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紙選び - ありのままを受け入れる

紙選び 最終回です。

前回、これで伸縮の脅威からは完全に逃れられる。
そう思いますか?答えはNOです。と書きました。

他に究明不可能なことがひとつあります。
それは、彫り取られた面積比やカタチではないかと思われる点です。

全てタントで同じ目で作ったとしても、伸縮率が違う場合があるからです。

つまり、伸縮は避けられないのです。

砂時計のような細いくびれ状態の部位は湿度の影響を極端に受けやすくなります。それが、フィーリングラインならば、なおさらです。でも、このラインで伸縮しない場合がたくさんあります。

運良く、彫り取った同じような面積比が仲良く均等に同居した場合には、全く伸縮が現れない場合も多いのです。

だから、今はときどき色上質も使っています。

そうです。伸縮を受け入れたのです

色上質くらいでビビっていては好きな色を自由に使えない。そのほうがはるかにストレスだ!!と思うようになったのは、みなさんが嫌と言うほど苦しめられている金や銀、そのほかにも伸縮の被害はたくさんあるからです。


結論です。
“伸縮を受け入れてください。”
「それが紙なのです」


販売する作品で、この現象が現れた場合、修復するか、その紙を差し替えるか、何らかの手段で修正しましょう。
修正不可能な場合は、諦めるしかありませんよね。

次回からは「絵」についてお話ししましょう。お楽しみに。

林 敬三

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