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【デザインの地平線:出演者紹介】藤本 "ANI" 健太郎(グラフィックデザイナー)

世の中の彼方に行き着いたデザインを識者と見つめる新提案トークライブ『デザインの地平線』。このイベントに解説者としてお招きしたのは、グラフィックデザイナーの藤本 "ANI" 健太郎さんです。

藤本 "ANI" 健太郎
1973年北海道生まれ。グラフィックデザイナー。日本工学院専門学校デザイン科卒業後、デザインチーム“Nendo Graphixxx”やインディーズTシャツブランド展開などのアンダーグラウンド活動を続けながら、デザインプロダクションSPICE Inc.に勤務。1995年、富士通株式会社による日本初のウェブマガジン『teleparc』プロジェクトにデザイナーとして参加。その後ミュージックチャンネル『MTV Japan』でのアートディレクター、デザイナーなどの職を経て、2003年からフリーランス。

引用:BOOK著者紹介情報

グラフィックデザイナーとしての肩書を持つ藤本“ANI”さんですが、この『デザインの地平線』のイベント情報を目にしたり、少しでも関心を持ってこの記事に辿り着いた方にとっては、もしかすると書籍『タイポさんぽ』の著者として、お名前をご存知の方が多いかも知れません。

いわゆるレトロ看板や手描きサインは、ここ数年のSNSを中心とする“路上観察ブーム”で改めて再評価をされている機運を感じます。藤本さんのこれらの著書は、デザイナー的視点から独自に収集/編集された内容はもちろん、そうした視点や遊びを「タイポさんぽ」と命名したという点で、まさにブームに火を付けた先駆け的な名著であると思っています。

また、こうして取り上げられた看板/サインは、昨今のデジタル大量生産の現場では産み出しにくい、手作りや時間経過が醸し出す侘び寂びの良さがありますが、その味わいを極めてデジタル的なアプローチで再現しているのも、藤本さんの最近の活動のひとつ。タイポさんぽ的な視点のタイポグラフィを、独自の解釈で再構築し、ステッカーやアパレル、ファブリック素材として各WEBサービスでリリースされています。

誰もが目にしていながら思わず見逃しがちなモチーフを、空気感すらサンプリングしているような緻密さで再現。また極めて同時代・同地域性を持った観測範囲から感じる、間違いない視線の角度や地に足の付き方は、まさにガワラ立ちをカトキ立ちにリファインしたような、違和感のないアップデート具合。

言うまでもなく、藤本さんのこうした視点や活動こそ、主催者である春山よりも先に、彼方の地平を見つめていた「デザインの地平線」の観察者であると勝手に断言!今回は「ご意見番」として登壇をご依頼しました。

実際の話、どうしてもアカデミックになりすぎてしまう「デザイン」という言葉と、どこか『VOW』的な「ツッコミ目線」ばかりになりがちな路上観察系の話題を、実践者/技術者としてちょうどいい湯加減でお話してもらえそうな方というのは、非常〜に稀有な存在だと思っています。きっとこれまでにない「デザイン的な視点と感性」を獲得して頂けることでしょう。

ちなみに、主催者の春山にとっての藤本さんは、90〜00年代の吉祥寺『shop33』を中心としたインディーズテクノシーンにおいて、極めて重要だったデザイナー集団「Nendo Graphixxx」の“Nendo ANI”をはじめ、その後のお仕事も極めて近くて遠い存在として、大変影響を受けまくっておりました。近い界隈で同じライン上を走る先駆者(4WD)と、勝手に後追いをする後続者(チョロQ)ですが、改めて今回お会いするのを非常〜に楽しみにしています。



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