満喫している人もも見かけます。

シンガポーリアンの間でも桜のシーズンの日本は大人気。冬の雪ももちろん大好きで北海道にスキーに行っている人も。

ちなみに、フランス人の友人はシンガポールのクリスマスは暑くて雰囲気が盛り上がらないから嫌いと言っていました。私は、クリスマスツリーと金と赤があればクリスマスムードは演出できると思っているので、モールやオフィスの下など至る所に巨大なクリスマスツリーが出現するシンガポールは、かなりクリスマスの雰囲気を楽しめると思っています。

シンガポールは現在11月でまさにあちこちでクリスマスツリーが出ています。

MBSはDIORのツリー

⑥風呂なし、室内洗濯機置き場なしが当たり前

シンガポール国民の80%が住むHDBと呼ばれる公営住宅は大体どこも似たような間取りで、3ベッドルームあってもトイレとシャワーが2つあってもバスタブがないところがほとんど。


大体HDBはどこもこのような間取り

このように3ベッドルームくらいの広さならトイレ、シャワーはひとつにしてその空いたスペースにバスタブを置いて欲しい、と思ってしまうのですが文化の違いのため仕方がありません。

そもそも、気候のせいか、あまり湯船に浸かる習慣がないようでHDBに限らず、コンドミニアムでも新しいものや100平米以下の物件はほとんどがシャワーが複数あってもバスタブはありません。

まあ、実際に湯船があってもしっかりとお湯をはろうとするとお湯が出なくなる(タンク方式の場合は湯量が決まっているため)ということも。以前の家にはバスタブがあったのですが、すぐにぬるいお湯しか出なくなるので常に半身浴でした。

ただ、駐在ファミリーが住むような広さの7500ドル(約82.5万円)くらいの物件や少し古めの物件なら、追い焚き機能は流石にありませんがバスタブはありますので、これもお金で解決できる部分ではあります。

あとシンガポールの家に特徴的なのは、Service Yardと呼ばれるキッチンの奥の屋外エリアに洗濯機を置くのが一般的なこと。つまり室内に洗濯機置き場がないのです。

でもシンガポールだと結構普通で、このちょっとしたベランダのような場所で洗濯を干したりする事ができます。

個人的にこの洗濯機が外にあるというのは結構便利だと思っています。でも、年中暑い国だからできることで、冬場に手がかじかむような寒さの日に外で洗濯物を扱わなくてはいけないのはちょっと辛いと思います。

シンガポールだ60万円近く払ってもバスタブなし、室内洗濯機置き場なし、というような家になることが普通ですが日本基準だと考えられませんよね。

⑦雑でレイジーな国民性

シンガポールの人は自他共に認めるレイジーな国民です。

レイジー(Lazy)というのは面倒くさがり、というようなイメージで、私が勝手に言っているのではなく、シンガポーリアンが言っているのを色々な場面で聞いたものです。

そのエピソードを紹介します。

シンガポールでは、運転中にウィンカーを使わない人が多く、街中で歩行者として横断歩道のないところを渡ろうとする時などは、向かってくる車が直進するのか、手前で曲がるのか分からずかなり危険です。タクシーに乗っている時もウィンカーなしにどんどん追い抜いていく車も多く毎度ひやっとします。

これをシンガポール人の友人に話したら「Singaporeans are lazy」と言われたのですが、思わずレイジーとか関係ないだろ、道路交通法とかあるでしょ?と突っ込んでしまいました。

また、英語でもSinglishと呼ばれる文法がめちゃくちゃでちょいちょい単語が抜けているような喋り方も「Because Singaporeans are lazy」と言われました。

この2つの例で話してくれたのは世代も職種も全く別の人でしたが、確かに振り返るとそのようなレイジーな性質は随所で見られ、これ以外でもレイジーだとシンガポーリアンが自称する場面に何度も出会いました。

もちろんSinglishに関して言えば、面倒なので省かれているということだけでなく中国語の影響がかなり大きい(現在形の文末に了をつけることで過去形になる→I go home alreadyなど)とは思うのですが、国民性が反映されているのかもしれません。

なんでもかんでも「Can」で済ませてしまうのもレイジーの極みです。

レイジーで細かいことを気にしない雑な人が多いので日本基準を求めているとイラっとすることも多いです。そんなものだ、と思えば楽です。

本当に細かい作業や丁寧な仕上がりが求められることを頼む時は注意が必要ですが、そういったシーンは実はさほど多くはないし、逆に自分もその雑さに救われている部分があります。

住むのと旅行は大違い

シンガポールへの移住をお勧めしない理由を7つあげてみました。

ちょっとしたことに思えるかもしれませんが、どれも長く生活をすると地味に効いてくると思います。

やはり観光で滞在するのと、そこに拠点を移すのは大きな違いがあり、相当な理由がない限りシンガポールは遊びにくる程度で良いのではないかと思っています。

シンガポールにいる日本人の多くは駐在の方で一定の期間限定で来ています。大体3年程度で日本に戻る人が多い印象。
5年だと、長いねと言われる感じ。

シンガポールがよい、よいと言われるのは旅行で来た人や、数年間勤務先からの手厚いサポートも受けた状態で一時的にシンガポールに一時的に住んだ人たちの感想が広まっているというのも影響しているのではないかと思います。

旅行とは違うもののやはり日本に戻ることが分かっている場合と、シンガポールに移住するという場合と見えるものが違うでしょう。

自分も帰る事が分かっていて住んでいた前回と今回で全く見えるものが違います。同じく長い或いは移住組の人と話すとかなり別の視点があるように思えます。

愛すべき多様な国シンガポール

シンガポールはそこにいる人だけでなくあらゆる意味で多様な国。綺麗、進んでいる、などと言われるのは表面上の一部分だと思っています。

ローカルな団地に住んでいる自分でも、Foreignerとしてシンガポールにいるので見えていない部分がほとんどだと思います。当たり前ですがよい部分もあれば悪い部分も多く、国としての課題も多いと思います。

港区の修学旅行がシンガポールだという事が話題でしたが、セントーサなんか行くひまがあったら、もっと郊外のエリアのHDBのホーカーでお昼を食べる方がよっぽどシンガポールを体験できると思います。

英語で注文して中華系のおばちゃんに「ああ?!(語尾を上げ気味で)」と不機嫌そうに言われるまでをぜひ体験して欲しい!

そして、昼夜問わずビーサン、ヨレヨレのTシャツの老人がたむろしているホーカーと、マリーナベイサンズの両方を見てこそシンガポールだと思っています。

私はシンガポールが大好きですが、簡単に移住をすすめるということは決してできません。子供がいる場合だと「とりあえず1年くらい住んでみれば」というような事はなかなか難しいです。特に小学生以降は教育問題が重いので、なかなかフットワーク軽く動くのは難しいと思っています。責任重大だし。

でも、私はとりあえずしばらくはこの国にいようと思っています。

冒頭に書いた通りお金があれば非常に住みやすい国で、正直ここにあげた7つのこともお金で解決できることがほとんど。なら稼いで解決しよう!という気概でやっています。

ヒリヒリするような状況に飛び込むことを自ら選んでしまったのですが、これからもこの愛すべきシンガポールに少しでも長くいられるよう頑張ります。

1ドル110円で計算

注1:2024年まで段階的に水道料を値上げ

注2:食料の90%を輸入



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