悲しい伝言板
万葉歌碑をたずねて書いてみました。
幾千年経っても人の心は同じ。
愛する人との別れは、生きていることと死んでしまうことの違いの大きさを教えてくれる。
どんなに悲しく苦しいことか。
人は生きている以上、それを味あわなくてはいられない。
幼い頃は夢を見て、のんびり暮らしていればよかった。
愛を知り、別れを知り、無力を知り、知りすぎて気力は失せる。
ほとばしるものを感じたいのに、未来は塞がれている。
けれど、信じたいな。
わかっていても、“やってみよう“という声を。
衾(棺に被せる布)を引いて歩く道、という意味を持つらしい衾道。
思った以上に細い道だった。
山へと続く道は、どうしても、かなわないことへの執着との決別の道。
私が泣くとき、私は一人きり。
自分の境界線をほどいていく。
今は生きている。
確かに、たしかに。
不思議だ。
1300年以上前前から同じ道を、幾人もの人が歩いてる。
悲しみの込められた詩のメッセージが残るこの道なのに。
この前もリュックに大根やみかんを入れて、嬉しそうに帰ってきたっけ。
山へと続いている道、ここには小さな古墳群が残っている。3時を過ぎては一人で歩くのは怖い。
知らぬが仏。
一番のうまい生き方は、知らないでいるということかもね。
知らなくていい。人の経験より自分で味わうのが素晴らしいよ。
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