海外で戦うすべての日本人へ Emily in Paris

Emily in Parisというネットフリックスオリジナルのドラマがある。

主人公のエミリーが働く会社がフランスはパリの会社を買収したのでエミリーがその買収先の会社へ単身乗り込み悪戦苦闘する物語だ。

Emilyがぶつかる問題のほとんどが米仏二国間の文化的な隔たりに起因するもので、自国の文化や言語にプライドを持っているフランス人は本当に一筋縄ではいかない。

フランスのメンバーはEmilyがフランス語をまったく話せないことや、アメリカ流のビジネスの考えを押し付けてくることにことあるごとに反発し、Emilyもイライラが募る。

フランスのあるメンバーの「君はこの会社で多くのことを学べるだろう、だが私たちは、君から学べることはあるかな?」という台詞にはぼく自身も大きく唸らされた。

Emilyは最初は馴染めなかったフランス文化にも徐々に適応していっているし、社内でつまはじきにされても持ち前の行動力や人間性で周囲を味方に引き込んでいくが、彼女のようなケースは相当のレアケースで、多くの海外赴任者は異文化を理解、あるいは適応できずに任期を終えるのが関の山だろう。

ぼくが働くベトナムでは日本語を話すベトナム人スタッフは数多くいる。大手企業では通訳専門のスタッフもいるくらいで、基本的に英語は話せなくともなんとかなる。

幸い、ベトナムは日本に対して良い感情を持っている(らしい)。Emily in Parisの作中の主人公のようにあらかさまにバカにされたりはせず、ある程度敬意を持って接してもらうことができる。

とはいえ、「お前は日本人だというだけでここにいるだけか?」「お前はこの会社でどう貢献できるんだ?」「お前はなぜ俺たちよりも高い給与をもらうことができるんだ?」

海外で戦う日本人はベトナム人から常にそういった目で見られていることを忘れないでおこうと思わせられた、とても良いドラマだった。シーズン2が本当に待ち遠しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?