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Buenos Aires の街をゆく。  -勢いで決めたアパート-

最初に住んだ場所は、San Telmo地区。
ブエノス市内では、古い建物が数多く残る地区だ。

何にも考えていなかった。
タンゴ以外のことはなーんにも。


タンゴをもっと踊れるようになりたい。
そんな想いだけで約半年のブエノスタンゴ修行を思い立ち、この地に来てしまった。あまり皆にはオススメできない無計画な渡航だったが、当時の私はそんなことにも気付いていない、ある意味幸せな、ある意味かなりなおバカさんであった。

そんな私が最初に住むことになった場所は、日本で当時レッスンを受けていた先生から紹介されたシェアアハウスだった。ここのオーナーと知り合いだったらしい。
当時私は住む場所をどうやって探したらよいのかわからず、ブエノス長期滞在経験のある先生に聞いた。知り合いのシェアハウスを知っているから良かったら紹介するわよ、の一言に即決。
写真も、値段も、場所も全く気にせず、即決。
後々、思い出すと結構恐ろしいことをしたな、と思う。

こちらに居ると、たまに長期・短期滞在希望の女の子達からアパートの紹介の依頼がある。彼女達は、必ず写真や、場所、安全性、価格を聞いてくる。いや、全く当たり前な話だ。当たり前すぎる話なのだが、そのたびに当時の自分の無計画というか無頓着ぶりを思い出すはめになるのだった。

幸いなことに、紹介されたところはとても清潔で美しい、古い建物だった。

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[玄関を開けるとすぐに吹き抜けの空間が広がっていて、各個人の部屋へと繋がっている]


実際の入居は、ブエノスに到着してから一か月後となった。というのも、私がブエノスに到着した6月、アパートのオーナーはバケーション中とかでアパートに居ないので、カギが渡せないとのこと。一か月渡航を伸ばせないか、という連絡がまだ私が日本にいる時に来たのだが、何故か出発日は6月10日にこだわっていて、7月にはしたくなかった。(これは後々大きな意味を持つのだが、それはまた別の機会に書きたいと思う)

7月まで一か月間住む場所がない、を解決してくれたのは、インターネットで知った日本人タンゴダンサーのご夫婦が経営する宿泊先だった。またもや速攻で宿泊希望のメールを送り、無事に宿を獲得。場所や写真の確認はやっぱり忘れていた。


この日本人ご夫婦の宿と、San Telmo のアパートはどちらもシェアハウス。
日本では最近少しずつ知られるようになったこのシェアハウス、ブエノスではかなり一般的な宿泊先の一つである。値段もアパートを借りるよりもお値打ちなことから、私のように長期で滞在する者にとってはありがたい場所であった。

キッチン、シャワー、トイレ。
何をシェアするのかはそれぞれシェアハウスによって違う。私の住んだところは、キッチンとテラス、リビングを皆で共有した。各個人は一部屋を個人のスペースとして賃貸し、そこにはプライベートシャワーとトイレが付いてる形式。さすがにシャワーとトイレも複数人で共有、となると長期滞在では疲れてしまうからちょうど良い構造をしていた。綺麗好きなオーナーも、この家の一部屋に住んでいたので、いつも掃除されていたのも居心地が良かった理由の一つ。


私の場合は、本当に幸いなことにこのシェアハウスでは、トラブルというトラブルはほぼなかったが、ここブエノスではアパートに関するトラブルは非常に多い。水が急に出なくなる、トイレから水が溢れて来る、キッチンの排水から水が逆流してくる、ガスが突然使えなくなる、雨漏り、等。

事前に確認しておいても、これらのトラブルは実際に住んでみなければ分からない部分も多い。しかし、ブエノスに滞在する方にはやはり事前に確認できることは全てしておくことをお勧めする。


改めて、当時はタンゴが踊れさえすればなんでも良かった、と言うかタンゴ以外に興味が全くなかったのだな、と思う。
同時にそれだけの勢いがあったから、今ここまでやってこれたのかもしれない、とも思う。

そして、まさかこのアパートに3年半も住むことになるとは、この時は夢にも思っていなかった。

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[部屋から廊下を眺める。隣はオーナーの住む部屋で、彼女のネコ達がいつも遊びにやって来る]


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ちなみに、今住んでいるアパートも、引っ越し当日に玄関のドアの取手が外れてしまうハプニングが。現在cuarentena で外出禁止令が出ているので、修理を頼めません。
今現在、玄関のドアは鍵穴に鍵をさして、引っかけて開閉しています。慣れれば意外と不便はありません。

住み始めればこれらのトラブルも次第に日常の一つとなっていく…のは間違いないです。

読んで下さり、ありがとうございます。 サポート、とても嬉しいです。ありがとうございます。