何かが狂っている

どうしてこうなった・・・
ゴミ処理場のバカでかい煙突を見上げて呆然としていた。

前回余談で書いたように、腰と肋骨と頭をガッツリやられてしまった俺は只今絶賛リハビリ中だ。
俺のリハビリはとにかく酒を飲んで歩くこと。

つまりいつものような生活だ。

顔の傷はほぼほぼ治った。頭の中も無事だ。
目の横が恐らく骨折しているのでまだ腫れと目線のブレがあるが、普通の生活する分には支障はない。
それよりも腿の付け根と後ろから蹴られた腰の痛みの方がキツい。

さてこの日はいい陽気のお散歩日和。
気持ちのいい風が吹いていて最高気温も25度。ビバ夏の北海道。
まずは夏用の服が必要だったので買いに行くことに。

自転車に乗ったり押して歩いたりしながらお酒を飲む。
飲んでいる時は100％押して歩いている。
酔いが覚めるまではずっとそう。交通ルールを守るということは当然だが怪我が増えるだけだからね俺の場合。
怪我を癒そうとリハビリに来てるんだからそれは避けなければならない。

家からは結構遠いのだけれども、厚別にあるトライアルまでやってきた。
そこで服と飲み物と枝豆を買って再出発。
比較的近くにある川下公園へと向かった。

ここで一杯やりながら枝豆を食べて一休み。
酔いを覚ましてから、ここから一気にすすきのに向かう予定だ。
嫁の誕生日プレゼントを買うつもり。もう過ぎてしまったが。

しばらく休んで（少しうたた寝もして）酔いも冷め、さあ出発。
ここからすすきのまでどのくらい離れているかと言うと・・・

トライアルから川下公園までの距離の4～5倍。
なかなかの距離である。
これを下り坂以外ほとんど自転車を押して歩く。
足を引きずりながらなので時速1キロもない速さでだ。頑張るぞ！

だがこの地図をよく見て欲しい。右上の方に何か変なマークが見えていないだろうか？

その赤いマークのところに俺は呆然と立っていた。

それもその前に道を間違えたのに気が付き、かなり戻ったところがここだった。
ここでこの看板を発見し、ようやく現在地がわかったのだ。

江別市・・・もう札幌出ちゃってるじゃないか！（笑）
ここよりも更にずっと遠くにいたなんて。
ちなみに俺がその前にいた場所はこんなところだった。

北海道丸出し！すすきのはどこじゃい！
途中ひとりだけ人とすれ違ったが、道の真ん中でなにかヨガのような瞑想をしていた。
絶対に人が来ないとっておきの場所だったのか、俺が来た時にはかなり驚いた表情をしていた。

ここでようやくスマホのマップを確認する。
今いる場所にびっくり。
間違いに気がついて道を修正したのも束の間、その後俺は更に逆方向に進み、当別の方へと向かおうとしていた。

ちなみにもう完全に酔いは覚めている。
当たり前だ。ここには酒を買える店もないのだから。

慌てて今来た道をまた引き返す。
真っすぐ行けばゴミ処理場が見えてくるはず。
そこまで行けばいつも通っている知っている場所だ。今度こそすすきのまで行ける。

どれだけ経っただろうか？ふと前を見上げると見覚えのある煙突。

見えた！あれだ！！
もう日も落ち始めてきたけれど、ようやく戻ってきた。札幌に入った！

この先に行けばスーパーがあるので、まず酒と飯を買おう。
飲まず食わずでここまで来たのだ。許されるはずだ。

一息ついて気力を取り戻す。
もう嫁へのプレゼントは買えないだろう。
だが俺はすすきのに向かうのだ。間違ったままではどうしてもいられなかった。

自転車に寄りかかるように体重を預けながら、一歩一歩すすきのまでの道を踏みしめる。

おわかりいただけただろうか(恐怖)

またしても俺は反対向きに進んでいたのだ。

周りに家がすっかりなくなった頃、ようやく間違いに気がついた。ここはどこなんだ？？
マップを見てもよくわからない。

すすきのは一旦諦めて、自宅に向けてナビを設定。
訳のわからない川沿いを進まされてしまう。
そしてそのまま歩いていると・・・・

見覚えのある煙突が現れた・・・・現れやがった。
あ然ボー然。
一周して戻ってきていたのだ。

この瞬間に俺の頭の中の何かが狂っていることがわかった。

そもそもなぜ最初からナビを使わなかったのかというと、俺は方向音痴ではないのだ。
ナビを設定してもそれよりも近い道を知っているからナビの言うことなんて聞かない。
嫁も俺が助手席にいる時はナビなんて使わないくらいだ。

もちろん多少の酔いもあったかもしれないけれど、この煙突を見つけた時にはすでに酔いは覚めていた。川沿いにはやはり店がなかったから。

MRIでは脳に損傷は見られなかった。
だがパンチドランカーのように、何かのダメージが頭に確実に残っている。

とにかくそれが恐ろしくなり、ナビの目的地をまたすすきのに切り替えた。
すすきのに行けば落ち着く。きっと治る。そんな気がする。
ナビに従いながらゆっくりと進み、22:30頃ようやく着いた。

先日少し話をした風俗店の店員を見つけて少しおしゃべり。
ようやく気持ちが落ち着いてきた。
嫁さんに心配かけないでさっさと帰れと言われた（笑）

自転車を押しながらゆっくりゆっくり。時間はもう0時過ぎ。
ゆっくりしすぎて小便を漏らしそうになって慌ててコンビニに飛び込んだら「当店にはトイレがございません」だって。

ジタバタしながら橋の上から川に向かってええいままよ！と放尿を開始したら後ろにパトカー止まってた（笑）
今月に入ってからどんだけ捕まるんだよ。

追記
今ラインで嫁とのやり取りを確認したら、誰と連絡を取っているのか途中でわからなくなってしまっていたらしい。
お酒も手伝ったのだと思うけれど「奥さんですよね」「ごめんなさいわからなくて」ってライン送ってる・・・。
家までの一本道でまた自宅がわからなくなって迎えに来てもらったんだった。

記憶なくすほど酔っていても勝手に家に帰ってフルチンで寝てるような男が帰れなくなっちゃうんだなぁ。
頭のダメージは怖い。