米国株式市場:S&P 500が2024年の最長連勝記録に挑む、Netflixの好調が牽引
米国株式市場は、Netflixの好調な決算を背景に、S&P 500が新たな高値を目指し、今年最長の6週連続の上昇に向かっています。今週の市場動向と注目銘柄を整理していきます。
S&P 500が史上最高値に迫る
S&P 500指数は約0.5%の上昇を記録し、史上最高値に迫る勢いを見せています。特に今年に入り6週連続の上昇が目前に迫り、2024年の最長連勝記録に挑んでいます。テクノロジー銘柄が多く含まれるNasdaqも0.8%の上昇で市場全体をリードしており、テクノロジー株の好調さが顕著です。
大手銀行の好調が後押し
今週は大手銀行の好調な決算が発表され、これが市場全体を支える材料となりました。第3四半期の決算シーズンはビッグテックに続き、大手金融機関の業績も良好で、投資家たちのリスク志向が高まりました。
Netflix:強力な決算で株価急上昇
Netflixは第3四半期の決算で驚異的な成長を示し、株価は10%以上の急上昇を記録しました。特に広告事業の拡大が大きな要因となり、会員数の増加も予想を上回る結果を出しています。Netflixは、パスワード共有の取り締まりや広告付きプランの導入を通じて収益を押し上げました。
Netflixの成長戦略
広告事業の拡大: Netflixは、広告付きプランの導入で収益源を多様化しており、第3四半期にはこのセグメントで特に好調な結果を示しました。広告モデルは今後も大きな収益を見込める分野となりそうです。
パスワード共有の取り締まり: パスワード共有の制限を強化することで、新規加入者の増加に成功し、第3四半期には5.07百万人の新たな加入者を獲得しました。
Tesla:自動運転技術に対する調査
テスラの自動運転技術「フルセルフドライビング(FSD)」に対して、NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)が新たに調査を開始しました。調査の焦点は、視界不良の条件下(太陽の反射や霧、砂埃など)での事故に関する報告です。FSDがそうした状況に適切に対応できなかった可能性があり、これまでに4件の事故が確認されています。
調査の対象と影響
調査は米国内のFSD機能を搭載したテスラ車240万台が対象です。調査の結果次第では、テスラの自動運転技術に対する信頼性や将来の成長戦略に大きな影響を与える可能性があります。
事故の中には歩行者が死亡したケースや、負傷者が出たケースも含まれており、安全性に対する懸念が広がっています。
American Express:売上未達で株価下落
American Express(アメックス)は、第3四半期の利益が予想を上回ったものの、売上がアナリスト予想を下回り、株価は約3%下落しました。消費者の強い支出が利益を押し上げる一方で、期待されたほどの売上高を達成できなかったため、投資家は利益確定の動きを見せました。
業績のハイライト
強い消費支出: アメリカ国内の消費支出は依然として強く、アメックスの利益はそれに支えられました。
ガイダンスの引き上げ: 会社側は通年のガイダンスを引き上げましたが、投資家は売上未達を懸念して売りに走りました。
Coinbase:ビットコイン上昇の追い風
Coinbaseは、ビットコインの急騰を受け、株価が5%以上上昇しました。ビットコインは週を通じて約10%の上昇を見せ、$70,000に迫る勢いを見せています。この動きにより、Coinbaseも勢いを増し、投資家の注目を集めています。
仮想通貨市場の状況
ビットコインは再び強力な上昇を見せており、特にデジタル資産に対する投資家の関心が高まっています。
Coinbaseは第3四半期の決算を月末に控えており、さらなる成長が期待されています。
CVS:CEO交代で株価下落
CVSはCEOのKaren Lynchの退任を発表し、David Joynerが後任として就任しました。このニュースを受け、CVSの株価は6%以上下落。株価の下落には、業績予測の引き下げと医療費圧力の高まりも影響しています。
経営の再構築と今後の展望
業績予測の下方修正: CVSは第3四半期の1株当たり利益を$1.05から$1.10と予想し、これが市場の期待を大きく下回りました。
経営の変革: Joyner氏は、CVSの成長を維持しつつも、戦略的な選択肢の見直しを行うと述べ、投資家に安心感を与えることを目指しています。
Apple:中国でのiPhone販売が好調
AppleのiPhone 16が中国市場で大ヒットし、売上が前年同期比で20%増加しました。特にiPhone 16 ProとPro Maxの売上が44%増加を記録しました。このニュースにより、Appleの株価は1.7%上昇し、中国市場での強さが再確認されました。
AI主導の成長予測
アナリストは、今後AppleがAI主導の成長サイクルに突入すると予測しており、中国市場でのiPhone販売はその一部として大きな役割を果たすと見ています。
中国市場の成長は、Appleの全体的な売上に大きく寄与しており、同社のグローバルな競争力をさらに強化する見込みです。
まとめ
今週の米国株式市場は、Netflixの好調な決算やAppleの中国での売上増がテクノロジーセクターを牽引し、主要指数は全体的にプラスの動きを見せました。一方で、Teslaの自動運転技術に対する調査やCVSのCEO交代など、注目すべき銘柄もあり、個別株の動向には依然として注意が必要です。