やる気を引き出す!日常生活で使えるモチベーション向上術
モチベーションが上がらない作業や役割は、やる気になるそれと比べると何倍も努力が必要ですよね。
他の人は軽々出来ているように見えるのに、どうして自分はやる気が出ないんだろう、と、余計落ち込むことを考えたりもします。
特に日常生活の中でやらざるを得ないものに対するモチベーションが上がらないと、疲労は倍増します。
今回は日常で出来るモチベーションの上げ方、その維持の方法と注意点をご紹介します。
1.そもそも「モチベーション」とは何か
①動機づけの理論
モチベーションとは、心理学では「動機づけ」と呼ぶことが多いです。
動機づけとは、何かの行動を起こすことへ導く心理的なプロセスです。
動機づけと呼ぶとき、大きく2種類に分類されます。
一つは「内発的動機づけ」です。自分自身の心の中から湧き上がる「やりたい」という気持ちに支えられた動機です。自分を充実させることが目的となります。
もう一つは「外発的動機づけ」です。いわゆる「終わった後のご褒美」です。評価や報酬だけでなく、やらなかった場合の罰則も含まれます。罰則を回避するためにやる、という意欲ですね。
どちらかと言うと内発的動機づけのほうが推奨されます。結果や得られる報酬に関わらず取り組むことが出来、外部環境に左右されず維持することが可能だからです。
②興味関心
自分が目の前のタスクに対してどんな興味や関心を持っているか、も、モチベーションに関わってくるでしょう。
例えば「家族の健康」に関心が高ければ、毎日の食事作りに熱心になるでしょう。
好きなスポーツの海外での試合が早朝から中継されるなら、4時でも5時でも早起きするのは吝かではないはずです。
楽しいテーマだけでなく、自分が取り組むことへの意味づけも重要です。使命感とも呼びます。
大人数の会議の進行役は余程慣れていなければ緊張します。出来れば慣れている人に変わって欲しいと思うかもしれません。しかしその会議の主テーマが長年自分が取り組んできた課題であれば、自分が進行することが会社にとって意義があります。司会、という役割ではなく、自分の仕事の一環として前向きに引き受けることが出来るでしょう。
③過去の経験
関心が無いわけではないし、自分がやることが適していると分かっていても、過去の経験から腰が引けたり二の足を踏むこともあります。
逆に必ずしも自分がやらなければいけないタスクではなくても、過去の経験から「是非やりたい!」と内発的動機づけが発動することもあります。
モチベーションが上がらないのは自分のやる気や気合が足らないからだ……、と思い込むことは間違いです。様々な条件や環境が重なった結果ですので、「気合」に直結させることはやめておきましょう。
2.モチベーションを上げるメリット
①無い状態よりも楽に取り組める
内発的にしろ外発的にしろ、モチベーションがある状態で取り組むほうが作業を行うための労力が少なくて済みます。
この場合の労力とは主にメンタルです。
床に落ちているごみを拾ってゴミ箱に捨てるだけでも、自分なりのモチベーションを持って行うのとそうでないのとでは疲労感が全く違います。
②創意工夫が生まれる
特に興味関心が高いタスクに関しては、普段から自分の中に色んな知恵や情報を蓄積しています。そのテーマに関わる作業に取り組む中で、「もっとこうしたらいいのではないか」という創意工夫が生まれやすいです。
内発的動機づけが高い場合は創意工夫をしたこと自体が自分にとってのご褒美になりますが、結果や成果を他者に賞賛されれば、それは自己評価の向上にもつながります。
③自己成長や成功体験
モチベーションを感じながら取り組むことで、コスト(メンタル力、体力、時間など)が少なくて済む、というお話をしました。
ということは、モチベーションが無い状態で渋々取り組むよりも、同じコストで色んな事に取り組めるということです。
作業に対し意欲的に取り組むことは、ただこなすだけではなく「経験」に転化することが出来ます。
経験を積むことは自分自身の成長を促します。
成長を実感出来れば自分に自信を持つことにもつながります。
3.日常生活の中で出来るモチベーションの上げ方 10選
①道具を変える
まずは自分が使う予定の道具を見直しましょう。使いづらいものを使って作業するほど効率の悪いものはありません。そして何が使いやすいかは個人で異なります。
②タイミングを変える
人に頼まれた時にすぐにやらなければいけないわけではないなら、自分のコンディションが整うまで待ちましょう。
③チートデイを活用する
ダイエットをするときに使う「チートデイ」の概念を、モチベーションでも活用しましょう。
チートデイとは「ダイエット中だけどその日だけは好きなものを好きなだけ食べる日」です。
モチベーションも、頑張って上げる日ばかりでは疲れてしまいます。あえて強弱をつけることで、必要な場面でモチベーションを上げることが出来ます。
④周囲の力を借りる
どんなことも自分一人だけで頑張らなければいけないわけではありません。
この場合の周囲の力とは、賞賛、感謝、そして報告です。
やったことに対して褒められたり感謝されれば嬉しいですよね。次も頑張ろうかな、と思えます。
そうでなくても「完了した」ことを報告する相手がいるだけでモチベーションは変化します。固有の誰かがいない場合はSNSだって十分効果があります。
⑤ポモドーロテクニック
ポモドーロテクニックとは、定期的に休憩を挟むことで生産性を高める方法です。よくあるのは25分作業→5分休憩、を繰り返すやり方です。
一気に3時間ぶっ通しで作業しなければ、と考えたら、どんな人でもやる前からうんざりします。そもそも人の集中力はそんなに長時間持続しません。チートデイ同様メリハリをつけることを前提として、ゆるく開始しましょう。
⑥やり方を変える
人から教えてもらったやり方を生真面目に守るだけが仕事ではありません。慣れてきて全体像が見えているなら、自分なりのやり方に変えるのは当然の流れです。
⑦自画自賛する
意外と出来ていないのが「自分で自分を褒める」ことではないでしょうか。自分の欠点を見つけて更に磨き上げるのは確かに謙虚で真摯な姿勢ですが、疲れませんか?
やる気が起きないのに色んな理由を検討して頑張って取り組んだ自分を自分こそが褒めましょう。やりたくないのに取り組んだ、完了したことはすごいことなのです。
⑧こだわりを無くす
モチベーションが上がらない理由の一つに「~でなければならない」という思い込みがあります。
このタスクをやるのは自分以外でなければならない、今やるべきではない、パーフェクトに出来る自信が出来なければやってはいけない、など。
そのこだわりが「やらないこと」以上に本当に大事なものなら別ですが、「やらないための理由」になっていないか、もう一度考えてみましょう。
⑨可視化する
モチベーションを上げるやり方の一つが「ToDoリスト」です。私はこれを毎日活用しています。
その日の作業を開始する前に手帳にスケジュールとタスクを全部書き出します。終わったら一つずつ線を引いて消していきます。
1日が終わった後に全部線が引かれていると大きな達成感があります。それだけでなく、自分がどれくらいの量の仕事をこなせるのか、を確認することにもつながります。
ずっとやりたくなくて後回しにしていた作業も、その日のタスクに入れてしまえばやらざるを得なくなります。
⑩自分の健康状態・体力をアップさせる
モチベーションの基礎になるのは、メンタルややる気だけでなく自分のフィジカル面も含みます。
体調が悪い時には顔を洗うのもしんどいです。逆に体調がいいと色んなことに挑戦したくなりますし、体力があれば集中力も続きます。
4.上がったモチベーションを保つためには
①日記やログをつける
モチベーションは習慣化することで上げやすくなります。
その方法の一つが「日記」です。
先ほどの「可視化」と似ています。自分が1日で何をしたかを書き記すと、意外と色んな事が出来てることに気づきます。
モチベーションは物理的なエネルギーのように使った分無くなるものではありません。逆に上手に活用出来たことで更に湧いてくるものです。
日記には「今日も1日頑張った、明日も頑張ろう」と思える効果があります。
日記が苦手な方は、SNSなどの発信でログをつけるのでもいいでしょう。
②人に話す
日記は「対自分」の傾向が強いですが、それだけだと長期間のモチベーション持続が難しいかもしれません。その時は、自分が何に取り組んでいるのか、を人に聞いてもらいましょう。
人に話すことで、社会的な責任と使命感が生まれます。
やっていることに対するフィードバックがもらえれば励みになります。
「社会的促進」という言葉がありますが、心理的に「誰かが見ている」と思うことで「ちゃんとやろう、頑張ろう」という内発的動機づけにも繋がります。
誰かに話したことで、同じテーマや悩みを持つ仲間と繋がれるかもしれません。
③定期的にやり方を変える
同じことを同じやり方で毎日繰り返すと、必ず飽きてしまいます。飽きれば集中力が低下し、興味を失い、ミスや失敗に繋がります。ミスをして人から指摘されたらモチベーションなど消えて無くなってしまいます。
定期的にやり方を変える工夫をし、飽きを防止しましょう。
やり方を工夫する過程の中でスキルが高まったり、新しい学びを得ることもあるでしょう。
自分が考えたやり方を他の人に伝えることで、その人の作業効率が上がることも期待できます。
やり方を変えるだけでなく、場所を変えるというのも方法の一つです。
5.モチベーションを上げるときの注意点
①すでに今のパフォーマンスで充分である可能性はないか?
すでに出来ることは全部やっていてすべきことが無い中で、「もっと頑張らなければ」と思っても中々モチベーションが上がりません。
到達点や合格点はどこでしょう。すでにもう十分達成している可能性はありませんか?
②あえて下げることでメリハリをつける
先ほどチートデイやポモドーロテクニックの説明でもお伝えしましたが、モチベーションは上げっぱなしにすることは出来ません。
モチベーションが上がってやる気が出ると、実際に頭と体と集中力を使ってタスクに取り組むことになります。モチベーションはこうしたエネルギー消費とセットです。
モチベーションは必要な時に必要なものに対して上げる必要があります。そうでもないことにまで上げる必要はありません。
すぐにやらなくていい、それほど関心がない、自分がやらなくてもいいものでやる気が出ないタスクはあえてスルーすることも必要です。
③ご褒美は緊急時のみ
最初にお話した「動機づけ理論」のうちの「外発的動機づけ」は、取り組み終わった後にもらえるご褒美への欲求を活用したモチベーションの発動方法です。例えば賞賛、感謝、高評価、金品、更には昇格や昇進、権利や権力などもあるでしょう。
内発的動機づけが難しい時には目に見える報酬は非常に有効です。この仕事が終わったら温泉行こう!みたいな予定を立てれば、嫌がる自分のお尻を叩くことも出来ます。
ただし、モチベーションが上がらない理由とのバランスが悪すぎると、「ご褒美」だけ欲しくなってしまい、タスクを遂行する、という本来の目的をすっ飛ばすこともあり得ます。
ご褒美を用意してモチベーションを喚起するのは緊急時のみにしましょう。
6.自分の内発的動機づけを上げる要素を知っておこう
内発的動機づけは自分の興味関心や使命感が根源であるため、外発的動機づけより揺らぎにくく長続きするとされています。可能なら内発的動機づけによってモチベーションを維持したいところです。
そのため、自分の内発的動機づけを上げる要素を把握しておきましょう。
①タスクのサイズ
自分のモチベーションが喚起されるのに丁度良いサイズのタスクはどの程度か、知っておくと便利です。
例えば丸1日かけて取り組まなければいけない物には及び腰になるけれど、半日くらいならやってみようかな、と思えるとしたら、それを条件に相手に交渉したり、逆に半日単位のタスクに自分から立候補することも出来ます。
②協力者、道具
仕事や役割は一人でやるとは限りません。一緒に取り組むメンバーが誰かによってもモチベーションは左右します。
また、何を使ってやるか、という道具も無視できません。
例えば「手書きで宛名を書いて」と言われるとやる気が出ない場合でも、パソコンを使っていい、と言われたらやる気がわいてくるかもしれません。
③何を得られると予想するとモチベーションが上がるか?
この場合の「得られるもの」は物品や他者からの評価ではありません。自分自身の中に生まれる感情です。
達成感、満足化、苦手の克服、自己成長、自己評価、自己効力感、自己肯定感。または純粋に楽しさかもしれません。単純な手作業であれば、差徴している間はマインドフルを実感出来ます。
何を感じられることが自分にとっての「内発的なご褒美」になるのか、を分析してみましょう。
7.まとめ
モチベーションを理解し、それを上げるための方法を実践することは、日常生活や仕事において非常に重要です。内発的動機づけを中心に、興味や関心、使命感を見つけることで、持続的なモチベーションを保つことができます。さらに、適切な道具やタイミングを見極め、周囲のサポートを活用することで、より効率的にタスクをこなすことができます。定期的にやり方を変えたり、健康状態を維持したりすることで、モチベーションを高めることも有効です。
モチベーションを維持するためには、日記やログをつけること、人に話すこと、定期的にやり方を変えることが効果的です。日記やログを通じて自分の進捗を可視化し、達成感を感じることで、モチベーションは持続します。また、人に話すことで社会的な責任感が生まれ、継続的な取り組みが促されます。同じことを繰り返すのではなく、定期的にやり方を変えることで新鮮さを保ち、集中力を維持することができます。
モチベーションの上げ方には多くの方法がありますが、自分に合った方法を見つけることが大切です。内発的動機づけを高めるためには、自分の興味や関心、使命感を把握し、それに基づいてタスクを選ぶことが重要です。また、協力者や道具の選定、達成感や満足感といった感情的な報酬を意識することで、より効果的にモチベーションを高めることができます。モチベーションを維持するためには、自分の取り組みを定期的に見直し、改善することが必要です。
これらの方法を実践することで、より充実した毎日を送ることができるでしょう。
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