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君は、「蘭郁二郎(らん いくじろう)」を知っているだろうか?

蘭郁二郎は、大正末期から昭和初期にかけて作品を発表したSF作家。
小松左京らが創設した日本SF作家クラブの活動によって、
今では文学のメジャーどころに位置するSF。
でも戦前は、キワモノ扱いです。
で、蘭郁二郎の作品は
その王道を行くキワモノそのもの、というか、
キワモノここに極まれりといった作品のオンパレードです。

たとえば・・・。
『魔像』
主人公は、異様な写真を撮り続けている写真家、水木。
「僕には前から考えている一生一代の大願目があるんだ、
それを撮ったら、展覧会をやろう」という水木。
ある日、友人が水木のアトリエを訪れると、
一人の女性が全裸で倒れている。
その女性は何ものなのか、
また、その友人はどんなことに巻き込まれていくのか・・・。
戦前に描かれたとは、とても思えない、
ヤバイお話がここから始まるのです。

たとえば・・・。
『脳波操縦士』
このタイトルだけでも、とても不気味です(;^_^A
ある美しい美少女に出会う、主人公の青年。
でも、彼女には、とんでもない秘密が隠されているのです。
彼女の発する言葉がとても異様です。
曰く、
「あたし、おまえが好きなの、好きなの、好きなの…」

そのほかにも、
『白金神経の少女』やら
『宇宙爆撃』やら
『蝕眠譜』やら・・・。
もう、タイトルだけ見ても、異様なのです。

蘭郁二郎の作品は
すべて絶版になっているので、新刊は手に入りません。
が、安心してください。
すべからく、青空文庫で読むことができるのです。

が、読んでためになるかというと、
決してためにはならないでしょう・・・(;^_^A
でも、心行くまで「不気味さ」が味わえます。

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