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[無料]賢者は濡れた焚き木でも焚き火出来るのか?
先日、途中で一泊するのが普通な『釜ノ沢東俣』へ沢登りに連れて行ってもらったんですが、17時前に着いたビバーク地で焚き火に失敗しました。まさかの、火が着かなかった。
道具はノコギリとライターだけ。焚き木は前日の雨で湿っており、着火剤は無し。
小枝から細い枝に火を付けるなどセオリーは守り、割り箸やカレーの紙箱、果ては計画書まで焚き付けに使いましたが、少し燃えるだけで持続せず最終的には投了。食事は食担がガスで作りました。
が、非常用と考えていたため110g缶1個しかなく(ガスを持ってきたのは僕ですが、少なかったですね)、朝食は冷たいカレーを無理やり流し込むという苦行…。
登山チョットデキルと思っていましたが、こんな事もあるのか…という苦いビバークとなりました。廻り目平などで焚き火に失敗したことは無かったんですが、沢の焚き火は勝手が違いました。
考えてみれば、5人のうち僕含めて3人が沢の中で泊まるのは初めて。ろくな準備もせず湿った焚き木にノコギリとライターだけでは上手くいかなくても仕方ありません。
Twitterで教えてもらいました
さて、それはそれとして切り替えて、帰ってきてから沢登りの人たちはどうやって焚き火をしてるのか聞いてみました。
今回、いろいろあって沢登りの泊まりなのに焚き火が出来なかったんだけど、達人はビショビショに濡れた薪でも焚き火出来るもんなの?道具はノコギリとライターだけとする。着火剤は一切ない状況でも可能?
— マツモトケイジ@ジオグラフィカ開発者 (@keizi666) August 26, 2021
教えてもらったツイートをここに掲載させていただきます。
着火剤使わないタイプの匠も、薪がしけってたときはエマージェンシーパックからテーピングテープを少し出して着火剤にしてました。
— yhon_da (@yhon_da) August 26, 2021
自分はガチ着火剤使う派です。
基本いらないくらいの人は、いざとなったらテーピングとかダクトテープ使ってるイメージです。
— yhon_da (@yhon_da) August 26, 2021
自分は固形です。ロゴスのファイアーライターを小分けして持って行ってます。
もうびっくりするくらい火をつけるのが下手なんですけど、これを使うと雨上がりでもなんとか着きます!
ノコギリは使わないですが、麻紐とライター使います。麻紐ないときは柴刈りして火つけますかね。
— リモートクズ/減量しないと (@mountains023) August 26, 2021
瀬畑さんという著名な源流釣りの方の知恵ですがご紹介します。
— sirakiy3 (@sirakiya3) August 27, 2021
鉛筆の芯ほどの枝を沢山集め、真っ直ぐな部分を選んで平行にガムテープで束ねます。
こうすると熱を籠らせつつ適度に吸気も行えるので安定して火を興せるのだとか。
着火剤は無くても大丈夫ですが、あったほうが楽ですね。
— こぎ (@cogitasne) August 28, 2021
濡れてる薪も割ってやれば中まで濡れてないので使えます。
タープもあれば張りますが、なければ薪の上に新聞紙か葉っぱつきの枝を乗せれば着火のときの雨よけになります。 https://t.co/DWPJ1PUzaA
濡れた薪に火をつけるには着火剤使いますね。着火剤なしで頑張れるのかもしれないですが単純にその方が早くて確実ですし。
— 野中径隆🗻 【Q&Aでわかる山の快適歩行術】山と溪谷社より発売中 (@natureguidelis) August 26, 2021
あと地面が濡れてると火が安定しないので石で釜戸を作ります。
雨が降ってる(降りそう)時は焚き火の上に煙の流れを考慮して、高めにタープ張ります。 https://t.co/KuR53Lva7O
焚火後は水で完全消火するのは当然ですが、釜戸用に使った石は長く熱を持って火事の原因になるので、最後に沢の水につけて冷まします。なので運べるサイズの石を使います。
— 野中径隆🗻 【Q&Aでわかる山の快適歩行術】山と溪谷社より発売中 (@natureguidelis) August 26, 2021
雨が降ってきた時に風雨の吹込み具合と焚火位置を見てタープの位置をずらせるよう張り綱を調整可能にしておくといいですね。
こんなのがありました。ライターではなく、スターターで。ノコギリではなく、ナイフ?タープは必要の様子です。https://t.co/geSznTbmpj
— pomsuke@遊びの修行中(^^; (@pomchan4) August 26, 2021
着火剤について
着火剤は、教えてもらったロゴスのファイアーライターを買ってみました。エキスパートは着火剤など使わずに濡れた薪でも燃やすのかも知れませんが、スタイルよりも確実性のほうが大事です。
あと、保険として豆炭も3つ程度持っててもいいかもと思って買ってみました。今度使ってみます。
着火剤を使わないニシパ(紳士)は、テーピング、ダクトテープ、ガムテープ、麻紐などを着火剤代わりに使っているようです。テーピングは持っていましたが着火剤に使う発想はありませんでした。使ってたら少しはマシだったかも知れません(焼け石に水だったかも知れないし、ファーストエイドの道具が減るのは困るけど)。
沢登りの本によると、牛乳パックも有効とのことです。牛乳パックはまな板にもなるので便利。薄いし軽いし、最後は燃やしてしまえばいいので持っていったほうがいいですね。着火剤として使ったことありますが、実際よく燃えます。
着火剤が無いなど、焚き火装備が貧弱な場合はビバーク地に着くまでに乾いた葉っぱや小枝を拾っておくのも大事だそうです。登山は準備が大事だとずっと思っていたし、講習などでも言ってきましたが、自分が焚き火の準備を怠ってしまいました。情けない限りです。せめて新聞紙でもあれば…。
ナタとタープ
今回は焚き火に関する道具は、メンバーが持ってきたノコギリ2本だけでした。焚き木の表面が濡れていても、中心が乾いていれば燃えます。が、ノコギリで薪割りは出来ず。多少装備が重くなるけどナタがあった方がよかったと思います。
沢登りは装備を軽くしなくてはいけないそうですが、ナタくらいはあってもいいんじゃないですかね。特に、焚き木が湿ってそうなときは。
タープは、今回は夜中に雨が降ることが分かっていましたが火の粉で穴が開くのが嫌だという持ち主の意向で、焚き火から離れた場所に一つだけ張りました。
ですが、どうも雨の中で焚き火をする場合はタープで焚き火の上を覆うようです。その時は普段より高く張ったり、熱で傷んでもいいようにロープではなくビニール紐を使ったりするんですって。
今回は火が着かなかったのでどっちにしろ同じなのですが、もし火が着いていても夜中の雨で全てが濡れて、朝の焚き火は再着火出来なかったでしょう(そうならないようにフキの葉っぱなどで覆うという知恵もあるそうですが)。
実は上記リンクのタープが家にはあったし、僕は穴が開いても気にしないので自分のタープを持っていくほうが好きに使えていいなと思いました。
次回、焚き火のために持っていくもの
・ロゴスのファイアーライター
・開いた牛乳パック
・新聞紙
・豆炭3、4個
・ナタ
・タープ
・ビニール紐
こんなに必要ないかも知れませんが、本当に、うっすら濡れた服で焚き火が出来ない夜が寂しくてねぇ。焚き木さえ乾いていれば、またはもうちょっと道具や着火剤があれば、火を付けることが出来たろうと思います。
次回、実践してみてどうだったかは実践編として書きます。さて、次はいつ行こうかな。
※焚き火について
一般ルートを歩く登山では、今どきは焚き火を出来ません。焚き火が可能なテン場も登山の場合はほとんどありません。小川山の廻り目平などは例外です。
沢登りは、増水などで焚き火の痕跡が流されやすいこと、一般登山者の目に触れないこと、水が豊富で山火事に繋がりにくいことから黙認されています。が、国立公園の特別保護地域では禁止です。
焚き火をしていい場所なのか調べた上で、火の後始末などをきちんと行うことをが沢登りで焚き火をする条件となっています。
焚き火以外の失敗
・17時にビバーク準備開始は遅すぎる。先頭を無理やり止めてでも15時には適地で準備を始めるべきだった。二日目の行動が長くなるが早起きすればよい。
・非常用と考えていたので110gのガスしか持っていなかったが、焚き火がない状況では足らなかった。少ないガスを調理で使い切ってしまったのも失敗。ガスを節約すべきだった。
・結局食材がほとんど余った。食担が用意したものを出発時にチェックすべきだった。内容を把握せずに割り振られたものをザックに入れて担いでしまった。必要量の3倍はあった。
・直前まで連絡が来ず、本当に行くのかどうかも分からなかった。沢の経験値が違う(僕らが下)からと思って他人任せにしすぎてしまった。任せてしまった側の失敗。
・メンバーの実力や体力から考えたら、結果的にコースの選定から間違っていた。もっと短い日帰りの沢で敢えて泊まるなどが適切。釜ノ沢東俣は初心者向けと言われているが、普段山を歩いていない人にとっては長過ぎる。長いのでは?と指摘してやめさせるべきだった。
その他にも反省すべき点は沢山ありました(色々めんどくさいので書かない。察してくれ)。本当に、無事に終わってよかった。
わぁい、サポート、あかりサポートだい好きー。