第8話

 joy joy joy to the globe
 try try try real love

 joy to the love (globe)
 眠れない想いがつのる 駆けめぐる
 joy to the love (globe)
 楽しめる恋なんて嘘ね 激しさが

 突然矢の様に訪れてくる
 2人の世界が変化し続ける
 秘密めいた傷跡残して
 些細な言い訳も聞かない

 8回目のデートで初めて 過去から逃げ出した
 9回目の夜明けにジェラシー見て
 
 10回目の夜に・・・ 愛してた・・・

 「・・・パリス、その歌は・・・?」

 『・・・ジョーイが一番好きだった歌・・・。 彼の為に歌ってあげたいの・・・。』

 「・・・」

 『・・・ジョーイ、聞こえてるかしら・・・?』

 「・・・ああ、きっと聞こえてるサ。」

 『・・・そうよね・・・。』

 「さあ、早く脱出するぞ!」


         ≪セレブ in Love ~パリスの恋~≫


 第8話 <ガラスの迷宮(ラビリンス)>


 グギッ!   『キャァ!!』

 「どーしたっ!!」

 『ちょっと、足をクジいたみたい・・・』
 「見せてみろ!」

 パリスの足は大きく腫れ上がっていた。

 「これじゃ、歩くのは無理だな・・・」
 『大丈夫よ、これくらい!』

 「いいから、早く俺におぶされ。」
 『大丈夫だから! ホラ! ・・・っ!!』

 パリスは立ち上がってみせようとしたが、足の痛みがそれを許さなかった。

 「見てみろ! いいから、強がるな。」

 カチン!

 『・・・・・・行きなさいよ。』
 「え?」

 『足手まといになるのなんて御免だわ!! 私の事なんて、ほっといて早く逃げれば!?』

 「な、何言ってんだよ?」

 『私は強がってなんかいないわっ! 何で私がアナタなんかに強がってみせる必要があるっていうの!?』

 「・・・・・・・」

 『早く行きなさいよっ!!!』


 ・・・・・・・・

 「バッッキャロウッッッ!!!!!」

 『!!!?』


 「ジョーイが誰の為に犠牲になったと思ってるんだ!? ここでお前が死んだら、アイツはムダ死になっちまう!!」

 『・・・・!!』

 「オレはアイツに頼まれたんだ・・・ お前の事をな!! 意地でもお前を助けてやる!!」

 『・・・・・・』

ケンタロウは無理やりパリスを背負い、走り出した。

 燃えさかる炎は勢いを増し、もう一刻の猶予も無いことを知らせていた。

 『・・・・・・・ごめんなさい・・・』

 「・・・」

 『・・・ホント、私って素直じゃないわよね・・・自分でも嫌になるわ・・・・・』

 「そーでもないぜ。」

 『・・・え!?』


 「お前でも謝ったり出来るんだな。。。」

 『あ・・・!!』

 「見えたぞ、出口だ!!」


 炎はすぐそこまで迫っていた。


            第9話へつづく・・・ 

2006.09

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