上善如水 ~上昇志向の呪い~
どうもこんにちは。
YouTubeで落語をやってるVtuber、けぇてんと申します。
この記事は弱者男性である私けぇてんが感じるこの世の生きにくさと
それでもラクに生きていたいと足掻いて学んだ先人の知恵をまとめたものです。
1 上善如水
『上善は水の若し。水は善く万物を利して争わず。衆人の悪む所に処る』
上の言葉は古代中国の思想家『老子』の言葉だ。
「最高の人生とは水のように生きることだ。
水は全ての物に恵みを与えながらも、それを主張することはない。
他と争わず器に従って形を変え、自らは低い位置に身を置く」
山に降った雨水は地下を通り湧きいでて渓流を成す。
とめどなく流れ落ちる水は何本もの支流から本流である河川へ行きつき
そして最後は大海へとたどり着く。
『大国は下流なり』『無為自然』
老子の思想はフッと肩の力が抜けるような優しさに溢れている。
2 人生はなんで上らなきゃいけないの?
我々現代人はとにかく上に行きたがる。
『誰よりも資産を持ちたい』
『誰よりも地位を得たい』
『誰よりも教養を知っていたい』
SNS時代になってからは
『誰よりもフォロワーが欲しい』
『誰よりも共感してほしい』
『誰よりも注目されたい』
果てなき欲の頂に、駆られて駆けて掻きたてられて。兵どもが夢のあと。
そんな生き方で幸福なのか? 一度自問するべきだろう。
「自分は自分の意志で、好きで上に行きたいんだ。ほっとけ」
そんな方もいるだろう。まぁ他人の人生なんでどうなっても構わないが
『その上昇志向は自分の意志か、それとも世間からの同僚圧力か」ぐらいは
ちゃんと考えて答え出さないと生きるのしんどいぞ。
3 わざわざ戦場に身を置かなくても
『勝たなきゃ誰かの養分・・・』
カイジに出てくる有名なセリフである。
『勝つことが全てだ・・・勝たなきゃゴミ』
利根川も似たようなことを言っている。
まるで戦争の考え方だ。誰かを殺さなければ自分が死ぬ。
勝利のためなら多少の犠牲もやむなし。
勝つことだけが至上の正義、負けることは許されない。
我々がまずするべきことは
『戦場で誰も彼も倒して勝ち上がること』ではなく
『一刻も早くそんな戦場から身を引いて安全を確保する』ことだろう。
リングの上にいるヘヴィー級ボクサーに
「俺と勝負しない奴はゴミ」「勝たなきゃ誰かの養分」と挑発されて
ノコノコとリングに上るから負けるのだ。
「あぁ、そうっすか」とさっさとそこから離れればいいだけ。
勝負しなければ敗者にもならない。簡単なことだ。
余談だが、満員電車に乗るストレスは戦場の兵士以上らしい。
4 勝負から降りて気づいたこと
現在私は適応障害とうつ病を患い
傷病手当金をもらいながら実家で無職をしている。
『30過ぎの実家暮らし子供部屋無職おじさん。家庭も資産もスキルもない底辺落語Vtuber』と社会のリングに上がればワンパンKOされるような人間である。
それでも人間は、生きていける。
幸運なことに実家の家族とはそれなりに仲が良いし
病気に対しても理解がある。
社会福祉に繋がる程度には頭がはたらくことも幸いなことだろう。
今の暮らしに不満も不自由さも感じていない。
何だったら、働いていた時の方が荒んだ生活を送っていたぐらいだ。
その山の頂には何がありますか? 花は咲いていますか?
狭く荒涼とした岩肌に立った気分はいかがですか?
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