マガジンのカバー画像

うつを知って戦わない方法

23
うつ病は、「戦って勝とう」とすると疲弊します。それが自分以外のうつ病相手なら尚更です。 うつ病とは、精神障害とはどんなものかを知り、戦わずに躱す・宥める・共存する方法を知りましょ…
運営しているクリエイター

記事一覧

効果的なメンタル不調サポート

~当事者の要望と周囲の役割~ 周囲、特に家族や職場にメンタルが不調そうに見える人がいると、心配だし気になります。 しかし具体的に自分に何が出来るのかが分からず悩んでしまい、何も出来ないまま時間だけが経ってしまうことが多いでしょう。 メンタル不調を来たしている人は、周囲に何を期待しているのでしょうか。それを知ることで自分の役割が分かってきます。 メンタル不調の人との接し方、家族や職場関係者に出来ることについてまとめました。 1.メンタル不調当事者の要望どんな症状か、元々どう

自己評価が低いパートナーとの付き合い方

~メンタルを守りながら築く健全なパートナーシップ~ 自己評価の低い人をパートナーに持つと、自分自身の存在意義、自分がパートナーであることの意味も分からなく、寂しくなります。 私もずっと悩み続けました。夫が「自分には価値がない」と考えるなら、妻の私にも価値がないのでは、と。 しかしながらその発想自体が害だったのです。夫の自己評価と私自身は関係がない、と気づけてから楽になれました。 相手の自己評価の低さをケアしつつ、自分の自己評価も守ることでパートナーシップを築くことが出来ます

【キャリア構築】ライフキャリアとライフロール

うつ病や怪我、その他何かしらの突発的な要素で、ずっと想定してきた人生計画を変えざるを得なくなることがあります。 病気が理由だと、元の生活や計画に戻ることだけを目指してしまいがちですが、本当にそれしか道はないのでしょうか。 ライフキャリアとライフロールという概念を元に、人生の再構築を考えてみました。 1.ライフキャリアとはキャリア、と一口に言うと、大学卒業後の進路とか、会社に就職した後にどんなポストに就くか、等が代表的です。 しかし、人生は仕事だけではありません。色んな事

うつ療養中の過ごし方 ①回復までの変化と必要条件

うつ病から回復するためには、療養中をどう過ごすか、がポイントになるのは皆さまご存知の通りです。 では、実際にはどう過ごせばいいのか、どんな生活になるのか、など、疑問も多いと思います。 今回は、自分の経験も含めて、 うつ発病⇒回復までの変化 何が必要か(うつ病本人にとって) 家族が出来ること セオリー通り進まないのがうつ療養の現実 セオリーから外れた時はどう対処したらいいか 家族の方に覚えておいていただきたい5か条 Q&A を、3回にわたって考えてみたいと思い

不安との付き合い方

不安な気持ちは、出来ることなら感じたくないですよね。 だから、不安な気持ちになりそうな要素からも遠ざかろうとします。 不安や恐怖は危険から身を守るための重要なサインなのですが、つい行き過ぎてしまって、サインそのものがストレスを強めてしまいがちです。 不安との付き合い方。それは、「無視しても消えないのだから、あることを受け容れる」です。 1.不安な気持ちを受け容れろ、とは言うけれど…多くの書籍で「不安な気持ちも受け容れよう」と言われています。 恐らくそれは、不安を避けよう、

家族のうつ病を認めない心理

突然(と感じる)のうつ発症は、本人だけでなく家族にとっても大きな事件です。 薄々様子がおかしいと気づいていても、それが病気だとすんなり受け入れることが出来る人は少ないでしょう。 本人もショックだと思いますが、家族もショックです。 しかし、家族が受け入れることが出来ないでいると、うつ病本人は更に窮地に追い込まれます。 そして、受け入れることが出来ない家族との対立が起こります。 なぜ家族のうつ病を認める・受け入れることが出来ないのでしょうか。 家族の側の心理を考察してみました。

相手に変わって欲しい時の6つの視点

「自分は変えられても相手は変えられない」 というのは、よく聞くと思います。 正確に言うと、「自分も相手も変えるのは難しいけれど、より難しいのは相手を変えること」だと思います。 とはいえ、人間は社会の中で生きているのですから、全ての状況を改善する時にいつでも自在に自分を変えられるわけでもないし、相手が変わるほうが理に適っている場合もあります。 相手に変わって欲しい時、相手の考えや心を変えるのではなく、「変わろう」と思ってもらうことは可能です。 その時に使えるものは、「自分」

うつ病の辛さを理解する

自分がうつ病かどうかも区別が難しいのに、それが自分ではない人のことであればもっとわかりづらいです。 特に、それが「辛さ」であれば尚更でしょう。 よく分からない、のは仕方のないことですが、うつ病への理解を促す書籍や情報が山ほどあるのに、いまだに「うつは甘え、怠け、気合が足らない」という意見が消えないのは悲しいことです。 なぜ理解出来ないのか、理解することのメリット、理解しないことでのデメリットを考えてみました。 1.なぜうつの辛さを理解出来ないのかまずは、うつ病になると極端

「ポジティブに」と言われたら?

落ち込んでいたり、中々解決しない悩みを持ち続けていると辛いですよね。 だからたまには親しい人に辛さを共有してもらいたくなる。 特に解決策を望んでいるわけではない、そう簡単に解決できる問題でもないことは、自分がよく分かっている。 ただ、言葉にして他者に聞いてもらうことで、少しは気がまぎれるかもしれない、紛れればもしかしたら何かいい案が浮かぶかもしれない。 そんな淡い期待を抱きながら、愚痴をこぼす。 そして聞いている側も、色んな事を考えます。 どうして悩んでいるのか経緯も理由も

「頑張れ」以外の声かけをしよう

うつ病に代表される、心の病で苦しんでいる人に「頑張れ」が禁物であることは広く知られています。 頑張って頑張って、それでも辛くて病気にまでなってしまった人がうつ病ですから、「頑張れ」がどれほど酷な言葉かは想像に難くありません。 でも、追い詰めたくて言っているわけではありません。応援したい気持ちがあるからこそ、他に良い言葉が思いつかず、つい「頑張れ」と言ってしまう。 励ましのつもりが相手を苦しめているとしたら、不幸な本末転倒です。 では、どうしたらいいでしょうか? 私からの提案

うつ病の人のペースを見守る

うつ病の人に、どんな声かけをしたらいいでしょうか。 「頑張れ」が禁物なのですから、ここは慎重に考えたほうがいい。 うつ病の人の心は、ヒビが入っているけどなんとか形を保っている薄いグラスのようなもの。 ちょっとした衝撃でバラバラになってしまいます。 この場合の「衝撃」とは、人からの言葉。 人とのコミュニケーションで疲れ果てた結果うつ病になってしまった場合は特にです。 ではどんなスタンスで声を掛ければいいでしょうか。 私からのご提案は、 です。 1.動けなかった人が少し動い

うつかも?→初受診までが難しい<前編>

眠れなかったり、食欲落ちたり、集中力下がったり、趣味が楽しくなくなったり。 もしかして自分はうつなのかも? と思っても、病院へ行こう、とすぐに思い立って行動出来る人は少ないでしょう。 周囲に言われて、「行ったほうがいいのかな」と考え始める人がほとんどかと思います。 結論から申し上げると、自覚症状があるなら病院へ行きましょう。結果としてうつじゃなくても、それはOKなのですから。 1.うつかも、と思ったら受診したほうがいい理由3つ①一番身近なのが病院 メンタルヘルスに悩んだ

うつかも?→初受診までが難しい<後編>

前編では、 1.うつかも、と思ったら受診したほうがいい理由3つ 2.受診しないまま(=未治療)だとどうなるか? についてお話しました。 3.病院へ行こうとしない…家族や周囲はどうすればいい?相手が子どもではないなら、無理やり引き摺って行くことは出来ませんし、本人に治療する意思が無いなら、受診してもあまり効果は期待できません。 しかし家族としては気が気ではない。病院に行けば全てが解決するわけではなくても、専門機関と繋がり、何らかの診断を下してもらえるほうが安心出来ます。 そ

悩み過ぎてしまう悩み

悩み過ぎる・考えすぎる習慣に悩んでいる人は多いと思います。 本来、悩んだり考えたりする思考力は、自分の身を護るために有効なスキルであるはずなのに、やりすぎてしまうことで逆にストレスになってしまうのは皮肉な話です。 過去の経験から学んだ結果、悩み過ぎるようになってしまったのかもしれませんが、それが高じて、常に何か悩んでいる状態が、自分にとっての「常態」になっていませんか? その場合は、悩み過ぎる自分と、少し距離を取ってみてはどうでしょうか。 1.悩み過ぎるとは?<事例>その