20歳高卒自衛官が大学を受験する話 試験本番編(PART4)


皆さまお疲れ様です。本日は3月20日。もうあと10日ちょいで私は自衛隊員ではなくなります。もう業務はすべて終え、いまではひたすら年次休暇(有給)を消化するという作業中です。これは社会人から学生に戻る人にしかわからないことだとおもいますが、労働からの解放というのはなかなか素晴らしいものです。一気に肩の荷が下りました。これからは一時的ではありますが、組織のためではなく、個人のために、自分のために生きることができるわけです。まああと数年すれば再び社会という荒波に嫌でも放り出されてしまうわけですが、、、これは次の社会人生活までの執行猶予という風に考えて、この学生としての期間はやりたいことをとことんやりつくそうと思っています。一旦社会に出たからわかるこの学生の身分の貴重さ、、絶対に私は無駄にはしません。

さて、本題は大学受験の話です。ようやく前のPARTでは試験前日までたどりつきました。てか今思えば受験を決意したきっかけとか、何なら俺が高3の時のこととかから、もっと遡って書き始めればよかった。まあまたもう一度書き起こし直そうかなあと思っています。

そして迎えた受験前日。もともと実家と関学が結構近いので、一旦実家に戻ってそこから自転車で受験会場まで赴く予定でした。しかし、あろうことか自転車がパンクしている。というよりもそこまで駐屯地から関学も離れていない。わざわざ実家に帰る必要もなかったので、もう実家に帰るのはやめました。久々に仲良くしていた同期3人と風呂に行き、コンビニへ行きました。2月3日。世間は節分気分です。自衛隊の駐屯地内で唯一外界とつながっているコンビニも節分っぽく彩られていました。コンビニで自衛官があることといえば「ジュージャン」(じゃんけんで負けた人がジュースを全員分おごるというものです。そしてそれは時よりジュースじゃない場合もあります。その場合もジュージャンと呼ぶのかどうかは僕は知りません)です。
1300円くらいの高級恵方巻をかけて同期3人でじゃんけんが催されました。まあこういうことを書いてるということは、負けたんです僕が。4000円くらい吹っ飛んでいきました。

ちょっとした不運。こういうのって大きな運を掴み取る予兆じゃないですか??何の根拠もない事ですが、個人的に「人間の運は結局最終的に±0になるように上手く調整されてる」という持論を持っておりまして、もしかしたら明日の試験もうまくいくのではないだろうか??というようなくだらない希望的観測をしながら南南東のやや南を向きながら恵方巻にかぶりつきました。めちゃめちゃおいしかったです。

まあ少しだけ息抜きもできリラックスもできた試験前日。よし、明日の試験頑張ろうと消灯ラッパのメロデイを聞きながら、目を閉じました。が、気づいてしまった。


あれ、、、寝れない。



そうです。前回のPARTにも書きましたが、その日半休(昼から休み)をもらっており、昼寝をしてしまっていたのです。

しかしながら、そこまで僕の人生経験は浅くありません。これまで20年間様々な方法を使い自分を睡眠に落とし込んできました。僕の寝れない時の対処法。第一弾


オナヌーをする


これが一番です。有り余った体力を気持ちよく短時間で消費する方法。これしかありません。一番コスパのいいやり方です。あ、もしかするとこの拙い文章を読んでくれている方々の中にも、一つ疑問に思われている方もいるかもしれません。普段から共同生活を行っている自衛隊員っていったいどうやって性欲処理をしているのだろうか。さあみなさん当ててみてください。トイレにでも行ってやってるの??いいえ。違います。そんなことをしてしまってはオナぬーした後に気持ちよく寝落ちなどできません。
正解は布団にくるまってばれないようにゆっくりしこしこするです。自衛隊に入っての最大の課題は性欲処理でした。入隊したての時、オナぬーできなさ過ぎて夢精したこともあります。やはりどうにか処理しないとえらい目に合うのです。自衛官の性犯罪が多い理由もなんとなくわかるでしょう。
その中で身に着けた力技がこれです。一回じゃ効かなかったので二回くらいやりました。よし、、これで大丈夫、、寝れる、、寝れる、、、寝れる、、、、、、、、、、、、、、寝れない、、いや、、俺は、、寝る、、こんな戦いが朝の3時4時くらいまで続きました。結局あまりおナヌーは意味を成しませんでした。そんなことだったら単語帳でも眺めとけばよかった、、、


翌朝。2月4日(土)起床ラッパとともに朝6時に目が覚めた私は、あまりにも不快すぎる目覚めだったのでもう一度目を閉じ、7時30分くらいまで二度寝することにしました。最悪のコンディションの中阪急電車に乗り、甲東園を目指しました。電車の中では単語帳を開いた高校生がたくさん、、、全員2個下か、、と思うとなんだか不思議な気分でしたが、中には一人必死に単語帳を見て勉強している中年男性が一人、、「ああ、同じ異端者どうし頑張ろうなあ、、」と勝手に健闘を誓い合いました。もっと社会人から大学に行く人増えてほしいなあと思います個人的に。ただ夏模試を受けた時に比べたらみんな高校生も大人っぽく見えました。受験勉強という洗礼を受けたからでしょうか、、


さて、山道を通りぬけ、あの想像を絶するくらいきれいな時計台が見えてきました。いよいよ受験本番です。ああ今頃僕と同い年くらいの大学生たちはこんなきれいなキャンパスで青春を送っているのか、と思うとなんだか鬱になりそうでした。


関学の入試会場

ただそんなものより俺の泥にまみれた匍匐前進の青春のほうがかっこいいに決まってる。俺にはドブネズミのみたいな写真やテレビには映らない美しさがあるんだ!!とそんな意味の分からんことを自分に言い聞かせ、何が何でも今年受かってやる!!と自分を震え立たせました。大きな音を立てて受験会場にベルが鳴り響きました。

まず最初は国語。正直なところあまり現代文の対策があまりできていなかったので少し心配でしたが、幸いなことに国語はかなり易化しており、まあまあな手ごたえをつかめました。まあ受験における「手ごたえ」ほどあてにならないものはありませんが、、そこで昼休憩。 

周りを見るとほぼみんな親が作ってくれたであろう「弁当」を食べており、僕はその中、行くまでの道中にコンビニで適当に買ったサンドウィッチとおにぎりを食べました。そして、ふと、となりの女子高生らしい人の受験票をみてみると、関学の一般入試日程をすべて受験しているのです。おそらく関学だけで少なくとも20万以上吹き飛んでいるに違いありません。それか塾代、、その他併願校の受験料等も考えると、、、恐ろしすぎる、、ああ、、大学受験というのは本当に金のかかるもんなんだなあと、、、この世界の闇をみたような気がしました。まあそれだけ大卒という学歴には価値があるということです。そしてそれだけの金を出せる子供のために出してあげられる彼ら彼女らの親というのは本当に偉大なんだなあと思いました。俺も親を頼れるだけ頼ったほうがよかったかもしれない。そういえば親にも今日受験があることすら伝えていなかった、、親のスネはかじれる時にかじっといたほうがいいなあと思いました。これからかじれるだけかじってやろうと思います。


さあ、再び大きな音でベルが鳴り響きました。次は英語です。
まずは文法問題と会話問題から。そこまで難易度は過去問と変わりません。最初はいつも過去問を解いているときと同じように落ち着いて解くことができました。ただ、長文。これがめちゃめちゃ難しかった。これに付随して寝不足で頭が回らないというのもあって、何度も何度も読み直しました。徐々に時間が過ぎていく、、、そういえば過去問演習をしている時もあまり時間を測って問題を解くという対策をしていなかった、、必死に焦りをこらえながら必死に深呼吸をし、選択肢を選びました。関学の英語において出題される長文問題は大問3問。大問2までは何とか時間内に解くことができましたが、最後の大問3を残した時すでに時間は残り約10分。もう気合と勘で乗り切りました。何とか時間ぎりぎりに解き終わり最後の問題のマークが終わった瞬間、受験終了のベルが鳴り響きました。


高校生の集団に混ざり関学から甲東園駅へ向かいました。思い返せばいろんな悔いが出てきます。せめて電車での移動間。単語帳を見るなりして英語の準備体操を行っておけばよかった、昨日昼寝などせずしっかり勉強しておけばよかった、などなど、、まあそんなことを思いながらふと駅で電車を待っていると我が母校の制服を着た高校生が目の前を通り過ぎました。ふと目があいました。もちろん全く見覚えはありません。ただ、ふと高3の時のこと のことが一気に思い出されました。クラス全体が受験モードに包まれていて、みんなお互いを励ましあい、先生も親身になって相談に乗ってくれるという本当に受験勉強に適した環境だったなあと思います。僕はその中いったい何をしていたのでしょうか。就職するのは僕くらいで完全に蚊帳の外でした。正直それはそれでかなりしんどかった記憶があります。ただ当時はどうしても自衛隊に入りたくて、全くといっていいほど大学に行きたいという気持ちが沸いてこなかったのです。ただあの受験モードになっている環境の中で何も勉強をしない。というのに耐えられなかったので、一応防衛大学は受けました。あっけなく落ちましたが、、、でもその時勉強した貯金は今回の受験の時大いに役立ちました。なんだかんだ言って受けてよかったです。防大の受験料タダですし、、、

正直なところ、全体的な手ごたえはあまりありませんでしたが、思いのほかこの一カ月弱詰め込んだだけでもかなり学力は向上したので、来年受験するときはもう少しレベルの高い大学を目指してみてもいいかなあとふと思いました。ようし、気を取り直してもう一年頑張るか。と、実家に少しだけ戻りました。その時初めて今日受験だったということを伝えると親もびっくりしていました。


さあ結果はどうなるのでしょうか。

続きはpart5へ、、、



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