雑記 日本人と季節

年末年始をシンガポールで過ごしました。駐在として。

妻が「半袖でクリスマスだね」と言っていました。
ハノイにも以前いましたが、ハノイは辛うじて冬が来るので、確かにこの季節は長袖着てたりします。
そう思うと、半袖でこの季節を過ごすのは初めてかもしれません。

あまり意識していなかったですが、
季節の変わり目が無いために、一年がフラットに過ぎていきます。
今まで日本で当たり前だった、「新しい年を迎える」という感覚がどうも鈍っています。
もっとワクワクしていた気がします。

思えば、日本では割とちゃんと年末年始を迎えていました。
祖父母宅へ行き、餅つきをし、年越しそばを食べ、
年を越えたらその足で近所へ初詣。
寒い中、町内会が出すおでんやお神酒で体を温め、
神さまへ昨年のお礼と、新年の祈願をする。
おせちや雑煮も食べますし、親戚回りも。

どうも、シンガポールではやる気が出ません。。
おせちも、新年の祈願というより、インスタで映えてる人たちを見るに留まり、「ああ、ここまでやるのは無理だなぁ」なんて思ってしまいます。

何もしなくても年が過ぎていくからなのかなと思いました。

時間は当たり前に流れていきますが、でも、
「四季がある」というのは結構特別な事で、でも、
そんな国の中では、どんな人にも、季節に合わせた設え(しつらえ)が当たり前のようにあると思います。
衣替えや、コタツの出し入れといった模様替えなど。

そもそもそれらは年中行事というより、生きるための術で、ちゃんと季節に合わせないと、暑くてたまらなかったり、凍えてしまったり、食料が無くて飢えたりします。
やらないと死んでしまう。

一方で、年中温暖な地域は、比較的生存しやすい。
良くも悪くも、そこまでせずとも生きられてしまう。

長い歴史の中で、生存術が「季節(節句)を迎える」「年を迎える」といった年中行事として、文化として昇華したのでしょう。

ふと半袖で外に出ていて「そういえば1月だったな…」と、急に四季が恋しくなって、そんなことを考えました。
やはり自分は日本人なのだなと思いました。

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