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歴史的円安とバブル超え間近の株価は、『太平の眠りを覚ます黒船』になるか?(6月記事まとめ)

7ヶ月ぶりに145円台目前という結構な円安になっています。

GoogleFinance 2022年10月以来の水準まで来てますね

なんか、円安傾向に慣れちゃったからか、「日本はもう終わりだ!」みたいな話は前ほど盛り上がってない感じもするんですが、個人的には前よりも少しは深刻に考えた方がいい感じではないかと感じています。(世の中が大騒ぎしていた前回は逆に私は全然心配していなかったのですが)

勿論「これで日本は終わりだ!円は近々紙くずになるぞ!」みたいなことを言いたいわけではないのですが、今後の世界経済の状況次第では、結構しんどい状況に追い込まれていく可能性がゼロではない。

一方で日経平均株価は90年代のバブル期の最高値までもう少しところまで来ていて、なんと5月は値上がり率が世界の主要国で一位だったらしい。

中国とか欧州でかなり下げている、アメリカはまあトントン(ただし一部テック系は超強い)、中国を除くアジアが好調で、中でも日本の伸びが一位だったとか。

単に円安で見かけ上の金額が膨らんだ効果も大きいんじゃないかというツッコミはありつつですが、こういう見出し自体がなかなかここ10年20年とレアだったので、それなりに好感してもいい状況ではあると思います。

GoogleFinance

こういう非常に対照的な指標が同時に押し寄せると、楽観していいのやら悲観していのやら?みたいな感じになると思うんですよね。

で、混乱した状態のままとりあえずの結論を出すために、「日本はもう終わりだ!」かそれとも「何の問題もないのだぁああわはははは」の”どっちか”を選んで納得しちゃうみたいな感じになりがちですよね。

今回記事では、あくまでざっとですが状況を冷静に読み解きつつ、だいたい今起きていることに関する概観と、今後どうしていったらいいのか?みたいな話をしながら、6月発信記事のまとめも同時にしたいと思っています。

1●7ヶ月前の円安と違うところは”円独歩安”

2022年に円安傾向が強まった時期に書いた以下の記事は結構読まれましたが…

上記の記事を書いた「前回の円安」と、今の円安は結構状況が違うんですね。

単純に言うと、前回の円安は

・世界中の通貨に対して米ドルが全方位的に強くなっていた

…状況だった。

ユーロもポンドも人民元も韓国ウォンも相当下げていて、ドルだけが単独でどこまでも強くなっていた。

一方で、今の円安は、結構「円独歩安」みたいなところがあるんですね。

円が、ユーロ・ポンドに対してもかなり安くなってるし、それらほどじゃないですが人民元や韓国ウォンと比べてもまあまあ安くなっている。

ドルがどの程度他の主要通貨に対して強いかを表す「ドルインデックス」という指標があるんですが、以下のように前回の円安ピークは「ドル高のピーク」でもあったけど、今回の円安は別にドル高ってわけでもない事がわかる。

bloomberg (グラフ左方の前回円安期はドルが超強かったが、今回はそうでもない事がわかる)

では、なぜ円独歩安になっているかというと、世界中のほとんどの国でインフレ対策で利上げしているが日銀はゼロ金利のままだからですね。

(そもそもこの辺の「金利と通貨価値との関係は?」みたいな基礎知識を知りたい方はさっきも貼った円安関連記事に詳しく初心者向けにまとめているのでそちらをどうぞ)

前回の「ドル独歩高」局面では円と変わらないぐらい下げていた英国ポンドや韓国ウォンも、あれから両国とも歴史的なレベルで利上げしたので、結果として円に対してもそれなりに強くなってます。

この状況をどう考えるべきか?

2●円独歩安を引き受けて、韓国や台湾にも追い抜いてもらって、”自分たちだけの発展への道”を進めるか?

さっき貼ったこの記事で、

私は以下のように書いていました。

今後という意味では、やはり思っていたほどインフレが収まらない的な数字も出てきていて、また何度かガツンとアメリカは利上げに追い込まれるかもしれず、そのたびにとばっちりで「円安だー!日本はもう終わりだー!」と日本では大騒ぎをすることになるかと思いますが、全体として「間違いない全世界同時不況の流れ」が来ているぶん、日本だけが特異的に追い込まれる情勢にはならずに、そこでギリギリ生き残れればそこからは、「狭い道(ナローパス)」を通って独自の繁栄の道を狙っていけるだろうと思っています。

この感じ↑は結構そのまま継続中だとは思います。

ただ、想像よりも、「世界同時不況」っていうのが来そうで来ない、特に米国の市場関係者の色んな人が「おかしいな?おかしいな?こんな良い状況が続くとは思えないけどとりあえず当面は乗っとくか」みたいな感じで、「落ちきらない経済の中でズルズルと利上げだけが続いていく」状況になってしまっている。

今回の円安は前回よりも深刻に捉えた方がいいかも?と私が考えているのはそこで、このまま方向感がないまま世界経済が持ちこたえ続けてなまじさらに再加熱する…みたいな事になると日本は身動きが取れないコーナーで「円安パンチ」を延々と受け続けることになってしまい、色々と副作用込みの利上げを良くないタイミングで決断さざるを得なくなったりとか、結構困った状況になる可能性はある。

さらに言えば、前回の円安記事で書いたように、140円の円安が150円になる事自体よりも、それで「日本人の大衆が日本円を見限る」みたいなことが起きるとかなり大変なドミノ倒し的な事が起きかねない不安がある。

だから「何の心配もないのだああはははは」という感じでは全然ない状況ではあるんですよね。

アニメとか日本漫画とかで、本当に死地ぎりぎりのところを通って、でも自分たちの作戦に向かって突っ込んで行って土壇場で逆転する…みたいな定番のシーンがよくありますが、結構そういう感じで、「ギリギリのルートを通って新しい自分たちだけの道を捉えようとしている」という感じではあるのかなと思っています。

3●台湾や韓国が先日まで使っていた「ブースターロケット」を日本も使えるようになる

多分、今回のかなり意図的な円安誘導で、2023年のドル換算一人あたりGDPで韓国や台湾に日本は正式に抜かれるんじゃないかと思いますが(台湾には22年にすでに抜かれていたらしい)、それはそれでいいじゃないか、というか、変な慢心なしにそこからスタートできた方がむしろわかりやすくていいじゃんという感じはありますね。

韓国好き日本人が数年前から『韓国の方がもう上だ、日本は終わりだ』と言っていたのは、PPPという結構特殊な指標によるもので…という詳細は以下の記事の後半に書いたのでご興味があればどうぞ↓

上記の記事で書いた韓国経済との比較…という話で以下のように書いたんですが、単純にいうと韓国や台湾は「急激に成長して先進国になる時期」限定で使えていた特殊なブースターロケットを使える期間が終わって、「普通の先進国としてこの先どうするか?」という問題にぶつかる時期が来るというわけですね。

つまり、韓国人は2000年ぐらいからマンションなり何なりをただ持っていただけで資産価値が3倍近くになっていて、社会のあちこちにそういう人がいると、それを原資に経済を回す事ができるんですが、日本はバブル期の90年代初頭を頭に、2000年代はほぼ横ばいで、民主党政権の頃が底でちょっとは上がっていますが全体としてはピーク時の半分にもならないところでずっと横ばいだったと言えます。
こういうのは、国の発展段階において「一回だけ使えるブーストロケット」みたいなものなんで、一時期中国人の中に庶民ぽくても凄い金持ちの人がいたのも、大都市に昔から住んでいた集合住宅の値段が急激に上がったからだし、バブル期の日本が凄い金持ちだったのもソレが大きい。
文在寅政権になってからマンションの価格の上がり方が異常なレベルで、それが文在寅氏の支持率を落とす原因になったというニュースも聞くので、そろそろ韓国もこの「一回だけ使えるブーストロケット」が切れてきて、「普通の先進国」として色々やってくる課題に向き合う必要が出てくるんじゃないかと思います。

上記記事を書いたのは文在寅政権時代末期の2021年末ですが、それから韓国は急激に利上げしたので、日本の90年代初頭のバブル崩壊みたいな感じで、上がり続けてきた不動産価格が急激に落ち込んできているらしい。

今まで、ただマンション持ってるだけでガンガン利益が出ていた「ブースターロケット」的な効果が切れてきて、「普通の先進国」としての色んな問題にぶつかり始める時期というのはこういう事でもあるんですね。

一方で、最近の日本、特に首都圏の不動産価格とかはかなりの上昇局面に入っていて、勿論それはまた別の意味で色んな問題を抱えてますが、資産インフレ効果でただマンション持ってるだけの一般人の富がガンガン底上げされていくというポジティブなループは回り始めていると言えます。

首都圏は巨大なんで、通勤時間を20分〜30分増やせば空き家が増えて困ってる地域もいくらでも見つかるはずだから、とりあえずの住宅問題が社会崩壊レベルに深刻化する自体は避けつつ、過去20年間封印してきた「経済成長のブースターロケット」を再度使える情勢になりつつあると言えるんじゃないでしょうか。(せっかくだから外人投資家の不動産投資には割増税金取れよって話があるそうですが、それ自体はぜひやるべきと思います)

そして、円安・インフレその他は、「過去20年のずっと変わらない平成時代社会」を超える変化を社会にもたらす可能性が高いと思います。

過去20年デフレ状態で物価が変わらない時代が延々と続いてきたのだから、ある程度のインフレはショック療法としては結構意味があると思う。

最近になって企業が「値上げしてもいいんだ」という気持ちになってきている…という指摘がされてますが、今まで決して「値上げ」に踏み込まずに従業員の給料を削って削って我慢してきた状態を脱出して、積極的に消費者側に価格転嫁しつつ賃上げもやっていこうという流れになること自体は悪くない。

それでも、欧米に比べれば社会も安定しているし、なんとなく続いている日本的調和感も一応維持はされている。

短期的には賃上げより値上げが先行するのは仕方ないのでそこは割り切りつつ、そこでガッとアクセルを踏み込んで「次、次」へと変化に飛び込んでいくべきときだと言えます。

幕末に黒船が来たときに、

「太平の眠りを覚ます蒸気船、たった四杯で夜も寝られず」

…みたいな歌があったそうですが。

徳川三百年の眠ったような太平が覚まされたように、昭和の経済大国の遺産を食い延ばして自分たちの共有軸を崩壊から守ってきた平成時代+令和の数年が終わるということなのかと思います。

円安とインフレが向こうからどんどんやってきて、ただ過去の延長ではいられなくなる「黒船効果」をもたらしつつある。

「太平の眠りを覚ます」べきときが来ているのが今で、それをいかに乗りこなせるかが大事な課題だと言えるでしょう。

4●「再度ブースターロケットを使う」ために必要なこと

要するに、以前書いた以下の二つの記事みたいな変化に飛び込んでいくべきときが明確にやってきているってことですね。

「丁寧な値上げ」をしていくことで、「悪い値上げ」が社会の紐帯を破壊してしまうことを防ぎつつ…↓

ちゃんと自分たちならではの方法で、「変化して社会と経済を変えていく」を実行に移していく必要がある↓。

インボイス関連の問題も再度紛糾していますが、それについて書いた以下の記事のような視点も、今必要とされていると言えるでしょう。

上記記事のように、インボイス関連が「紛糾する理由」を単に切り捨てるんじゃなく理解する事は大事なんですが、ただ結果としてこの政策については、ある程度「あえて積極的に前に進む」ことが必要なタイミングにもなっていると感じています。

アニメ業界が月収10万円の人もいて、それをインボイスが破壊する!というような問題も、そもそも過去数年だけ取ってみても日本アニメが劇的に国際化して、海外からもどんどんお金が入ってくるようになっているんだから、ナアナアにしてないで業界内で適切に分け合ってちゃんと持続可能なビジネスに転換してってくださいよ、という話がまずはある。

インボイスの問題よりも「月収10万円になってる構造」自体にメスを入れていくような変化が、今後日本社会で起こせるかどうかが問われている時期なんだと言えるでしょう。

ある意味で今までの20年みたいにナアナアに内輪のウェットな繋がりで無理を溜め込んでなんとかするよりも、公明正大な仕組みの上で日本的調和を維持できるかどうか?というチャレンジに重点が転換しつつあると言える。

単純に直近の対策としては、零細業者が免税事業者のままでも、「注文元」がちゃんと契約を継続するようにしさえすれば、「ちゃんと弱者救済を業界の責任で」やる流れになるはずですしね。

さっきたまたま見つけましたツイートですけど、「こういう決着↓」が基本になっていけば、インボイスがむしろ業界内の力関係の適正化に寄与する事も可能だと思います。

5●そういう「太平を眠りを覚ます変化」が、国内でも起きている。

経済面での「太平を眠りを覚ます」変化は、経済以外の話題における社会の新しい転換を産んでいるところがあると思います。

一個前の記事でも詳しく書きましたが、今月は結構このツイートがバズったんですが、一個前のnoteでも書いたけど、「バズった規模」に関して凄い平和な反応だったんですよね。

単に「右とか左とか」の紋切り型で延々とケンカしてちゃダメだよね・・・という新しいコンセンサスが出来てきている感じがある。

その「新しいコンセンサス」ができればこそ、「過剰に右翼的な」意見を抑え込む主体を安定的に稼働させることだって可能になるし、経済問題に関しても適宜現実を捉えた意味のある施策を積み重ねていけるようにもなるわけですからね。

同じ感じで、過去20年どうもボタンの掛け違い状態だった日本の伝統的ゲームタイトルがうまく回り始めているみたいなところも、好感できる話でした。以下の記事もまあまあ読まれましたね。

上記noteの連ツイ要約版↓

最近、日本のエンタメビジネスの国際化と新しい展開…みたいな話を色々とやってますが、「ビジネス」問題でありつつ「文化論」問題でもあるこの領域の変化は、色んな経済面における転換を先取りしている部分が示唆的だと思います。

これは先月末ですがマリオの映画についてのコレも書いたし…

これも先月ですが、エンタメビジネス研究の中山淳雄先生の本の紹介連ツイなどもしました。

そういう「新しい流れ」が日本には着実に生まれていて、いかに過去の紋切り型の対立を超えてそれを実現していけるかにかかっている。

今月はそういう意味で、「右とか左とかじゃない新しいコンセンサス」を作っていく試みとして、政治学者の岡田憲治先生と対談した記事がやっと出ました。

献本戴いた岡田先生の新刊の紹介連ツイもしました。

なんか最近立憲民主党の内輪もめとかダメダメっぷりが露呈することが多いですが、そもそも「どこを支持する」以前に、国民の意思が無意味に分極化したままの状態だとどうしようもないみたいなところがあると思うんですね。

そうじゃなくて、「右とか左とかじゃない新しいコンセンサス」を作っていけば、そこに向けて結果として二大政党制的な新しい動きが形になってくる…というような事を考えるべきなんだと思います。

結果として岸田政権みたいな「自民党内リベラル派」が継続して政権を取るのでも、逆側との対話や微調整が機能する状態でやってる方がいいのは当然ですからね。

今みたいに、「今の日本とは全然関係ない理想論をぶつけて自民党は悪だけど俺たちは正義と言い続けるだけの簡単なお仕事」を続ける人たちにはあと何歩か社会の端っこにどいてもらって、「リベラル的良識を徹底した現実路線で」着地させていく分厚い論壇ができあがれば、日本の政治はよほどマシなものになるはずだと思います。

現在の政治・経済の混乱状態みたいなのは、だいたい以下の本で予言した通りになってきていると言っていい感じなんですよね。

日本人のための議論と対話の教科書

上記の本の後半では、今みたいに「左の内部」「右の内部」で徹底して内輪もめが激化していく流れになれば、その時日本は「次の調和点」に向けて急激な変化を起こしていけるタイミングが来る・・・という話を詳細に書いています。

円安・インフレその他も含めて「黒船来航」が太平の眠りを覚ましつつある中、今までの延長にとらわれずにどんどん「日本だけが通れる新しい繁栄の道」に向かって動かしていきましょう。

この本は以下リンク先で無料で試し読みができますのでそちらもどうぞ。

また、この記事とツイになっている、先程もちょっと触れましたが「経済の変化が黒船となった」結果として、国内における紋切り型の「左vs右」の議論も別の形が見えてきているのではないか?という以下の記事もお読みいただければと思います。

長い記事をここまで読んでいただいてありがとうございました。

ここ以後は、最近「日本発の”韓流”」みたいなタイプの音楽が結構アツいって話をします。

私は経営コンサル業のかたわら色んな個人と”文通”しながらそれぞれの人生の戦略を考える…みたいな仕事もしていて(ご興味があればこちらをどうぞ)、その中で結構長く文通している日本のアイドル音楽の作曲家の人がいるんですが…

彼との対話の中で、少し前からこの「日本発の”韓流”」ムーブメントみたいな存在について色々と話題になっていて、考えさせられるなあ、と思っていました。

例えばこれはAAAという2005年にデビューした日本のグループのメンバーだったスカイハイ(日高光啓)さんという人が作った会社が日本でやってるグループなんですけど…

曲もダンスも凄い「韓流」っぽい建付けで、ビジネスとしても日本の音楽業界の流儀にとらわれず、いわゆる「ボーングローバル」に韓流と同じ売り方を目指している感じらしい。

上記の文通してるアイドル作曲家の人も上記の曲とかは凄い練られていてヒットしそう…と言ってたら言ったとおりになりましたね。

あともっと特殊なのが、こちら↓はエイベックスが仕掛けていてメンバー全員日本人なんですが、製作その他はもう全部韓国でやっているXGというガールズグループ。

なんか、『韓流ではNewjeans的な路線に押されてだんだん勢いが減ってきたかもしれないガールクラッシュ(強い女)路線をさらに日本的ヤンキー精神でさらに前に推し進めた』という感じ?

両方ともYouTubeの再生数とかコメント数その他を見ていると、両方とも今、「国」の範囲を超えてかなり売れているみたいです。

面白いのは、両方とも全力で「韓流っぽく」してる感じなんですが、ただなんか、「言われてみれば日本っぽい」みたいな部分もある感じがちょっと興味深いです。

以下の部分では、なんかこの「日本発の韓流」という展開の仕方が産んでいる変化とか、「それでもそれぞれなんか日本ぽい」という要素がどういうところにありそうかとか、について色々と考えてみたいと思っています。

ただ個人的には、特に女性ボーカルがこういう「韓流的にバキッと作り込まれる」事は嫌いではないし結構音楽として聞いている事も多いんですが、「あらゆる音楽がこのフォーマット」になっていく事自体もそれはそれで多様性の喪失だよな、という感覚も凄いあるんですよね。

スラムダンク映画にセット売りされることで”日本のロック音楽”の魅力が海外でも再発見される、みたいなことってありますけど、そういう「多様性」が日本の音楽業界の中ではちゃんと温存されてきている事の価値だってやはり否定できない部分はある。

そういう両方の事情を踏まえて、これも「日本の新しい開国」みたいな時代の中で、「グローバルの中の自分という個」「日本社会の中での自分という個」をいかに調和させるのか?というのはエンタメビジネスに限らずあらゆる人に求められる課題になってきているのだ、という話を以下の部分ではします。

上記の二つ(グローバルの中の自分、日本社会の中の自分)を、「どちらか片方を選んでいる方が偉い」という風に考える事自体がすでに時代遅れになりつつあり、状況とそれぞれ個人の特性を考えて一番カンフォタブルなところを適切に選んでいくことが大事なんですね、。

そして最後に、今後の日本の「黒船来航」以後の国際化局面において、自分たちのコアの価値を守りながら可能性を掴んでいく方法について、色々と思ったことを書きます。

昨年7月からは、「記事の有料部分のバラ売り」はできなくなりましたが、入会いただくと既に百本近くある過去記事の有料部分がすべて読めるようになりますので、これを機会にご購読を考えていただければと思います。
ここまでの無料部分だけでも、感想などいただければと思います。私のツイッターに話しかけるか、こちらのメールフォームからどうぞ。不定期に色んな媒体に書いている私の文章の更新情報はツイッターをフォローいただければと思います。

「色んな個人と文通しながら人生について考える」サービスもやってます。あんまり数が増えても困るサービスなんで宣伝してなかったんですが、最近やっぱり今の時代を共有して生きている老若男女色んな人との「あたらしい出会い」が凄い楽しいなと思うようになったので、もうちょっと増やせればと思っています。私の文章にピンと来たあなた、友達になりましょう(笑)こちらからどうぞ。

また、先程紹介した「新刊」は、新書サイズにまとめるために非常にコンパクトな内容になっていますが、より深堀りして詳細な議論をしている「みんなで豊かになる社会はどうすれば実現するのか?」も、「倉本圭造の本の2冊め」として大変オススメです。(Kindleアンリミテッド登録者は無料で読めます)。「経営コンサルタント」的な視点と、「思想家」的な大きな捉え返しを往復することで、無内容な「日本ダメ」VS「日本スゴイ」論的な罵り合いを超えるあたらしい視点を提示する本となっています。

さらに、上記著書に加えて「幻の新刊」も公開されました。こっちは結構「ハウツー」的にリアルな話が多い構成になっています。まずは概要的説明のページだけでも読んでいってください。(マガジン購読者はこれも一冊まるごとお読みいただけます。)

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