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[書評]バテない登山技術 著:野中径隆

今回紹介するのはコチラ。登山ガイドの野中さんによる「バテない登山技術」です。

歩く技術の重要性

登山の行程のほとんどで僕らは何をしているのかというと、歩いています。走っているという人もいるかも知れませんが、どちらにしても足を使って前に進んでいます。

それだけに「歩く」ことはとても重要なのですが特化した登山技術書はあまりありませんでした。その空白を埋めたのが野中さんの前著「Q&Aでわかる山の快適歩行術」です。

単に「小股でゆっくり歩く」と解説されがちな登山の歩き方について、各人が持つ問題や歩き方のクセなどに基づき、Q&A形式で回答が書かれていました。

山の友人。モンブラン山頂にて。

山でバテないためにはどうしたらいいか?

今回の「バテない登山技術」は歩き方だけでなく、装備や登山靴の選び方、使い方、更に、何を食べてどう出すか(排泄するか)?山で快適に寝るにはどうしたらいいか?まで、長年の登山経験や生理学、スポーツ科学に基づいて解説されています。

山でバテないということは、言うまでもなく安全や登山の継続に寄与します。長く登山を楽しむために必要なことです。

食う、寝る、休む、歩く、その時に使う装備やウェアをどう選び、どう使うか?は、すべて「バテない」に繋がっています。どれも大事で、それらについて有用なノウハウが盛りだくさん。

装備をどう選び、登山までにどのように体を整えるか?つまり準備の話にもページが多く割かれていて、最終章である第8章ではストレッチやトレーニング、山の環境に耐えられるように、著者が普段から注意していることなどが書かれています。登山は登山当日の何か月も前から始まっているのです。

そこまで書く?と思うような細かいノウハウ(例えばトイレのノウハウとか)まで書かれており、独学で登山をしている人にピッタリ。登山ガイドならではの、「人を山に連れて行く際の注意点」なども有用です。

リーダーをやるような方にもおすすめ。体力があるリーダーはつい力技で山に登ってしまいますが、初心者はそうではありません。仲間を正しく安全に導くためにも必要な知識です。

買って読みましょう

細かい内容まで書いてしまうと営業妨害になってしまうので、ここでは詳しく書きません。税込み1870円の本書を読めば分かりやすく図解入りで易しく読めますからね。是非、買って読んでください。

登山をするなら本を読め

僕は、あまりエラそうなことを言えるほど大した登山者ではありませんが、山に出かけると「知らないってすごいな…」って思ってしまうような登山者をよく見かけます。

登山に関する知識の多くは本で学ぶことができます。動画よりも情報の素性がよく(著者の実績や出版社の信用)、自分のペースで読んで勉強できます。

登山をするなら、本を読みましょう。どんどん買ってガンガン読みましょう。

登山ってのは、一生をかけて勉強する意義と価値がある遊びだと思います。奥が深く、果てしなく広いのです。

わぁい、サポート、あかりサポートだい好きー。