マガジンのカバー画像

うつを知って戦わない方法

23
うつ病は、「戦って勝とう」とすると疲弊します。それが自分以外のうつ病相手なら尚更です。 うつ病とは、精神障害とはどんなものかを知り、戦わずに躱す・宥める・共存する方法を知りましょ… もっと読む
運営しているクリエイター

#カウンセリング

家族のうつ病を認めない心理

突然(と感じる)のうつ発症は、本人だけでなく家族にとっても大きな事件です。 薄々様子がおかしいと気づいていても、それが病気だとすんなり受け入れることが出来る人は少ないでしょう。 本人もショックだと思いますが、家族もショックです。 しかし、家族が受け入れることが出来ないでいると、うつ病本人は更に窮地に追い込まれます。 そして、受け入れることが出来ない家族との対立が起こります。 なぜ家族のうつ病を認める・受け入れることが出来ないのでしょうか。 家族の側の心理を考察してみました。

相手に変わって欲しい時の6つの視点

「自分は変えられても相手は変えられない」 というのは、よく聞くと思います。 正確に言うと、「自分も相手も変えるのは難しいけれど、より難しいのは相手を変えること」だと思います。 とはいえ、人間は社会の中で生きているのですから、全ての状況を改善する時にいつでも自在に自分を変えられるわけでもないし、相手が変わるほうが理に適っている場合もあります。 相手に変わって欲しい時、相手の考えや心を変えるのではなく、「変わろう」と思ってもらうことは可能です。 その時に使えるものは、「自分」

うつ病の辛さを理解する

自分がうつ病かどうかも区別が難しいのに、それが自分ではない人のことであればもっとわかりづらいです。 特に、それが「辛さ」であれば尚更でしょう。 よく分からない、のは仕方のないことですが、うつ病への理解を促す書籍や情報が山ほどあるのに、いまだに「うつは甘え、怠け、気合が足らない」という意見が消えないのは悲しいことです。 なぜ理解出来ないのか、理解することのメリット、理解しないことでのデメリットを考えてみました。 1.なぜうつの辛さを理解出来ないのかまずは、うつ病になると極端

「ポジティブに」と言われたら?

落ち込んでいたり、中々解決しない悩みを持ち続けていると辛いですよね。 だからたまには親しい人に辛さを共有してもらいたくなる。 特に解決策を望んでいるわけではない、そう簡単に解決できる問題でもないことは、自分がよく分かっている。 ただ、言葉にして他者に聞いてもらうことで、少しは気がまぎれるかもしれない、紛れればもしかしたら何かいい案が浮かぶかもしれない。 そんな淡い期待を抱きながら、愚痴をこぼす。 そして聞いている側も、色んな事を考えます。 どうして悩んでいるのか経緯も理由も

「頑張れ」以外の声かけをしよう

うつ病に代表される、心の病で苦しんでいる人に「頑張れ」が禁物であることは広く知られています。 頑張って頑張って、それでも辛くて病気にまでなってしまった人がうつ病ですから、「頑張れ」がどれほど酷な言葉かは想像に難くありません。 でも、追い詰めたくて言っているわけではありません。応援したい気持ちがあるからこそ、他に良い言葉が思いつかず、つい「頑張れ」と言ってしまう。 励ましのつもりが相手を苦しめているとしたら、不幸な本末転倒です。 では、どうしたらいいでしょうか? 私からの提案

うつ病の人のペースを見守る

うつ病の人に、どんな声かけをしたらいいでしょうか。 「頑張れ」が禁物なのですから、ここは慎重に考えたほうがいい。 うつ病の人の心は、ヒビが入っているけどなんとか形を保っている薄いグラスのようなもの。 ちょっとした衝撃でバラバラになってしまいます。 この場合の「衝撃」とは、人からの言葉。 人とのコミュニケーションで疲れ果てた結果うつ病になってしまった場合は特にです。 ではどんなスタンスで声を掛ければいいでしょうか。 私からのご提案は、 です。 1.動けなかった人が少し動い

うつかも?→初受診までが難しい<前編>

眠れなかったり、食欲落ちたり、集中力下がったり、趣味が楽しくなくなったり。 もしかして自分はうつなのかも? と思っても、病院へ行こう、とすぐに思い立って行動出来る人は少ないでしょう。 周囲に言われて、「行ったほうがいいのかな」と考え始める人がほとんどかと思います。 結論から申し上げると、自覚症状があるなら病院へ行きましょう。結果としてうつじゃなくても、それはOKなのですから。 1.うつかも、と思ったら受診したほうがいい理由3つ①一番身近なのが病院 メンタルヘルスに悩んだ

うつかも?→初受診までが難しい<後編>

前編では、 1.うつかも、と思ったら受診したほうがいい理由3つ 2.受診しないまま(=未治療)だとどうなるか? についてお話しました。 3.病院へ行こうとしない…家族や周囲はどうすればいい?相手が子どもではないなら、無理やり引き摺って行くことは出来ませんし、本人に治療する意思が無いなら、受診してもあまり効果は期待できません。 しかし家族としては気が気ではない。病院に行けば全てが解決するわけではなくても、専門機関と繋がり、何らかの診断を下してもらえるほうが安心出来ます。 そ

悩み過ぎてしまう悩み

悩み過ぎる・考えすぎる習慣に悩んでいる人は多いと思います。 本来、悩んだり考えたりする思考力は、自分の身を護るために有効なスキルであるはずなのに、やりすぎてしまうことで逆にストレスになってしまうのは皮肉な話です。 過去の経験から学んだ結果、悩み過ぎるようになってしまったのかもしれませんが、それが高じて、常に何か悩んでいる状態が、自分にとっての「常態」になっていませんか? その場合は、悩み過ぎる自分と、少し距離を取ってみてはどうでしょうか。 1.悩み過ぎるとは?<事例>その

健康の0次予防とうつ病対策

1次予防、2次予防はよくご存じだと思います。3次もあります。 1次…病気にならないようにすること 2次…早期発見・早期治療により重篤化を防ぐ 3次…回復後の復帰、リハビリテーション です。 では、0次予防とは何でしょうか。 そしてうつ病に対する0次予防として、出来ることは何でしょうか? 1.0次予防とは具体的には、建築や街づくり対策など。 なので、国、地方自治体、企業などが主体となって取り組むものになります。 2.0次予防と生活はどう関わってくるか0次予防そのもの

うつ家族との休日の過ごし方

うつ病に限らず、誰もが待ち望む休日。 あれもしよう、これもやりたいと思いつつ、うつ病で動けない家族がいたら、普段通りの休日を過ごすのは難しいと思ってしまいます。 だからこそ、気をつけたいのは3つ。 「いつも通り」「自分だけの時間」「何もしない」 です。 「いつも通り」→生活リズム保持で月曜日を憂うつにしない平日と休日では、起きる時間からして普段とは違う人が多いと思います。 ですがここは、許容範囲で平日と同じリズムで過ごしましょう。 同じ時間に起きて、朝ご飯を食べて、着替え

うつ病になったら「腹くくる」

自分や家族、身近な人がうつ病になった時。 経験がなければ(普通無い)慌てます。焦ります。不安になり冷静に考えることが難しくなります。 しかし、緊急事態に一番大事なのは、慌てない、焦らない、冷静になること。 腹をくくることが必要です。 1.なっちゃったものはしょうがない居直りましょう。 乱暴な言い方に聞こえたら申し訳ありません。 しかし、うつ病に限らず病気はなってしまったら後は治療してリハビリして再発予防するしかありません。 病気にならなかった過去には戻らないし、戻らない過去

自分を愛するということ

自分を大切にし、自分を愛する、ということは、厳しい社会を生きていく上で必須のスキルです。 それなのに何故か誰もその重要さと方法を教えてくれません。 「自分に厳しく」は、小さい頃から親や先生から教えられます。自分を律することが尊重される文化なので当然かもしれません。 だからなのか、その対極にあるように見える「自分を愛する」という考え方には、あまり良いイメージがありません。 自分を愛する、とはどういうことでしょうか。 それは、「ありのままの自分に“OK”と言う」ことではないで

自分を愛する方法

前回の「自分を愛するということ」で、 『自分を愛する方法は誰も教えてくれない』と書きました。 例えば学科の授業のように教科書があって教えてくれることはありません(道徳の授業はあるのに)。 では、どこで覚えていくのでしょうか。 それは、家族ですね。 ただ、最近耳にする「毒親」「親ガチャ」という言葉に表されるように、誰もが親から「愛し方・愛され方」を正しく学べるとは限りません。 自分を愛する方法は後から学ぶことは出来ます。 その最大の教科書は、「自分」です。 1.幼少期の親