第6話

・・・ねぇ、パパ? 「お金」ってなぁに?

 ・・・パリス、「お金」っていうのはネ、私たちを幸せにしてくれるものだよ。


 じゃあ、アタシ、お金いっぱ~い欲しい!

 でもネ、パリス・・・、「お金」と「幸せ」は違うものなんだ。

 間違ってはいけないよ・・・。


         ≪セレブ in Love ~パリスの恋~≫


 第6話 <螺旋の告白>

 
 『お嬢様! お嬢様!!』
 『早く、車を持って来い!!』
 『急げ! お嬢様が倒れられた!!』


 騒ぐSPと、いつの間にか集まっていたヤジ馬の喧騒の中、その得体の知れない女は運ばれて行った・・・。


 俺は、身に起こった出来事が何なのかも分からず、ただその場に立ち尽くしていた・・・。


 数日後、俺の周りは急に騒がしくなり、それと同時に彼女が何者なのかを知った・・・。


 俺とはまるで別世界の人間・・・。


 望むモノは何でも手に入れ、気に入らなければすぐに捨てる・・・。


 俺とはまるで別世界の人間だ・・・。


 そいつが俺を望んできた・・・? 


 そいつに俺は怒鳴ったのか・・・? 


 ワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイ・・・・・・・

 このワタシが怒鳴られた・・・?


 この“パリス・ヒルトン”が・・・?


 いつだってワタシはお姫様だったわ・・・。


 周りはいつもワタシを羨望のまなざしで見ていた・・・。


 媚びを売る人間はいくらでもいたけど、
 誰一人、ワタシに逆らう人間はいなかった・・・。


 誰・・・!?  一体、誰がこのワタシの事を怒鳴れるって言うの・・・!!?


 ただの“一般庶民”が・・・?


 『ただの一般庶民』が、このワタシを怒鳴ったというの・・・?


 ワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイ・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「お前は一体何なんだ!!!!???」
 「アナタは一体何なの!!!!???」


ッッッッジリリリリリリリリリリリリリリリ・・・・・!!!!!!


 その時突然、ヒルズ内に警報機の音が鳴り響いた。


『火事だっ!!』 


            第7話へつづく・・・
2006.08.29

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